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『DEEMO -Reborn-』は「ほぼふたつのゲームを開発している」─“完全新作”の理由をユウ・ミンヤン氏に直撃! 新要素「VRモード」のプレイレポもお届け

『DEEMO -Reborn-』の開発に取り組む「Rayark」のCEOであるユウ・ミンヤン氏が、東京ゲームショウの開催に合わせて来日。プレイレポートを通じて、本作の手触りや新要素などをお届けします。

ソニー PS4
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インターネットの発達に伴って、ダウンロード販売が定着化。そしてスマートフォンの普及が更に追い風となり、数多くのゲームが手軽に楽しめるようになりました。

また、これらの進歩は、国境を越えたゲームリリースのハードルも下げる形となり、インターネット以前と比べ、多くの海外企業が日本も展開先のひとつに組み込んでいます。そんな海外企業の中でも、2012年に初作品となる音楽ゲーム『Cytus』を展開して注目を集めたのが、台湾の「Rayark」です。

同社は、アクションの『IMPLOSION』や、RPGの『Sdorica』など、多彩なジャンルに挑戦して好評を博していますが、デビュー作となった『Cytus』や続編の『Cytus II』、高校生たちの日々を描くストーリーも話題となった『VOEZ』など、音楽ゲームを最も多くリリースしています。

同社の音楽ゲームの中でも、特に大きな人気を誇っているのが、『DEEMO』です。タッチパネルをピアノの鍵盤に見立てた演奏パートや、幻想的で柔らかなタッチが印象深い世界観、タイトルと同名の謎めく人物『DEEMO』と少女の関係など、数多くの魅力を内包した本作は、スマートフォン向けだけでなく、PS Vitaやニンテンドースイッチにも展開。国境を越えて多くのユーザーから支持を集め、一大人気タイトルとして世界に広まりました。

そして、『DEEMO』の新たな展開となる『DEEMO -Reborn-』が今年の9月に発表され、こちらも大きな注目を集めています。本作の発売は、ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下、SME)のゲームパブリッシングレーベル「UNTIES (アンティーズ)」が担当。プラットフォームはPS4で、PSVRにも対応。しかも「完全新作」を掲げています。本作がどのような内容になるのか、『DEEMO』ファンのみならず、ゲームユーザーからも高い関心を集めています。


そんな『DEEMO -Reborn-』の開発に取り組む「Rayark」のCEOであるユウ・ミンヤン氏が、東京ゲームショウの開催に合わせて来日。この新たな『DEEMO』の魅力を直接窺える機会と、一足早い『DEEMO -Reborn-』の体験プレイを提供していただきました。まずは、気になる『DEEMO -Reborn-』のプレイレポートを通じて、本作の手触りや新要素などをお届けします。なお、今回プレイした『DEEMO -Reborn-』は開発段階のバージョンのため、今後変更される可能性もあるのでご注意ください。

◆『DEEMO』とVRの出会いが、世界と音楽への没入感を拡大! TV+コントローラーでのプレイも可能



早速、『DEEMO -Reborn-』のVRモードを開始すると、視界はまさに“あのピアノの部屋”に! 視点は固定されていますが、視点となるカメラの箇所は複数用意されており、様々な角度から部屋を見ることができます。

本作は、『DEEMO』の魅力の根幹となる演奏パートだけでなく、謎や仕掛けを解くことで楽譜を見つける探索パートもあります。探索パートで見つけた新しい楽譜を演奏することで、新たな場所に進めるようになるなど、相互のパートを繰り返すことで物語が進行。音楽ゲームと探索型ADVを合わせ持っている印象です。


VRモードでは、PlayStation Move モーションコントローラーを両手にひとつずつ、2本持ちでのプレイとなります。ですが、2本同時に使うのは演奏パートのみで、探索パートでの使用はどちらか1本でOK。

探索パートで直接的に活躍するのは、『DEEMO』シリーズに欠かせないあの少女。移動させたい場所や、気になる箇所(照準が合うとアイコンが変化)に向けてトリガーを引くと、それぞれに対応した動きを少女が行います。この少女をはじめ、部屋の中のオブジェクトや背景なども3Dで表現されており、これまでにない立体的な描写が“この世界にいる”という刺激的な感覚を与えてくれます。


謎解きのひとつひとつも、「足場を動かして高い場所にある楽譜を取る」といった分かりやすいものから、実際に仕掛けを動かして法則性を見極めるものまで、バリエーションや手強さも多種多彩。床の模様がヒントになることもあるので、なかなかの遊び応えを感じます。ちなみに、謎解きが難しいものほど、難易度の高い楽譜が手に入る傾向にあるとのこと。

構造や視覚的なヒントを頼りに進める謎解きと、没入感の高いVRモードの相性は、非常に良好。“そこにいるような感覚”だからこそ、世界の端々まで集中して観察することができます。もちろん、描写されるビジュアルはあの『DEEMO』の世界が再現されており、謎解きや探索をしなくても、そこにいるだけでも居心地のいい満足感がありました。


そして、もうひとつの軸となる演奏パートでは、前述の通り2本のモーションコントローラーを使用(VRモードの場合)。奥から迫ってくるノーツは、画面上で見るよりも存在感を感じます。このモーションコントローラーが指先の代わりとなり、ノーツとラインが重なった瞬間にを振ることで正否判定が行われます──と表現すると分かりにくいですが、コントローラーが指先と考えると分かりやすいかもしれません。

コントローラーを振ると、鍵盤が音を鳴らす。その感覚を、あとはノーツの動きに合わせるだけ。文字通り直観的な操作は、「実際にピアノを弾いている」により近しい手応えを味わわせてくれます。左右に連続する黄色いノーツは、コントローラーを横に滑らすように判定。この動きも、音を区切らず流れるように音高を上げ下げするグリッサンド奏法を思わせ、演奏者さながらの満足感が背筋を駆け上がります。

また、こちらはより個人的な感想となりますが、コントローラーを振ることで音楽が“完成”していく感覚は、ピアノの演奏者だけでなく、どこか音楽の指揮者のような錯覚も覚えました。コンパクトな動作の方がより正確にノーツを捉えられるのだと思いますが、音楽に身を任せ、むしろ大ぶりでコントローラーを振ると、指揮棒を振るような楽しさも。スコアを気にせず感情の赴くままに没頭するのも、『DEEMO -Reborn-』ならではの楽しさかもしれません。

ちなみに『DEEMO -Reborn-』は、VR対応タイトルなので、TVモードでもプレイ可能。TVモードでは通常のコントローラーでの操作となります。演奏パートでは十字キーの「左」「上」「右」が左三つのノーツにそれぞれ対応し、右三つのノーツは「□ボタン」「△ボタン」「○ボタン」が対応しています。また探索モードでは、ポイント指定ではなく少女を直接動かす形に。世界の細部までじっくり見たい方は、TVモードで楽しむのもオススメです。

新たな刺激に満ちた『DEEMO -Reborn-』のプレイは、あっという間に予定の時間を迎えて終了。まだプレイを続けたいのが正直な気持ちでしたが、体験を通じて更に気になるポイントもあり、本作の更なる詳細や魅力について、ユウ・ミンヤン氏に直撃しました。続いて、そのインタビューをご覧下さい。

◆“ほぼふたつのゲームを開発している”『DEEMO -Reborn-』は、ファンへの感謝の現れ



──『DEEMO』が2013年にデビューし、様々なプラットフォームに順次リリース。そして、VRに対応した『DEEMO -Reborn-』も発表されました。この『DEEMO』が歩んできた5年間を振り返り、今の率直な気持ちをお聞かせください。

ミンヤン氏:そうですね、2013年に『DEEMO』を発売させていただいた時、ここまで支持していただけるとは思っていませんでした。本当に感無量です。全世界の各プラットフォーム合わせて、『DEEMO』のダウンロード数は2,100万を超えています。

その感謝も込め、『DEEMO』のファンに新しい『DEEMO』を体験していただきたくて、この『DEEMO -Reborn-』制作に至りました。ですが、この『DEEMO -Reborn-』を単なるリメイクとは思っていただきたくないのです。家庭用向けとしてまったく新しい『DEEMO』を、ファンの皆さんにお届けしたいと考えて制作に当たっています。

──感謝の気持ちを届ける『DEEMO -Reborn-』で、VRという要素を盛り込んだのはなぜですか?

ミンヤン氏:『DEEMO』の世界に入れたらいいな、という声をファンの方々からずっと頂いていました。そして、私たち自身も同じ気持ちだったため、「VRを用いればそれを実現できるのでは」と思い、その要素を取り入れようと決めました。

2Dのイラストだった世界が、VRに対応したことでリアルな3Dの世界に変わりますが、元々の世界観を極力保ちつつ、新たなVR体験を楽しんでもらえる感じに出来ればと思っています。

──本作の世界をVRで表現する際に、特に苦労した点などはありますか?


ミンヤン氏:まずは、3D酔いについてですね。出来るだけ軽減できるように開発しています。本作の構成上、(一般的なVRタイトルと比べると)比較的長く遊ぶ必要があるタイトルなので、長時間遊んでいただいても酔わないように心がけています。

あと、苦労している点はもうひとつありまして・・・今回の3Dで再現された『DEEMO』を少しでも多くの方々に遊んで欲しかったので、(PSVRを必要とする)VRモードだけでなく、通常のリズムゲームとしてTVでも楽しめます。このVRモードとTVモードは表現が全然違っており、内部チームでは“ほぼふたつのゲームを開発しているような感覚”になっています。そこが、大きく苦労している点ですね。

──より多くのユーザーさんに届けるため、その苦労も並々ならぬものがあるわけですね。そのVR体験を含む、3Dとして再現された『DEEMO』という提案が、本作を“完全新作”と位置づけるポイントなのでしょうか?

ミンヤン氏:この『DEEMO -Reborn-』を完全新作として掲げさせていただいているのは、スマホ版にはなかった「城を舞台とした“謎解き”や“探索”」といった要素がたっぷりと含まれており、アドベンチャーゲームとしての側面を合わせ持つ作品になったからです。

あと、例えばの話になりますが、スマホ版におけるプレイについて、演奏が中心でストーリーはサポート的な存在とします。ですが『DEEMO -Reborn-』におけるバランスでは、ADVと音楽が両方同じくらいの比率で考えています。極端な話ですが、音楽パートの部分を丸ごと外してしまっても、探索などのADVゲームとしてそれなりのボリュームになります。なので、その部分もじっくりと楽しんで欲しいですね。

──ところで物語面について、これまでの『DEEMO』と異なったりはしますか? 例えば、これまでとは異なる結末に辿り着く、など。

ミンヤン氏:本作も『DEEMO』なので、ストーリーに大きな変化はなく、主軸はまったく同じです。ただ、“謎解きによってストーリーが見えていく”という過程を経ることで、キャラクターとストーリーが持つ背景をより理解できると思います。また、サブエピソードも用意していますので、これまであった主軸となる『DEEMO』のストーリーに、より入り込んでいただけるかと存じます。

また、イースターエッグのようなものもあるので、是非ユーザーの皆さんに探していただきたいですね。そういった点も含め、多くの方に楽しんでいただけるんじゃないかと思います。

──『DEEMO -Reborn-』で遊べる楽曲や探索のボリュームは、どの程度になるのでしょうか?


ミンヤン氏:まず探索パートについてですが、最低限演奏しないといけないリズムパートも含めた上で、エンディングまで20時間くらいのプレイを想定しています。ただ、謎解きにかかる時間は人それぞれなので、ピンと来ればすぐ解けますし、逆にハマってしまう方もいるでしょう。そのため個人差はありますが、やり込み要素もあるので、20時間以上楽しんでいただけると思います。

楽曲についてですが、スマホ版『DEEMO』の曲をそのまま持ってくればいい、とは考えておらず、ある程度のボリュームの新曲を準備しています。また、スマホ版で人気度の高かった楽曲も収録していますので、楽しみにしていただければ嬉しいです。

──今回、一足先に『DEEMO -Reborn-』を体験させていただきましたが、発売に先駆けてユーザーさんが『DEEMO -Reborn-』に触れられる機会を設ける予定やお気持ちなどはありますか?

ミンヤン氏:あくまで予定などではありませんが、『DEEMOファンの方々や一般のユーザーさんにプレイしてもらえる機会が設けられることを、私たちも希望しています。

SME担当者:まずは、メディアさんを通して『DEEMO -Reborn-』の魅力をお届けできればと思って、今回このような場を設けさせていただきました。次は、ユーザーさんが体験できるようなイベントなどで、更にバージョンを上げた『DEEMO -Reborn-』を皆さんにお届けできたら嬉しいなと考えております。

──では、今後の発表をお楽しみに、ということでよろしいでしょうか?

ミンヤン氏:そうですね。体験していただけるような情報をお出しできればと思っています。

──では最後の質問となりますが、ユーザーさんに向けて、『DEEMO -Reborn-』で特に伝えたい魅力についてお聞かせください。


ミンヤン氏:今回の『DEEMO -Reborn-』を通して、イキイキと動いている“女の子”や“Deemo”が見られます。(そういった姿は)これまで想像するしかありませんでしたが、本作にてリアルな3Dの表現で実現しました。

未体験の方にとってはネタバレになってしまうので少しボカした表現となりますが、“儚い幻想のようなこの世界”に(VRで)入れる、またTV画面で見られるというのは、とても刺激的な体験だと思っています。

──『DEEMO』を新たな手法で表現し、その世界が更に広がる一作となるわけですね。製品版も楽しみですが、まずは続報や体験する機会の拡大などをお待ちしています。本日はありがとうございました!



《臥待 弦》
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