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【特集】ミクの日(3/9)だから熱く語ろう! 3人のミク好きがそれぞれの“初音ミク”を語る─「人が作り、人が超えられない存在」「最後のバーチャルアイドル」

「ボーカロイド」の一バージョンとして、2007年8月31日に登場した「初音ミク」。当時、ネット環境の進歩に伴う動画投稿ブームの到来もあり、その音声合成システムとしての長所を生かした楽曲作りやそのお披露目が盛んに行われていました。

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◆初音ミクは「人が超えられない存在」──そんな彼女に望むのは?



タカロク:ちなみに、いつ頃までボカロ曲を頻繁に聴いてましたか?

キジハタ:ボカロ曲と言う意味では、僕はずっと『DIVA』シリーズをやってるので、間接的ですが今も聴いてる形ですね。

Dai:最近は「彼女の歌を聴く」というよりも、自分の生活の中で自然に聴いてる感じがしますね。

タカロク:歌い手から逆輸入で広がってるのかなという気もしますね。カバー曲で知って、オリジナル版に遡るみたいな。

仕事上、CDのランキングとかもチェックするんですが、上位に歌い手さんが来るんですよ。それで調べてみると、元々はニコニコの曲のカバーだったりするんですよね。始めの頃は、初音ミクきっかけでクリエイターが世に出ましたが、今はクリエイターを通して初音ミクを知る時代なのかなって。

キジハタ:最近は歌い手というよりも、初音ミクというコンテンツを楽しむという感じが強いかもしれません。もちろん歌も含まれていますが、ゲームやフィギュア、イラストなど。総合してひとつの楽しさになりつつあるのかもですね。個人的にはゲームが90%なんですが(笑)。

Dai:歌舞伎もやりましたしね。

キジハタ:初音ミク=曲を聴きに行く、という感じではなくなりましたね。

タカロク:私は、なんだかんだ言っても、やっぱり曲ですね。最初は満遍なく聴いてたんですが、徐々に「この人の曲は聴き続けたい」っていうP縛りになることも増えました。で、追っかけていた人たちが徐々にプロデビューを果たして、「遠くに行っちゃったなー」と寂しさを覚えるという…。

キジハタ:クリエイターさんとの距離の変化もありましたよね。もちろん、プロデビューはめでたいですし、いいことなんですが。


タカロク:変化と言えば、PVの変化も印象的ですしたね。最初の頃初音ミクが歌う曲は、基本的にPVでも彼女が主役だったんですが、だんだんとミクがいなくなっていったんですよね。象徴的なのは「カゲロウデイズ」かな。別のキャラクターたちのストーリーを作り上げる流れを見て、「こういう発展の仕方もあるんだな」と驚きました。

Dai:アニメ化などもしましたし、「ブラック★ロックシューター」と並んで、発展した成功例のひとつですね。

キジハタ:「ブラック★ロックシューター」もまさにそうですよね。歌がミクさんというだけで、物語や登場人物はまったくの別物ですし。ちなみに「ブラック★ロックシューター」も、僕はゲームから入りました。結構好きだったんです、あのゲーム。figma「ホワイト☆ロックシューター」付きの限定版も買いました。

Dai:「ブラック★ロックシューター」は、元々hukeさんが描いていたイラストに、曲が付けられたんですよね。

タカロク:そういえば、その辺りのイラストレーターさんも、初音ミクきっかけで大きく知られた面があるような気がします。supercellの三輪士郎さんとか。

キジハタ:なぎみそさんとかも。漫画「みくよん」とか好きでした。

タカロク:なぎみそさん! 私も「みくよん」大好きです。

キジハタ:本当に、多くのクリエイターさんが知られるきっかけになりましたね、ミクさんは。

Dai:そして彼女自身も、バーチャルアイドルとして活躍して。

キジハタ:ここまで長く活躍し続けてるバーチャルアイドルは、おそらく初ですよね。

タカロク:歳を取りませんしね(笑)。

キジハタ:永遠に16歳ですから(笑)。

Dai:オタクの進んでる文化や「カッコよさ」みたいなものが初音ミク発信だったりしましたね。だから、VRとかでも活躍して欲しいなと思ったり。

キジハタ:ミクさんのPSVRソフトも出てますが、VR自体の普及率があまり芳しくありませんしね。

タカロク:手に入りません…。

キジハタ:VRとミクさんの相性はいいですから、発展して欲しいですよね。バーチャルアイドルの得意分野ですから。

タカロク:あとは、一般的な露出も増えそうですね。LUXのCMとか衝撃的でした。


Dai:ポッキーのやつもいい出来映えです。


キジハタ:ライトニングさんとルイ・ヴィトンのコラボみたいな活躍も増えそうですね。今後、オタクの中だけではなく、世間一般の中でアイドルとして認知されていく気がします。単なるツールではなく、確固としたキャラクターとして。

Dai:そういう見方が加速されていくと、LUXのCMみたいな展開が増えるんでしょうね。ただ、今後の発展によっては不安もあります。VRとかはアリだと思いますが、例えばAIが入ってしまうと「初音ミク」ではなくなってしまうかなと。

受け手側の個々人が、それぞれの初音ミクを持っているわけで。その自由度が魅力のひとつなのに、「これが正解です」というのはダメでしょう。あくまで彼女には、バーチャルアイドルでいて欲しい。

タカロク:今後、新しいバーチャルアイドルが出る時は、AIを搭載してるかもしれませんね。そうすると「バーチャルアイドル」という概念自体が変わるかも。だとしたら、初音ミクは「今のバーチャルアイドル」の最後のひとりになる可能性もありますね。

キジハタ:確かに、ミクさんのようなバーチャルアイドルは、最初で最後とも言えるかもしれません。

Dai:これからは、人間に近すぎるバーチャルアイドルが出てくる気がします。だから、10年先、20年先に「理想のバーチャルアイドルは初音ミクだったね」と振り返る時が来るかもですね。人間とほどよい距離を持っていた、最後のアイドル「初音ミク」を。

キジハタ:最初の話に戻りますが、ミクさんは「無地」だったからこそというのがありますからね。

タカロク:今後こういうアイドルは出ない、というのは確かにそうかも。

Dai:アトムは「現実」にしていいんですけど、初音ミクはダメですね(笑)。

タカロク:色んな意味で、人間が超えられないものを持ってる気がします。

キジハタ:フライデーされちゃうこともありませんしね(笑)。


タカロク:人が作ったものでありながら、人には超えられない存在になった、みたいな。他にもそういうのはあると思いますが、現代でそのトップにいる印象がありますね。

Dai:今後への希望を言うなら、音ゲー以外のゲームにも出て欲しいですね。

キジハタ:『スマブラ』とか? ネギで殴る、みたいな(笑)。

タカロク:アクションいいですねー!

Dai:そうしたら、新しいファンも付きそうですね。

キジハタ:ただ、クリプトンさんがOK出さなさそうなのが……殴ったり殴られたりは、難色示しそうな気も(笑)。「フィギュアが戦ってる」という設定なので、ギリギリいけるかどうか……。

タカロク:音ゲー以外の彼女も見たいですよね。『スーパーねんどろ大戦』とかでも楽しそう(笑)。

キジハタ:ゲーム以外で、今後のミクさんへの希望ってありますか?

タカロク:不変でいて欲しい、というのはあるかな。

キジハタ:今のスタンスを維持して欲しいですよね。あとは、VRなりARなりの発展に合わせて、そっち方面の活躍も見たいです。その辺りをまとめて言うなら、「バーチャルアイドルを貫いて欲しい」かな。3次元化はせず、いつまでもモニタの向こうの存在でいてください、みたいな。

Dai:人が超えられない、理想的な存在でいて欲しいですね。

キジハタ:もう広く活躍されてますけど、市民権を得ることはいいことなのかどうか、個人的にはまだ複雑ですね。

Dai:僕は結構切り分けていて、一般的な活動はもっとポピュラーになっていいですし、それが好きな人がいるのも分かります。僕らは僕らで、「出始めの時はこうだったよね」みたいな話を楽しめればいいのかなって。

タカロク:私も似たような感じですね。初音ミクの在り方って、個々人に任せられてるじゃないですか。それが魅力でもあるので、自分が好きな初音ミクを好きなままでいればいいのかなって。

だから個人的には、もっと世界中に初音ミクが広まって、そのひとりひとりが自分だけの初音ミクを持ってくれたらいいなと思います。……今、いいこと言った!(笑)。

キジハタ:変な一線を越えないでいてくれればいいんですけどね。

タカロク:大丈夫、彼女を信じて(笑)。我々は、彼女に負けずに頑張りながら、応援していけばいいんです。

キジハタ:おかしな形で目立ったりするのではなく、むしろ「当たり前の存在」になるのが理想かもしれませんね。爆発的な注目度を集めることはないけど、流れる音楽の中や街頭広告に、ごく当たり前にミクさんがいて。そんな日常に溶け込めるような存在になるのも、悪くないのかも。

Dai:その未来に、今の初音ミクはかなり近づいていると思いますね。

キジハタ:近づきつつある過渡期の状態は、自分的にちょっと耐えられないんですが(笑)。

タカロク:めんどくさい人ですな!(笑) でもそれも、自分だけの初音ミクっていうもののひとつなんでしょうね。

Dai:初音ミクが隣りにいるのが、当たり前な未来。次の10年で、そんな世界が見られるかもしれませんね。

キジハタ:これまでの10年におめでとうを贈りつつ、新しい可能性に向けて応援! ですね。

タカロク:歳をとるのはこっちだけですけど、いつまでも変らないミクさんをこれからも応援し続けたいです。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

(C) Crypton Future Media, INC. www.piapro.net
《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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