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PLAYISM x PlayStation座談会レポ―注目の国産インディー作品と開発者が一堂に

3月4日、SCEのSSJ品川ビルにてPlayismのパブリッシングによるPlayStation向けインディータイトルのお披露目会が行われました。ここではまず座談会をレポートします。

ソニー PS4
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3月4日、SCEのSSJ品川ビルにてPlayismのパブリッシングによるPlayStation向けインディータイトルのお披露目会が行われました。ご存知の通り、Playismは国内のPC向けインディーゲームプラットフォーム。昨年からは新たにコンシューマーでのパブリッシング事業を展開し、いくつかのタイトルがリリースされています。

今回、お披露目されたのは既にリリースされた『TorqueL』、『Prismatic Solid』に加え、3月にリリースされる『CroixleurΣ』と『アスタブリード』。さらに先日発表されたデジタルハリウッドの学生が開発するステルスアクション『Bot!』。当日は開発者を交えた座談会と共にハンズオンが開催されました。ここではまず座談会をレポートします。それぞれのゲームの簡単なプレイレポートは他の記事にてお届けます。

PlayStationでインディーゲームが身近に



座談会には開発者に加え、Playismを運営するアクティブゲーミングメディアの水谷俊次氏も参加。SCEJAの伊東章成氏の司会のもと行われました。

まずはPlayismがPlayStationへのパブリッシングを始める経緯が説明されました。もともとはPCプラットフォームであるPlayism。インディーゲームをより広くユーザーに届けるために、コンシューマ機へのパブリッシングを開始しました。SCEとは2年前から話を進めており、2013年のIndieStreamでPlayStationプラットフォームへの展開が発表。昨年末からこの3月までにその成果が実り、相次いでタイトルがリリースすることになりました。

次に開発者の自己紹介とともにリリースタイトルについて説明されました。



FullPowerSideAttack.comのなんも氏は元セガ所属の開発者。個人サークルとしてゲーム開発を行い、コミックマーケットやPlayismでいくつかの作品をリリースしてきました。4つのボタンを利用した斬新なパズルプラットフォームの『TorqueL』はPS 4とPS Vitaで昨年リリース。PC版はSteamからセルフパブリッシングしています。現在は海外向けのPlayStation版を準備中。言語はほとんど使用していないため、ローカライズはスムーズに行えるようです。



小森陽一氏は長年、ゲーム業界に従事してきたベテラン開発者。個人でも20年以上、ゲーム開発ににたずさわり、PCからXbox 360、スマートフォンと幅広いプラットフォームでリリースしてきました。そんな小森氏でもPlayStationから個人でゲームをリリースすることは初めて。今年2月にPS 4でリリースされた『Prismatic Solid』はアブストラクトなビジュアルのシューティングゲーム。もともとXbox Live インディーズでリリースされた作品です。現在は海外版も準備中。



スーベニアの凛氏は同人ゲームサークルとしてコミックマーケットなどで作品をリリースしてきました。今回、PS 4とPS Vitaでリリースされる『CroixleurΣ』ももともとは同人ゲームとしてリリースされた魔法少女アクションゲーム。SteamやPlayismではPC版が既にリリースされていますが、今回のPS 4版ではグラフィックスなどは新しいものにブラッシュアップ。またボイス付きの派手な美少女アクションということもあって、お披露目されたゲームの中ではもっとも日本のインディーゲームらしい作品。SCE社内ではアジア圏での評判を期待しているそうです。



えーでるわいすのなる氏もまた同人ゲームの世界で活躍してきた開発者。Game*Sparkのインタビューでも紹介したとおり、なる氏はゲーム会社を退社して現在はフルタイムのインディー開発者の道を歩んでいます。今回、PS 4で3月19日にリリースされるアクションシューティング『アスタブリード』は既にSteamやPlayismでリリースされ、国内外で高い評価を獲得。また当日に発表されたGameConnectionのDeveloper AwardではBest Console/PC HardcoreとBest Hardcore Gameの2部門を受賞。SCEの伊東氏は『アスタブリード』を日本のインディーのトップランナーとして、積極的に紹介していきたいと語っています。

インディーから見たPlayStation開発環境

次に話題は個人から見たPlayStationの開発環境に移りました。ご存知の通り、PCのアーキテクチャと似たPS 4は前世代機に比べて格段に開発しやすいと言われています。このメリットは少人数で開発を行うインディーにも当てはまるのでしょうか。



『TorqueL』のなんも氏は開発はUnityで行いました。セガでの経験からPlayStationプラットフォームについては良く知っているつもりだったが、1人でやるとわからないことも多かったそうです。またパブリッシングに関しては知らないことが多く、そもそも会社では多くの部署が連携している業務を1人でこなすのは大変だと述べています。

『Prismatic Solid』の小森氏はXbox 360の時に使用したGPGPU(GPUを描画処理以外に用いる方法)をPS 4に書き直すのが移植の中心にあったそうです。本業でも歴代のPlayStationプラットフォームを扱ってきた小森氏ですが、PS 4はこれまでで一番素直なハードとのこと。PCから移植は比較的容易ですが、ネットワークまわりには苦労。さらにリリース前のチェック項目であるTRC(Technical Requirements Checklist)なども時間がかかるそうです。

『CroixleurΣ』の凛氏はPCと異なりハードのスペックが標準化されていることが非常にやりやすかったと述べています。またコントローラーのボタンが固定されており、ユーザーのプレイが予想しやすいこともコンシューマ機のメリット。他方、苦労した点はデバッグ。同人ゲームの開発では知り合いにデータを渡して、テストプレイやデバッグを依頼することができますが、PlayStationではそういうわけにいきません。さらに本業のかたわら開発していると、SCEのビジネスアワーと重ならないことが連携の点では問題となりました。



『アスタブリード』のなる氏はゲーム会社で様々なコンシューマ機に触れてきました。しかしながら、開発環境は今回のPS 4が一番快適であったそうです。移植における最大の山場はグラフィックスをDirectX9世代からDirectX11世代に置き換える点。最初の描画を成功させるまでには時間がかかったそうですが、一度、画像が出るとすぐにゲームは動作。特別な最適化などを行わずとも60fpsの安定した描画が実現したそうです。

それぞれの展望と若手インディーの登場



最後に各開発者が今後の展望を述べました。なんも氏はアナログゲームやVRコンテンツに興味があるそうです。アナログゲームは実際に開発中で、ビデオゲームという枠にこだわらない活動の姿勢を見せています。小森氏は2014年のセンス・オブ・ワンダーナイト受賞作のスマートフォンゲーム『Fill』の開発を続けるそうです。また今回のノウハウを活かしてVita版も出してみたいと語っています。凛氏はまだ予定はありませんが、PlayStation向けのオリジナル作品を作ってみたいと述べています。なる氏は『アスタブリード』が手から離れ、ようやく新作に取り掛かれるとのこと。次回作も最初は同人ゲームとしてPC版を作り、その後の展開は完成してから考えるそうです。

座談会の最後にはPlayismのパブリッシングによる新たなPlayStation向け作品が紹介されました。AimedFreedomの『Bot!』はデジタルハリウッドの学生3名が中心となって開発しているロボットステルスアクション。学生発のヒット作品を狙うために特別に結成されたメンバーでプランナー、プログラマ、モデラーのコアメンバーに加え、アートディレクションやサウンドも学生が手がけています。Unreal Engine4で作りこまれた世界観はとても学生作品のレベルには見えず、十分にPlayStationというプラットフォームで活躍できる見込みがあります。

記事提供元: Game*Spark
《Game*Spark》
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