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舞台「P4U」レポート…変化球にサプライズ!?”お約束”ネタも満載で、原作ファンも納得

高浩美のアニメ×ステージ&ミュージカル談義
[取材・構成:高浩美]

その他 全般

◆仲間たちとの友情や絆、ベタなテーマかもしれないが、文句なく泣ける



舞台中央には八百屋。八百屋さんの棚のように奥から前に斜めになっている舞台のことである。ところが、これ、場面によっては前後する、ここは”変化球”。オープニングは客席から”サプライズ”、覆面のテロリストとおぼしき集団が現れて客席に銃を向ける。ここはちょっとドッキリ。開演時間前にはきっちりと着席することをお勧めする。

英語のアナウンス、くるくると回る照明で、緊迫感を演出。もう、何か始まるぞ、といった雰囲気満々な劇場。そしてアクション、キャストもアンサンブルもよく動き、型もキマっていて、まずはつかみはOK!といったオープニング。クオリティの高い映像が”緩急”つけて世界観を増幅させる。芝居と映像のバランスもよく、俳優の芝居やアクションとリンクし、ゲーム的な雰囲気を出しつつ、”きちんとした演劇”という部分も大切にしているのがよくわかる。また、効果音も動きときちんと合わせており、ここは文句なく”やってるね~”と言いたくなる。



舞台上のキャラクターは、もう”これぞ2.5次元”な雰囲気でここはファンの期待を裏切らない。原作で描かれている仲間たちとの友情や絆も丁寧に描かれていて後半は泣ける。ラビリスは悲しく切ない。鳴上悠は「一人じゃない」と叫ぶ。ラビリスは「ウチはウチ」と慟哭する。ありのままの自分を受け入れる、仲間との友情を信じる。ベタなテーマかもしれないが、ここをシンプルにわかりやすく見せる。



もちろん、『ペルソナ4』ならではのお笑いネタは”お約束”。里中千枝は牛丼に我を忘れ、巽完二は強面だが、ピンクの毛糸を出したり、クネクネしたりと、こういった場面は”巽完二ショー”。鳴上悠はひたすらかっこよく、冷静。花村陽介はちょっとお調子者だが、”いい奴”全開、天城雪子はおっとり、清楚だが、”とんでもない料理を出す”下りは映像も使って”料理”を表現、ここは文句なく笑える。芝居のシーン、アクションのシーンは実に丁寧な演出で、観やすい。



ラストのアクションは必見。そして幕切れの海の映像は海面の揺らめきがキラキラ。いったん幕になった後は出演者総出で歌って踊って楽しく”THE END”。1幕ものにしないで2幕ものにし、きっちりとドラマ部分を描いているところが好感が持てる。どのキャストも実力派でキャラの表現や芝居、アクションも安定。急遽、里中千枝役に決まった小市眞琴は大健闘、といったところ。他のキャストとのチームワークも良く、今後の活躍に期待。

『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』のキャッチコピーは”その後の話を、始めようか。”である。さほどゲームに詳しくなくてもすんなり入っていける舞台版。”その前の話”にも興味がわく。普通の芝居好きでもすんなり入っていける。”その後のその後”も観たい気分にしてくれる。


舞台『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』
2014年12月19日(金)~12月23日(火)
東京芸術劇場プレイハウス
http://www.negadesignworks.com/p4u/

舞台『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』
(C)ATLUS (C)SEGA All rights reserved

記事提供元: animeanime
《animeanime》
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