最初にステージに登場したのは、30年近くにわたり『スーパーマリオ』シリーズをはじめ数々の名作を手がけてきた任天堂のコンポーザー近藤浩治氏。スクリーンに映し出される『スーパーマリオブラザーズ』の映像にあわせてピアノメドレーを演奏し、会場内が歓喜にわきます。続いて、任天堂オブアメリカの名物社長レジーことReggie Fils-Aime氏が登壇。ビデオ出演の宮本茂氏とともに、Wii U『マリオメーカー』の情報をたっぷり披露してくれました。
TGAはSCEAのファンイベントPlayStation Experienceの直前ということもあり、プレイステーション関連の発表が多くなるかと思いきや、任天堂のプレゼンスが色濃く、レジー社長もこの後たびたび姿を現します。反対に、Microsoftは影を潜めていて、いくつかのCM映像が流れた以外は、ファーストパーティーとしての発表はほぼ皆無でした。
お次はコナミと小島プロダクションから、事前の予告通り『METAL GEAR ONLINE』のゲームプレイトレイラーが世界初公開。『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』のオンラインモードとして同作に収録されることが明らかになりました。小島監督だけでなく、小島プロダクションLAスタジオ代表である関根トム氏も登壇し、同スタジオの初仕事を披露した形です。最新作でスネーク役を務めるキーファー・サザーランドがステージに現れたのは大きなサプライズ。
インディー系タイトルを大々的に扱っているのも本イベントの特徴。ちょうど1年前にVGXで発表されたHello Gamesのスペースアドベンチャー『No Man's Sky』は、壮大なスケールのトレイラーが上映されて完成度の高まりが伺えました。他にも、高く評価された北欧風ストラテジーの続編『The Banner Saga 2』、数々の受賞歴を持つ『Gone Home』のクリエイター次回作『Tacoma』、VR対応のファーストパーソン宇宙空間探索『Adr1ft』、『Rust』に続くFacepunchの新たなオープンワールドサバイバルゲーム『Before』などなど、個性的なインディー新作の映像が次々とワールドプレミア。
Electronic Artsの幹部ピーター・ムーア氏が自ら紹介した『Hazelight』も気になる存在。あの『Brothers(ブラザーズ:2人の息子の物語)』を世に送り出した作者の新スタジオとのことで、開発中のゲーム映像もチラリと見ることができました。
Naughty Dogのリード開発者Neil Druckmannがステージに現れると、『Uncharted 4』の発表を期待した来場者から大きな歓声があがりましたが、残念ながらPlayStation Experienceまで公開はおあずけ。同氏はIndustry Icon(業界のアイコン賞)のプレゼンター役として登壇。幼少時代に兄と夢中になってプレイしたという、Sierraの名作アドベンチャーゲーム『King's Quest』シリーズの思い出を語り、同作の生みの親であるSierra創設者Roberta WilliamsとKen Williams夫妻に同賞を捧げました。
1970年代後期からゲーム開発にいそしんできた夫妻のドキュメンタリー映像では、テキストアドベンチャーやポイント・アンド・クリック型アドベンチャーゲームを中心とした歴代の作品が紹介。Roberta Willianms氏は、プログラマーだった夫と共に、当時からマイノリティだった女性開発者独自の視点でゲームの脚本を執筆、ストーリーテリングの手法と技術を革新させてきた業界パイオニアとして、賞に選ばれたということです。2人の表彰と共に、『King's Quest』の最新作がサプライズ発表されたのも素晴らしい演出でした。
任天堂からは後半も再びサプライズがあり、2011年のE3発表以来、開発が長期化していてファンをやきもきさせている、Wii U『ゼルダの伝説 最新作』のゲームプレイ映像が初披露。そのオープンワールド性やアクションシステムを宮本氏と青沼氏が解説する内容で、本イベント内で行われた数々のワールドプレミアの中でも、最大級の関心をファンから集めました。
授賞式のフィナーレは、主催者のGeoff Keighley氏がプレゼンターになり、注目のGame of the Year(GOTY)が発表。『ベヨネッタ2』と『Dark Souls II』2つの国産タイトルノミネートにも期待がかかった中、国内外で絶賛されているEA/BioWareの『Dragon Age: Inquisition』が、満場一致の雰囲気で勝ち取りました。
今回が初の開催となった「The Game Awards 2014」。全体の印象としては、VGA時代よりも広告色やエンタメ色が薄くなり、「ビデオゲームファンと業界のためだけ」という意義の強く感じられる発表会でした。アワードの結果発表と並行して、新作ゲーム発表、ワールドプレミア映像、ライブパフォーマンスなどがバランス良く組まれていて3時間の長丁場でも中だるみせずに楽しめる内容。まさにゲーム業界のアカデミー賞にふさわしいイベントだったと言えます。
記事提供元: Game*Spark
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