『Pixel Ripped』は、ゲーム中毒の女の子・ニコラちゃんを操作して、架空のゲームシリーズ『Pixel Rift』をプレイするというもの。単純にゲーム内でゲームをプレイするのではなく、ゲーム内キャラクターを操作してゲームをプレイするため、「教室で教師にバレないように」など、ニコラちゃんの環境を意識する必要がある、一風変わった仕組みのものになっています。
ステージセレクトとして、まずは夕暮れ時のリビングルームからスタート。ステージセレクト時のニコラちゃんはまだ乳児ですが、本作におけるステージは時代を意味しており、今回のデモ版で遊べる、架空の携帯ゲーム機「GAME GIRL」の『Pixel Rift』を選択すると、時代は1989年頃に。ニコラちゃんも小学生となり、目線もかなり高くなっています。つまり別の時代を選択すれば、その時代のニコラちゃんと、その時代の『Pixel Rift』を体験することになる、ということです。
因みにゲームの歴史でいえば、1989年というと4月21日に任天堂が携帯ゲーム機「ゲームボーイ」を日本で販売し、11月22日に日本電気ホームエレクトロニクスが「PCエンジンシャトル」を販売した年です。欧米では同社が同じ年の8月29日に「PCエンジン」を「TurboGrafx-16」のネーミングで販売。ゲームボーイは日本の発売から、やや遅れて7月31日に販売を開始しています。
どうやら授業が始まったばかりといった様子で、黒板には人体図が描かれています。しばらくすると神経質そうな女性教師が入ってきました。生徒に静かにするようにと強く言い放ちますが、ニコラちゃんの手には電源の入った「GAME GIRL」があります。
机を叩いたりして、真面目に授業を受けさそうとする教師の言葉を気にせず、『Pixel Rift』の横スクロールアクションゲームに没頭していたところ、ついに教師が机を叩き割り、ニコラちゃんに体罰を行ってゲームオーバー。
気を取り直してリトライ。今度は、ゲーム機を隠したりしながらプレイします。右側のアイコンからは、教師やクラスメイトに向けて、ロケットペンシルらしきもので、消しゴムを飛ばしたりできますが、おそらく意味はありません。
作戦が功を奏したのか見事ステージクリアと思いきや、ゲーム機が震えだし、突如カラフルになりましたが……「ゲームボーイカラー」の発売は1998年なので、イベント戦のようです。
吹き出した黒いバックを背にドラゴンとニコラちゃんを通して操作していたキャラクターが飛び出してきました。一部分だけが妙に立体的な箇所がおそらく弱点に違いないと攻撃を繰り返しますが、ジャンプ力が足りず、いたずらに体力ゲージを消費させてしまいました。コナミコマンドも正解ではない様子。
ふと目を横にやると先ほどのロケットペンシルがアクティブになったままです。もしやと思い、ドラゴンの弱点に向けて当ててみたところ、ドラゴンが落下しました。好機とばかりに連打する、という流れを二回ほど繰り返したところ、無事クリア。三頭身ほどのモノクロキャラクターが四頭身のカラフルなキャラクターに変わり「プレイしてくれてありがとう」の文字で終了し、幼児期の頃のニコラちゃん……ステージセレクト画面にまで戻りました。
リリース版では古いハードから新しいハードをニコラちゃんの成長とともにプレイしていくという流れになるようです。
デモ版ながらも教室のざわめきや、クラスメイトの「すげえ、ピクセルリフトだ!」と背後から聞こえてくる声、子供の目線で見た時の大きさの違いなど、世界への引き込み方は上手く、それでいてプレイ中のちょっとしたアイテムがゲームに関わってくるなど遊び心を忘れないアイディアと演出には“にくい”といわざるを得ません。
周りの物体の大きさや画面の近さ、ゲーム機を持っているという実感を特に感じられる「Oculus Rift」を装着してのプレイも、かなりの没入感があり、単純にVR対応しただけのゲームとは一線を画す感触がありました。
当時、2Dゲームに熱狂していたゲーマーには童心に帰る気持ちで、そしてそうでなかったプレイヤーには当時の感触を味わうという意味でプレイをしてほしいゲームです。
なお『Pixel Ripped』の販売日や価格は未定。現状分かっていることといえば、公式ページ上の「数えきれないほどのイースター・エッグを用意している」の一文ですが、忠実な“らしさ”を考えてみると、上記で触れたコナミコマンドもリリース版では本当に実装されるかもしれません。その他の続報は分かり次第、追ってお知らせします。
無料でプレイ可能なデモは公式サイトからどうぞ。
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