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なにかと“ウマ”が注目される今だからこそ語りたい、スクウェア(当時)の超硬派な競馬予想ソフト『パワーステークス』【特集】

SNSでは「ゴールドシップ」「スペシャルウィーク」「トウカイテイオー」などの競走馬の名前がよく見かけられますね。

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スクウェアは競馬予想ソフトを出していた!?キミは『パワーステークス』を知っているか【特集】
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なにやらSNSなどで競走馬の名前が駆け巡っている昨今。さまざま馬の感動や面白エピソード紹介などもあり、その勢いとともに「競馬」に対して興味を持った読者の方もいるかも知れません。


ところで、実はスクウェア・エニックスが「競馬」を取り扱ったソフトを出していたことをご存知でしょうか。「スクエニの競馬ゲーム?ああ『チョコボスタリオン』ね!」という方も多いでしょう。しかし、今回紹介するのはチョコボが出る作品ではありません。実際の競走馬がテーマです。



実はそのソフト、以前Game*Sparkで掲載した、レトロゲーム互換機「POLYMEGA」のサンプル機によるゲームの起動確認情報に含まれていました。件のソフト『パワーステークス』は、1997年にスクウェア(当時)が発売した「競馬予想ソフト」という少し異色なジャンルとなります。本記事ではこの『パワーステークス』に迫っていきましょう。


『パワーステークス』とは


スクウェアと競馬新聞「競馬ブック」が協力して制作した競馬予想ソフト。発売されたのは1997年4月11日で、主に1996年頃の競走馬データやレース記録が登録されています。


説明書によると本作の特徴は、従来の競馬予想ソフトと違い「プレイヤーが設定する予想データ」を反映させること。「調子」「脚質」「展開」「推定タイム」の項目を自由に操作することで、レース結果に大きな変化が生まれます。さまざまな状況をプレイヤーが想定することで、仮想レースの予想を楽しめるようです。



その後、入力データ項目を追加した『パワーステークス グレード1(1997)』『パワーステークス2(1998)』も発売。ちなみに1997年のスクウェアは『ファイナルファンタジー7』『サガフロンティア』『フロントミッションセカンド』などの作品をリリースしています。



硬派なインターフェイス!データ入力は意外と簡単


本作のモードは大きく3つ。レースや競走馬のデータを入力する「出馬表の登録」、入力データをシミュレートする「出走」、そして1996年の春のG1を映像で振り返ることができる「ムービー」に分かれています。ムービーは桜花賞(勝馬:ファイトガリバー)から宝塚記念(勝馬:マヤノトップガン)までですね。


「出馬表の登録」では、まず予想するレース情報を入力します。レース名(空白でもOK)や距離はもちろん、馬場の状態や推定タイムなどのデータは大きく結果を左右するので注意しましょう。本作は、説明書で「必ず競馬新聞を用意しましょう」とあります。レースデータを作ったあとは、出走する競走馬のデータ入力です。



競走馬データは、本作に収録されている競走馬データ(およそ6千頭)を検索するほか、プレイヤー自身が入力して作り出すことも可能。新データの場合は「名前」「所属(関東/関西・地方・海外)」「分類(父内国産馬など。詳しくはJRA公式サイト参照)」「馬齢」「クラス(新馬からオープンまで)」「性別」「毛色」を入力して登録します。


本作では、その馬が過去に走った3レースまでのデータを入力することで馬の能力が決定されます。前走データはかなり細かく入力可能です。馬のデータと過去の競走成績が揃ったあとは、出馬表で「騎手」「斤量」「脚質(逃げや追込など)」「調子」をそれぞれ入力。調子はレース結果を左右する「プレイヤーの入力部分」になります。競馬新聞などのコメントで判断する部分ですね。



データ入力後はトップ画面へ戻り「出走」で仮想レースへ。いよいよ緊張の一瞬です。


レースはただ見るだけじゃない!展開を作り出せ!


レース中の画面では、カメラ切り替えや注目したい馬の選択などが可能。×ボタンを押すことで倍速にできるため、結果を見るだけならば押しっぱなしにすればOKです。なお、同一データの場合必ず同じ結果になります。



仮想レース中には、プレイヤーは各馬の「最終コーナーの位置取り」を自由に変更することが可能。位置取りを変更することでレースは再シミュレートされ、結果が変更されるのです。なお、出走表画面の「脚質」「調子」なども大きく結果に反映される部分です。これらのプレイヤーが「予測する部分」を大きく重視しているようです。



ただ、展開予想はあくまで「最終コーナー」のみのため、大きな展開予想はしづらい印象。かなり無茶な展開でも、無理矢理リアルに戻そうとするシステムは優秀ではあります。


実際にデータ入力で再現してみよう!


さて、それではこのソフトの実力を確かめてみます。サンプルにするレースは、2021年2月21日に行われた「フェブラリーステークス」です。データ入力はJRA公式サイトのほか「競馬ブック」「netkeiba.com」などを参考にさせていただきました。なお、馬齢は2001年に表記方法が変わっているため、当時の表記で入力しています。


競走馬データ入力で感じたのは「騎手がいない」ということ。本作が出たのが今から24年前なので当たり前なのですが、先日のレースで騎乗していた人々はほとんどデータに登録されていません。さいわい「関東」「関西」「地方」「海外」で登録できるため、入力自体には問題がありません。



また、前走データでも「レースがない」「登録レースの距離が変わってる(根岸ステークス)」などのトラブルがありましたが、なんとか無事に入力完了。さっそくシミュレートさせてみましたが、勝馬は「カフェファラオ」ではなく「ワンダーリーデル」になりました。その後、調子や展開などをいじっても結局「ワンダーリーデル」の牙城は崩れませんでした。


一応最終的に調整した結果では、上位6着中の5頭までは馬自体の予想が的中していました(順番はバラバラですが……)。そういった意味では、本作の「ユーザーが入力する部分」の比重はかなり大きそうです。





紹介してきた『パワーステークス』ですが、思った以上にデータ反映がしっかりしている印象です。こちらの調整箇所は多かったのですが、最終的に仮想フェブラリーステークスで悪くない結果が出たことには驚きました。


もちろん本作が現代でも真面目な予想に使えるとは思えません。24年間の歳月は残酷で、データが無さすぎます。騎手も新設レースもないものが多すぎますし、馬齢表記すら今とは別物なのです。


ですが、当時のレースが見られたり「ヒシアマゾン」「エアグルーヴ」「マチカネフクキタル」などの当時の勇姿が見られるのは嬉しい限り。このような往年のデータベースは、あくまで昔を思い出すため、もしくは最近SNSで名前を見る競走馬の詳しいデータを知りたい場合などには楽しいかも知れませんね。



ヒシアマゾン最後のレースになった1996年の有馬記念。

「桜が満開!」の名実況でおなじみの天皇賞(春)

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《Mr.Katoh》
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