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ネットフリックスとフジテレビが提携、「テラスハウス」の続編などを提供・・・テレビ×動画配信は今後どうなる?

フジテレビジョンは17日、ネット動画配信サービス「Netflix」へのコンテンツ提供に関する記者発表会を開催した。

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フジテレビ常務取締役の大多亮氏と、Netflix代表取締役社長のグレッグ・ピーターズ氏
  • フジテレビ常務取締役の大多亮氏と、Netflix代表取締役社長のグレッグ・ピーターズ氏
  • 『テラスハウス』の続編となる『TERRACE HOUSE NEW SEASON COMING(仮)』が発表
  • 本日13時より新メンバーの募集を開始したテラスハウス
  • 新作テレビドラマの『アンダーウェア(英題Atelier)』
 フジテレビジョンは17日、ネット動画配信サービス「Netflix」へのコンテンツ提供に関する記者発表会を開催した。

■Netflixとパートナー締結、その理由は?

 Netflixはアメリカを拠点に世界50か国で6200万人の会員に利用されている、世界最大規模のネット動画配信事業者。映画やテレビドラマ、コメディ、ドキュメンタリーなどに加え、自社制作したコンテンツなどを月額定額制で提供している。

 発表会にはフジテレビ常務取締役の大多亮氏と、Netflix代表取締役社長のグレッグ・ピーターズ氏が登壇した。今回のコンテンツ配信について、大多氏によるとオファーがあったのは約1年前のことだという。

 「Netflixは10代から20代の若者層を狙っているのですが、そういう層はフジテレビの守備範囲としているところもあって、今回のパートナーシップにつながりました。彼らがドラマを得意としていることもあり、まずは日本市場に向けたドラマ作りというところから話がスタートしたんです」(大多氏)

 そのなかで今回、Netflixに提供するコンテンツとして発表されたのが新作テレビドラマの『アンダーウェア(英題Atelier)』。そして、リアリティショー『テラスハウス』の続編となる『TERRACE HOUSE NEW SEASON COMING(仮)』だ。

 「『テラスハウス』は日本の大ヒット番組で、ファンも非常に楽しみにしていると聞いている。若い層がネットを通じてみたいと思う番組だと感じました。我々にとっては新しいジャンルに挑戦するチャンスとなり、日本のコンテンツを世界に発信していくいい機会になる。将来的に広げていきたいジャンルですし、今後はロケーションを変えたりといった展開もありえるのではないでしょうか。また、『アンダーウェア』は、日本の視聴者が何を求めているかを考えながら作った番組です。今後はこういうコンテンツをもっと増やしていきたいですね」(ピーターズ氏氏)

 一方、大多氏は『テラスハウス』が、インターネットと高い親和性を備えていることについて言及している。

「この番組を配信しないかと話を持ちかけたのは、ネット配信事業のNetflixにとってインパクトがあると思ったからです。YouTubeでの再生数が2億回を超え、13年のYahoo!検索ランキングテレビ部門で3位になるなど、ターゲットが狭い番組にも関わらず、高い支持を集めています」(大多氏)

■『テラスハウス』は、出演者一新で新たな展開に

 なお、会場では新作2タイトルについて、1分程度のプレムービーが再生された。このうち、テラスハウスについては、過去の放送をダイジェストにしたような内容となっていたが、「前作の住人が登場するかは分かりません」(大多氏)とのこと。

 「住人はすべて新しいメンバーとなり、その募集を本日の13時からインターネット上で開始しました。場所などもまだ決まっていませんが、『えっ?』と思うようなスポットを探しており、全く新しいテラスハウスを見ていただけると思います」(大多氏)

 一方、アンダーウェアについては、完全な新作の連続ドラマとなる。主人公の繭子が銀座の高級下着メーカーに就職。今までの人生にはない華やかな世界で活躍する姿を描いた、“お仕事系青春小説”ドラマということだ。

 「ネットフリックスを見たら、若い女の子が元気になった。そんな番組を目指しています。制作はフジテレビのプロデューサーが手掛けており、世界では『Atelier』というタイトルで配信していく予定。これはNetflixからの提案を受けてのことなのですが、日本車が名前を変えて海外で売られるように、ちょっと面白い展開だなと思っています」(大多氏)

 今回、発表された番組はNetflixで先行配信された後、地上波放送、BS放送、CS放送、「FOD・フジテレビオンデマンド」で配信される予定となっている。発表会のなかでは、ネットでオンデマンド配信されるという点である意味、Netflixとライバル関係になるのではという質問もあった。これについて、大多氏はフジテレビオンデマンドが都度課金のTVOD、Netflixが月額課金のSVODのため、ビジネス的な棲み分けができると考えているとした。

 「Netflixという発射台から、世界のどこかで我々の想像もしなかった人が番組を見てくれる。それは作り手にとってこれ以上ない喜びですし、そういう夢を持っています。後は、『ハウス・オブ・カード』(Netflixの大ヒットドラマ)のような大掛かりな番組も作ってみたいですし、そういう企画もどんどん出していきたいですね」(大多氏)

 Netflixは今秋に日本でのサービスが開始される。その中で『TERRACE HOUSE NEW SEASON COMING(仮)』は全18話での配信を、『アンダーウェア』は全13話での配信をそれぞれ予定している。

■ネット配信は視聴者のテレビ離れを加速させる?

 なお、発表会の終了後に会場では質疑応答が行われた。インターネットを通じた番組配信が視聴者減を招くのではという質問もあったが、これについて大多氏はテレビ離れを食い止めるために、今後はこうした取り組みが必要になるとの考えを示した。

 「ゲームやSNSなどさまざまな空き時間の使い方があるなかで、まずはテレビ局から生み出されたものに触れてもらないと何も始まらない。放送前に配信をしたら番組を見ないじゃないかと言っていたら、テレビはいつまでたっても取り残されてしまうんです。若い人たちはスマホやタブレットでネット動画を見ていますし、今後はそのユーザー層もどんどん広がっていきます。そこに、自分たちのコンテンツを置くことで、視聴者が地上波に戻ってきてくれるのが理想ですね。5分や15分といった短い番組や、全く新しい展開も考えられますし、だから非常に前向きにやっていくんだという気持ちです」(大多氏)

 一方、ピーターズ氏に対しては、日本では基本的にテレビが無料で視聴できるが、そこに定額課金のネットサービスで参入する勝算があるのかという質問もあった。

 「日本では無料で観られるものにお金を払いたくないという視聴者もいるかと思います。でも、その中に、ネットテレビに興味を持つ人もいるかもしれない。そういう人に、テレビと同じぐらい充実したコンテンツを提供し、ネットテレビの可能性を知ってもらいたい。オーディエンスを広げるのに時間はかかるかもしれません。ですが、素晴らしいコンテンツを見たい人はお金を払うという確信を私は持っています」(ピーターズ氏)

 また、会場では製作費や配信の規模など、より具体的な番組の詳細についての質問もあった。これについて、大多氏は「負担の割合など詳しい話は言えないが、地上波の番組と同等の製作費をかけている」とコメント。一方、Netflixでは世界に番組を配信するにあたって、その国に合わせたローカライズを考えているようだ。

 「例えば、スウェーデンでは吹き替えと字幕、どちらが受け入れられるかなど、今後学んでいくことは多いと思います。コンテンツクリエイターにも、世界のオーディエンスからフィードバックがありますし、そこから新しい番組を作っていくことになる。我々はグローバルなサービス会社を目指していますが、その中で日本は大きな参加国だと考えています。10年、20年、30年と長い年月をかけて、インターネットテレビの中で日本が世界の位置を占めていく。そのきっかけになればと考えています」(ピーターズ氏)

 その他、日本でのサービスインの時期や価格帯、ユーザー数の目標、他のパートナーの存在、特に吉本興業が出資を受けて番組を作るという報道についての質問もあったが、これらについては全てまだ発表できないとのこと。

地上波テレビ×ネット動画配信の可能性とは?……フジテレビが米大手Netflixにテラスハウス続編などコンテンツ提供へ

《飛田九十九@RBB TODAY》
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