“ウマ娘の水着姿”の賛否に、多彩な意見が集う
新たな育成ウマ娘の登場に合わせ、その獲得意欲を調査したアンケート結果は以上となりました。推しているウマ娘の新実装や、今後の展開に向けて備えるといった視点から、見送る選択をした方が多くいた模様です。
今回初めて行われた“ウマ娘の水着化”は、大きな注目を集めましたが、同時にユーザーの間で意見が大きく分かれる向きもありました。元々、こうした“水着に着替えたキャラ”の実装は、多くのソーシャルゲームで行われており、定番と言っても差し支えがないほどお馴染みです。ですが、ウマ娘たちの水着化については、意見が分かれる一面がありました。
一般的なソーシャルゲームではあまり論じられることのなかった“水着化の是非”が、『ウマ娘 プリティーダービー』で論じられたのは、本作が持つ特徴が大きく関わります。作中に登場するウマ娘たちは実在の競走馬をモチーフとしており、その名前を冠しているだけでなく、性格や個性にも反映。また、史実のエピソードを盛り込んだドラマも盛り込まれるなど、そうした再現度の高さも人気の理由です。
あくまでモチーフなので、実際の競走馬とウマ娘たちは決して同じ存在ではありませんが、競走馬の名を持つ彼女たちに水着を着せるという点について、SNSなどで様々な考えが交わされました。
こうした意見に注目し、水着の是非について意見を求めるアンケートを別件で実施。その際に寄せられたユーザーの生の声を、こちらで紹介させていただきます。
こちらのアンケートには692名が参加し、無回答はゼロ。そして、全体の半数を超える58.2％の方々が、ウマ娘の水着化に賛成の声をあげました。賛成の理由は様々で、その見た目を肯定的に捉えた意見も複数届いています。史実に合わせた衣装作りが行われてきた作品なので、その点に信頼を置いた声などもありました。
【読者の声】（一部抜粋）
・お気に入りのウマ娘の可愛いユニフォームが増えて嬉しいから。
・素直にかわいい。あまり過激過ぎないようにお花など飾りもあるしいいと思う。走る姿は少しシュールだと思うけどw
また、コンテンツの存続や新たなユーザーを取り入れる手法として理解を示した方や、表現の在り方として肯定的に受け止める人など、「賛成」にも色々な見方や見解があることが分かります。
【読者の声】（一部抜粋）
・ウマ娘というコンテンツをこれからもずっと遊んでいくためには仕方の無いことだと思うし、ソシャゲの季節ガチャだと思うと不思議でもなんでもない。
・夏らしい雰囲気を味わって欲しいから。またこのイベントをきっかけに 競馬について知る人が増えると思うから。
・擬人化であり、美少女化しているゲームなのだから、こういう表現もあって認められるべき。元ネタだけに忠実であるならば、そもそもウマ娘である必要はない。
一方、反対した方々についてもその理由は様々で、その見た目について否定するのではなく、レースの衣装としては疑問といった声も挙がっています。
【読者の声】（一部抜粋）
・別に嫌いとかではないけれど、レース衣装としては合っていない気がする。
・サポートなら良いけど育成キャラになると どうしても水着で走る事に疑問が出てしまう。仮装でレースするのは最初期待していた物とは別物なので、サポカはオッケーだけど育成キャラはうーんって感じ。
そして、モチーフとなった競走馬がいることから「複雑な気分になる」と答えた方もいれば、『ウマ娘 プリティーダービー』というコンテンツを高く評価し、「水着に頼る必要はない」「ウマ娘らしさで勝負して」といった旨の意見も複数見られました。
【読者の声】（一部抜粋）
・ウマ娘に関しては架空のキャラではあるが、実在する馬がいるわけで、なんとも複雑な気分になる。また、ウマ娘は水着なんてなくても十分勝負できるコンテンツだと思う。
・あるがままの競走馬の良さを尊重すべき。
・ただ美少女化した作品と違い。ちゃんと競走馬にフォーカスしてる作品なのに、凡百のソシャゲと似たようなイベント、衣装違いでは作品の魅力が半減するので、もっとウマ娘にしかできないことをしてほしい。
また、ウマ娘たちの水着化に「どちらとも言えない」と答えた方もおり、こちらは19.4％に。2割弱の方々が判断を迷っており、一概に賛成・反対を決められない難問だと伝わってきます。
【読者の声】（一部抜粋）
・レース競技をすることに機能的にあまりに向いていない衣装であるが、衣装としてはとてもかわいらしいので、半分賛成半分反対。
・悪くはないけど、個人的には浴衣が良かった。
・最初は反対でしたが、実際になってみると可愛いのです…。固有スキルも変わったりしているので、どんなレースをしてくれるのだろう…といった興味はあります。
ユーザー同士の意見が分かれるのは珍しいことではなく、多くの作品で見られます。ですが、水着の是非について意見が大きく分かれるのは珍しいケースです。モチーフである競走馬や競馬の世界に敬意を払う方から、『ウマ娘 プリティーダービー』のあるべき姿を問いかける人まで、賛否と一口に言ってもその方向性は多岐にわたります。
今回は水着に関しての意見でしたが、“表現の線引き”という枠で捉えると、本作に限らず多くの分野でこうした議論は飛び交っています。自由が過ぎれば問題が発生し、かといって締め付ければ創作そのものが衰退しかねず、表現の幅は非常に難しい問題です。
コンテンツの権利を持っている側──今回の例でいえば、サイゲームス──が、コンテンツにおける表現の指針を築き、ユーザー側にガイドラインを提示することはできます。実際に同社は、そうした活動を続けてきました。しかし、例え権利元であっても、表現に関する“絶対の正解”を見出すのはかなりの難題です。
表現に“絶対の正解”がないからこそ、受け手であるユーザーも含めて、悩み、考え続けることが大事なのかもしれません。そして様々な意見が飛び交うのは、それだけユーザーが作品と向き合っており、また作品を愛しているからでしょう。
賛成する側も反対する人も、「大事な作品だから」という思いが根底にあるからこそ。その視点を忘れずに、表現の自由と線引きを模索し、考え続けていきたいものです。
