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【レポート】東京交響楽団が『FF』『逆転検事2』『ゼノブレ』などのゲーム音楽を演奏!「8bit Prince Symphony Concert」

2017年3月12日(日)、東京都八王子市のオリンパスホール八王子にて、ゲーム音楽コンサート「8bit Prince Symphony Concert -For Game Music Lovers-」が開催されました。

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2017年3月12日(日)、東京都八王子市のオリンパスホール八王子にて、ゲーム音楽コンサート「8bit Prince Symphony Concert -For Game Music Lovers-」が開催されました。

本公演は、多彩なゲーム音楽コンサートを手掛ける株式会社2083の企画・制作協力のもと、(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団の主催で開催された、ゲーム音楽を大々的に取り上げるオーケストラコンサートです。演奏は、今年で創立71年を迎えたプロオーケストラ・東京交響楽団が担当しました。

本公演では、『ファイナルファンタジーXV』、『グランブルーファンタジー』、『ゼノブレイド』、『ショベルナイト』、『逆転検事2』といった人気ゲーム作品の楽曲や、今回初演となる中山博之氏のピアノ演奏・編曲による『ファイナルファンタジー』シリーズのピアノコンツェルト(オーケストラとピアノソロによる協奏曲)が演奏されました。本稿では、この公演の模様をお届けいたします。

8bit Prince Symphony Concert -For Game Music Lovers-

■開催日 2017年3月12日(日)
■会場 オリンパスホール八王子

■出演者(敬称略)
植松伸夫(ゲスト)、下村陽子(ゲスト)、郡正夫(MC)、
志村健一(指揮)、中山博之(ピアノ)、東京交響楽団(管弦楽)

■プログラム
『ファイナルファンタジーXV』より
NOCTIS、Veiled in Black、Valse di Fantastica

『ショベルナイト』より
メインテーマ、ショベルを抜け!、大地を削れ!(平原の道)、
ライバル(ブラックナイトとの初回バトル)、カーテンコール(クレジット)

『逆転検事2』メドレー ~華麗なる組曲~
御剣怜侍 ~異議あり! 2011、捜査 ~中盤 2011、対決 ~モデラート 2011、
対決 ~アレグロ 2011、御剣信 ~弁護士の心得、キズナ ~信じる心、
捜査 ~核心 2011、対決 ~プレスト 2011、追究 ~つきとめたくて

『ゼノブレイド』より
メインテーマ、プロローグA、プロローグB

『グランブルーファンタジー』より
メインテーマ、始まりの風、悲壮、バトル1&2メドレー

『ファイナルファンタジー』より ピアノコンツェルト(ピアノ演奏・編曲:中山博之)
F.F.VIIメインテーマ(FFVII)、更に闘う者達(FFVII)、
ローズ・オブ・メイ(FFIX)、ハンターチャンス(FFIX)、
Force Your Way(FFVIII)、Fisherman's Horizon(FFVIII)

[アンコール]
『ファイナルファンタジーVIII』より
Don't be Afraid



コンサートの幕開けに披露されたのは、昨年11月に発売された『ファイナルファンタジー』シリーズのナンバリング最新作、『ファイナルファンタジーXV』です。まずは『FFXV』の主人公・ノクティスのテーマ曲「NOCTIS」が、繊細なヴァイオリンと、美しくもせつないピアノで響きます。続いて「Veiled in Black」が勇壮なオーケストラとピアノで勇ましく響いた後、「Valse di Fantastica」の美しく華麗な旋律がホールいっぱいに響いては消えてゆきます。


(ステージ前方、左から)郡正夫氏、下村陽子氏

演奏後には、『FFXV』の作曲を担当した作曲家の下村陽子氏が登壇。下村氏によると、今回『FFXV』から演奏された3曲は、作曲した時期がだいぶんずれているとのことです。「Veiled in Black」はまだ本作のタイトルが『ファイナルファンタジー ヴェルサスXIII』だった10年ほど前に作られた楽曲、「Valse di Fantastica」は東京ゲームショウのPV用に作った楽曲、「NOCTIS」は制作の終盤に作られた楽曲であると話しました。

続いて演奏が披露されたのは、2016年に日本で発売されたレトロ風味の横スクロールアクションゲーム『ショベルナイト』。まずタイトル画面の楽曲「メインテーマ」が勇ましく響いたあと、セーブデータ選択画面の「ショベルを抜け!」が、静かに落ちついた、戦闘準備といった趣きの音色で紡がれます。続いて、「大地を削れ!(平原の道)」が原曲よりもややテンポを落とした勇壮な音色で響いたかと思えば、「ライバル(ブラックナイトとの初回バトル)」は緊張感たっぷりのアップテンポな演奏! ラストの「カーテンコール(クレジット)」は壮大な演奏で締めくくられました。


志村健一氏の指揮と東京交響楽団の演奏で、ゲームの音楽世界が響きわたる

続いて披露されたのは、「『逆転検事2』メドレー ~華麗なる組曲~」です。ゲームの作曲を担当した岩垂徳行氏自らが編曲を行ったスコアの演奏となります。まずは「御剣怜侍 ~異議あり! 2011」。鐘とティンパニによる重厚なイントロから、ストリングスや木管、金管が入り、華麗なオーケストラ演奏が響きます。落ちついた雰囲気の「捜査 ~中盤 2011」を経て、緊張感あふれる「対決 ~モデラート 2011」に。続いてどっしりと重厚な響きの「対決 ~アレグロ 2011」、荘厳かつ凛とした旋律が印象的な「御剣信 ~弁護士の心得」が披露されます。

続いての「キズナ ~信じる心」は、まず美しいピアノソロの演奏が会場をやさしく包みこみ、やがてストリングスと木管、金管が入って壮大な演奏に。勇壮な金管の響きがうなる「捜査 ~核心 2011」を経て、「対決 ~プレスト 2011」ではアップテンポかつ緊張感たっぷりな演奏で、徐々に盛り上がっていきます。

ここで演奏がピタッと止まり、「待った!」と叫んでステージ後方の奏者の皆さんがガタッと起立。続いて「却下!」と叫んでステージ中央列の奏者が立ち、さらに「アマいな!」と叫んでステージ前方の奏者が起立。そして、奏者全員で『逆転』シリーズでおなじみの名ゼリフ「異議あり!」を叫び、腕をまっすぐ伸ばして指を突きつけるポーズを披露。そのさまはじつに凛とした迫力があり、観客からも大きな拍手が贈られます。奏者がすぐに着席して演奏されたのは、犯人を追いつめていく際に流れる楽曲、「追究~つきとめたくて」。高らかに鳴り響く金管、華麗に奏でられるストリングスの音色をメインに、演奏は盛り上がりを見せます。すべての楽器が織りなす疾走感と爽快感にあふれたハーモニーは圧巻の演奏でした。演奏が締めくくられると、少々の余韻のあと、観客からは割れんばかりの大きな拍手が贈られました。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


休憩を挟み、第2部最初に披露されたのは、根強い人気を誇るRPG作品『ゼノブレイド』の楽曲です。まずはタイトル画面で流れる「メインテーマ」。美しいピアノがぽろん……と響いたあと、続いてフルートやヴァイオリンで紡がれるせつない音色が重なってゆき、そして心震わせるような壮大な演奏がホールを支配します。続いて、本作のオープニングシーンで流れる2曲「プロローグA」「プロローグB」。勇ましい金管の音色をメインにした重厚なオーケストラで、本作の主人公・シュルクたちが敵対する「機神兵」との壮絶な戦いの始まりを感じさせるかのように響きわたりました。


(ステージ前方、左から)郡正夫氏、植松伸夫氏

続いては作曲家の植松伸夫氏が登場。植松氏によると、本日の演奏を担当している東京交響楽団は、1989年に開催された『ファイナルファンタジー』初のオーケストラコンサートで演奏を担当していた楽団とのこと。植松氏が奏者の皆さんに向けて「もしかして、当時あのコンサートで演奏をしていただいていた方っていらっしゃいますか…? さすがにいらっしゃらないですかね…?」と質問すると、なんと1人だけ男性奏者の方から挙手が! 観客からも大きな拍手が送られます。植松氏は当時を振り返り、「服部克久先生と、息子さんの隆之さんに編曲をしていただいたんですよね。当時はコンサートに出演してマイクでしゃべるのも初めてで、もうドキドキガチガチで、なんにもしゃべれませんでした。思い出深いですね」と懐かしみます。また、次の演目である『グランブルーファンタジー』に関しては、先日3周年を迎え、コンサートを全国5か所で4公演ずつ、計20公演実施しましたと語る植松氏。「『グラブル』はファンがほぼ男性で、歓声が野太いんです(笑)」と語り、観客を笑わせていました。

ここからは『グランブルーファンタジー』の演奏が始まります。まずは「メインテーマ」。優しくしっとりしたハープの音色から、フルートが入って穏やかな響きになったのち、すべての楽器による壮大で爽やかなメロディがホールいっぱいに響きわたります。続いては、繊細なピアノと軽快なフルートによる「始まりの風」と、しっとりしたヴァイオリンの音色で悲哀たっぷりに奏でられる「悲壮」を披露。ラストは「バトル1&2メドレー」が、激しく壮大で、アップテンポなオーケストラサウンドで響きわたりました。


華麗なピアノ演奏を披露する中山博之氏

最後は、ピアニストの中山博之氏が登場。中山氏が奏でるのは、『ファイナルファンタジー』の楽曲で構成された ピアノコンツェルト(オーケストラとピアノソロによる協奏曲)です。まずは『FFVII』の「F.F.VIIメインテーマ」。中山氏が紡ぐ流麗かつ繊細なピアノの音色と、東京交響楽団のダイナミックな響きが調和した華麗な演奏が、ホール中に響いては消えてゆきます。間髪を入れずに続くのは同じく『FFVII』のボス戦の楽曲「更に闘う者達」。打って変わって早いテンポで繰り出されるピアノは緊張感あふれるものになっていて、まさに敵と戦っているかのような雰囲気を演出します。続いては、『FFIX』の女性騎士・ベアトリクスのテーマ曲「ローズ・オブ・メイ」が、陰影を帯びたしっとりしたピアノと、壮大なオーケストラによるじつに華麗な演奏で響きます。勇壮さと野性味が感じられる「ハンターチャンス」、中山氏のアップテンポかつ流麗なピアノプレイによる『FFVIII』のボス戦楽曲「Force Your Way」が響いたのち、最後は同じく『FFVIII』の「Fisherman's Horizon」がゆったり穏やかに、そして壮大に演奏されました。演奏後は大きな拍手が観客から贈られます。

鳴りやまぬ拍手に応えて披露されたアンコール楽曲は、『FFVIII』の通常バトル曲「Don't be Afraid」。金管をメインに壮大かつ勇壮なオーケストラで響きます! 演奏が締めくくられると、観客からはふたたび大きな拍手が贈られ、公演は幕を閉じたのでした。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

バラエティに富んだゲーム音楽を、実力派楽団である東京交響楽団の美しい演奏で堪能することができた今回の「8bit Prince Symphony Concert -For Game Music Lovers-」では、ゲーム音楽が持つ魅力や楽しさを改めて実感することができました。特に『ファイナルファンタジー』ピアノコンツェルトでの、中山氏の繊細かつ大胆なピアノ演奏と東京交響楽団の名演によるコラボレーションはじつに華麗で素晴らしく、心に残りました。

こういったコンサートは、「まだ知らなかった音楽に出会える」というのも楽しみのひとつです。また、自分が知っている楽曲でも、異なる形にアレンジされて演奏されると、違った角度で楽しむことができます。最近はさまざまなゲーム音楽コンサートが各地で開催されていますので、読者の皆さんも、気になる公演があればぜひ足を運んでみてください!

ゲーム音楽コンサート情報ポータルサイト「2083WEB」
http://www.2083.jp/
《hide/永芳英敬》
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