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TPS経験ほぼゼロでも『リターナル』は楽しめるのか? PS5独占のローグライク・シューターの魅力に迫る─織りなすリスクとリターン、その取捨選択もアツい!【プレイレポ】

TPS経験ほぼゼロな筆者が、『リターナル』に挑戦しました。エイムが未熟でも楽しめるのか。ローグライク性や物語についてなど、様々な特徴を体験してみました。

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2020年11月に発売されて以来、様々なタイトルがPS5向けにリリースされてきました。ですが、PS4などを含めたマルチプラットフォーム展開も多く、独占タイトルとなるとまだまだ少なめです。

そんなPS5において、念願の独占タイトルが先月末に登場しました。その名は、『Returnal』(リターナル)。TPS(Third-person shooter)とローグライクを融合させた本作が、PS5の新たなラインアップに加わったのです。


主人公である宇宙飛行士のセレーネを取り巻く謎めいた状況や、PS5の性能に支えられたきめ細かいグラフィックなど、発表当時から大きな注目を集めていた『リターナル』。その特徴に筆者も惹かれていましたが、同時に個人的な理由から懸念材料もありました。それは、前述したTPSの部分に他なりません。

TPSは昔から根強い支持を集めてきましたが、特に昨今は対戦要素をメインにした作品が人気を博しており、プレイヤー数も増加の一途を辿っています。ですが筆者は、それだけの盛り上がりを見せるTPS作品にほとんど手を出しておらず、必然的にエイムの腕前もお察し状態。


果たしてそんなプレイヤーでも、『リターナル』を存分に楽しめるのか。TPS経験が浅いひとりのユーザーの視点から、待望のPS5独占ソフトの特徴に迫ってみたいと思います。

TPSだけどアクション分も多め! エイムに自信がなくても、『リターナル』の世界は意外と懐が深かった



まず結論から述べると、TPSの経験がなくとも『リターナル』は問題なくプレイできます。未経験者だと全く歯が立たないといった極まった手強さはなく、「3D系アクションは全然ダメ」という方でなければ、遊んでいる間に上達するプレイスキルで十分太刀打ち可能な範囲です。

本作の主な攻撃手段は銃。当然、エイムの腕が問われる……かと思いきや、精度はそれほど厳しくないため、LスティックとRスティックを同時に操作できる程度の慣れがあれば、戦闘をこなすには十分。


その理由のひとつが、敵の弾速が遅い点にあります。こちらの攻撃は銃撃ですが、敵はエネルギー体のようなものを射出します。敵によって速度の差はありますが、攻撃モーションや射出された弾を見てからの回避が間に合うので、「TPSのような激しい撃ち合い」ではなく、「見て、避けて、攻撃する」といったアクションゲームに近い感覚でした。

敵味方ともに近距離攻撃もあり、敵の突進系を喰らうとかなりの痛手を被りますが、こちらも動きを見極めて対処する形なので、やはりアクション性を色濃く感じさせます。主人公の近接攻撃は、敵のバリアを破壊したり、リロードの合間に活用したりと、銃メインのゲームにしては使い所が多く、射撃とアクション全般がそれぞれバランスよく成立している印象です。


ちなみに、敵の弾速が遅いからといって、決してヌルいゲームではありません。最初に出てくるザコですら、複数かつ横一直線にエネルギー体を放出します。見てから避けられる程度の速さですし、こちらには回避用のダッシュもありますが、地形によっては意外と苦戦する時も。また、集団戦(1対多数)が多いので、2方向からこられると避けずらさも倍増。決して油断できません。


さらにザコの中には手強い個体がおり、中ボスと表現しても良さそうな強さを持っています。ちょっとした判断ミスだけで、窮地に追い込まれることもしばしば。このクラスの敵が同時に2~3体出ると、生死が交錯する危険な戦場に早変わり。敵の攻撃が掴めない初見時などは、躊躇や混乱も手伝って、絶望的な気持ちが沸き上がります。

ゲームの難しさは個々人の腕前に左右されるため、一概にどの程度とは表現しにくい部分ですが、本作の難易度が高めなのは間違いでしょう。しかし、多数の弾幕や中ボス級の手強さ、そして各エリアの最後に控えているボスを含め、理不尽さを覚えるような難易度ではない点も明言しておきます。


多数の敵がいる最中に突っ込めば、苦戦に陥るのは当たり前です。立地を踏まえ、囲まれないように動きながら、遮蔽物を活かしてヒット&アウェイ。右下にあるミニマップには敵の位置が表示されるので、回り込まれそうになれば一端引く。これを意識するだけでも、かなり戦いやすくなります。

手早く敵を倒すのが一番ですが、基本的には攻撃よりも回避を重点に置く戦い方がお勧め。L2ボタンを押して構えることで、より正確な射撃が出来ますが、その状態だと移動速度が落ち、攻撃を食らいやすくなります。むしろ、いわゆる「腰撃ち」(構えずに銃撃ボタンだけを押す攻撃)で素早く移動しつつ、攻防一体で戦う方が安全です。


腰撃ちは、中ボス以上に手強い各エリアのボスについても有効な手段。初見時には「どうやって倒すのコレ!?」と言いたくなるほど激しい攻撃を繰り出してきますが、TPSではなくアクションゲームだと考えて向き合うと、攻撃の緩急や回避する糸口などが見えてきます。鋭い攻撃が多いので、腰撃ちでフットワークよく戦うのがベターでしょう。

主人公と比べると、全体的に敵の動きはそこまで速くないので(突進などの一部攻撃を除く)、ダッシュで相手を翻弄しつつ、遮蔽物を活かして敵の弾幕を防ぎ、ここぞという時に畳みかける! エイムの腕に自信がなくても、こうした駆け引きで埋め合わせができ、強敵とも十分に渡り合えるようになります。


敵には弱点部位があるので、エイムが上手ければその腕前も遺憾なく発揮できます。そして苦手でも、立ち回りや装備でフォローが可能。難易度は高めながら、対抗手段はいくつもあるので、一見するよりも間口は広く、意外と多くの方が楽しめるゲームだと印象を改める結果となりました。

謎めく物語と、積み重ねていくローグライクの相性が抜群!



本作のゲーム性において、戦闘が大きなウェイトを占めているのは間違いありませんが、ローグライクなシステムや謎めく物語もまた、『リターナル』における大きな特徴です。


とある惑星に不時着し、脱出どころか生き残りすら厳しい状況に置かれたセレーネは、白い影が発する信号を求めて探索に挑みます──が、危険な敵が蔓延るこの世界において、彼女の力はあまりにもささやか。あっけなく命を落としてしまいます。


ですが、途切れたはずの意識は目覚め、自分が宇宙船の墜落地点にいることに気づきます。時間が巻き戻ったのか、同じ身体と記憶を持つ別の存在なのか、原因や真相は全く分かりません。セレーネに出来ることは、その秘密が解けるかもしれないと願いながら、この謎めいた星を探索することだけです。


この“死に戻り”を繰り返す中で、奇妙な事実がセレーネに突きつけられます。そのひとつは、形を変える地形。ブロック単位──ダンジョンにおける部屋と考えてください──の形は変わりませんが、その繋がりは毎回変化しており、挑むたびに違う姿を見せます。


そして物語もまた、奇怪な一面を覗かせます。探索を続けているうちに音声ログをいくつも見つけますが、その録音者はセレーネ。もちろん、プレイヤーが直接操作しているセレーネは、このようなログを残してはいません。

ですが、間違いなく同じ声の持ち主が、この星から出られないこと、死に戻りを繰り返していることなどを語っています。プレイヤーが進行形で味わっている状況を、一足先に体験しているような、不思議で奇怪なメッセージです。


音声ログの本人は、操作しているセレーネと同じ人物なのか。別人だとすれば、なぜ名前も声も同じなのか。同一人物ならば、その記憶を失っているのか。それとも……奇妙な事実と出会うたびに新たな謎が残り、物語の痕跡を追うプレイヤーの手に力がこもります。


構成が一定ではないローグライクなゲーム性は、ともすれば飽きを招く繰り返しのプレイに適度な変化を与えてくれます。“死に戻り”ごとに装備やアイテムの大半がリセットされてしまうのも、やりくりの楽しさが生まれる余地も存分にあります。

そのローグライクな構成と、片鱗を辿っていく物語の相性は抜群。不気味な進展を見せる物語が繰り返しのプレイに刺激を与え、そしてプレイを重ねることで経験が身に付き、難所を越えて新たな展開へと辿り着く──この相乗効果を受けた身として振り返ると、ローグライクと物語を組み合わせた本作の仕上がりは、非常に秀逸だと感じました。


ちなみに、構成は違うものの同じ地形を何度も移動しますが、主人公の動きは機敏で、ダッシュを併用すれば移動速度はかなりのもの。運動性が高いおかげで、同じ地形を何度も進むストレスが極力押さえられています。また、次のエリアに進むと、景観やマップ自体も全く変わるので、探索欲が適度に満たされる点もプレイ意欲を後押しします。

「リスクとリターン」の絶妙なバランスと、与えられた選択の主導権が、あなただけの探索を形作る!



TPSアクションとでも言うべきゲーム性と、ローグライクと物語の融合によるプレイ意欲の促進などが、『リターナル』におけるかなり大きな特徴です。しかし、この他にも様々な魅力に溢れているので、その一部についても軽くお伝えしたいと思います。


まず、ゲームデザイン全般において「リスクとリターン」のバランスが絶妙でした。本作の戦闘は銃撃がメインなので、距離を取れば取るほど安全に戦えます。しかし、敵が死亡時に落とす「オボライト」(作中における通貨のようなもの)は、一定時間で消滅。遠距離で戦っていると、「オボライト」の回収が間に合いません。

距離を詰めれば被弾の可能性は跳ね上がりますが、「オボライト」は回収しやすくなります。安全を取るか、「オボライト」を取るか。自身の腕前ならどの距離で戦えるのか、その見極めも本作の醍醐味です。


また、入手できるアイテムの中には、メリットとデメリットを合わせ持つ「パラサイト」があります。特殊な恩恵を受けられると同時に、例えば「敵が死ぬと、その場に酸をまき散らす」といったマイナスな効果も発生。「パラサイト」の効果は事前に確認できるので、どのデメリットを背負うか、その取捨選択も攻略する上で大事なポイントになります。


さらに、「悪性」がついたアイテムやコンテナは、取得や開封の際にスーツが故障(=マイナス効果の発生)する可能性があります。運が良ければアイテムだけを手に入れられますが、武器攻撃力ダウンのような故障が発生した時には目も当てられません。

この他にも、ノーダメージで敵を倒し続けると特別な効果が受けられる「アドレナリン」というシステムもありますが、ダメージを受けるとリセットされて効果も解消してしまいます。高いアドレナリンを維持したいので、安全に戦いたい。しかし、距離を取ると「オボライト」が手に入らない。「パラサイト」で戦力を増強すれば戦いやすいけど、デメリットも受け入れないといけない……と、本作の探索には、リスクとリターンが常に付きまといます。


どのタイミングでデメリットを引き受けるのか。そのほとんどは、プレイヤーのタイミングで決められるので、全てを回避してノーリスクで進むもよし。準備を整えてリスクを最小限に抑えるのもよし。出たとこ勝負でリスクを負いまくるのもまたよしです。このように、選択できる幅があるのも『リターナル』の特徴と言えるでしょう。


PS5ソフトという点で見ると、ロード時間の短さは本作でも遺憾なく発揮されています。探索中に倒れると、宇宙船が墜落した直後へと巻き戻されますが、体感的にはプレイが途切れる間もなく次の周回へと入れます。次のエリアに進む時も、長々とした演出などはなく、あっけないほど短時間で移動完了。SSDの恩恵は、本作でも存分に味わえます。

アダプティブトリガーには銃撃の感触があり、没入感に一役買っています。特に恩恵を受けているのが、照準のフォーカスと特殊な銃撃を打ち分けるL2ボタン。その切り替えにはアダプティブトリガーによる一定の抵抗があるため、誤射することはまずありません。


臨場感溢れるグラフィックについては、語るよりも直接見ていただいた方が分かりやすいと思いますが、見た目でプレイ感を損なうといった要素は全くなく、異星の不気味や独自の文化、またセレーネが置かれている緊迫感のある雰囲気を、そのグラフィックで雄弁に物語ってくれました。

繰り返しになりますが、難易度自体は高いので、万人にお勧めできるとは言いかねますが、かなりアクション寄りのTPSなので、純然たるTPSと比べると間口自体は広め。3Dアクション系が苦手でなければ、意外と多くの方が本作を楽しめると思います。


またゲーム性もしっかりしており、メリットとデメリットのバランスは絶妙。テクニックで乗り切るか、時間をかけてアイテムを揃えるか、攻略の切り口が選べるのも嬉しいところです。

PS5の恩恵を存分に受けており、操作自体のストレスはほとんどなし。高めな難易度と“死に戻り”に折れない心があるならば、この『リターナル』は期待に応えてくれる作品です。


PS5の普及度を考えると、「PS5でのみ遊べる」という点が最大の問題かもしれませんが、幸いオンライン要素はかなり少なめで、旬を逃したら面白さが損なわれるタイプのゲームではありません。まだハードを所持していない方も、PS5を購入したらプレイ候補に加えてみてください。




《臥待 弦》
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