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頭の上にゲージが出ないんです!リアル『戦国無双』な「石和川中島合戦絵巻」で足軽になってきた

『戦国無双4』発売から1ヶ月弱。筆者は追加コンテンツを遊ぶため、レア武器取得のため、ストレス発散のため、今日も元気に千人斬りを遂行しております。しかし、ふと考えました。斬られる側の足軽ってどんな気持ちなんだろ……。

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『戦国無双4』発売から1ヶ月弱。筆者は追加コンテンツを遊ぶため、レア武器取得のため、ストレス発散のため、今日も元気に千人斬りを遂行しております。しかし、ふと考えました。斬られる側の足軽ってどんな気持ちなんだろ……。

ゲームでは名のある武将を操り、一騎当千の世界を体感できますが、斬られる側の世界は体験できません。ならば、リアル世界でやってみればいいじゃない!



4月某日に山梨県笛吹市で行われた「石和川中島合戦絵巻」。800人近くの参加者が武田軍、上杉軍に分かれ、川中島合戦の再現を行います。このお祭りで足軽に扮すれば、普段斬られまくっている足軽がどんな心情で無双武将に挑んでいるのか体感できる、というわけです。

■足軽 &アウェー
足軽の気持ちを知ろう。というわけで早速参加表明。一般参加者は募集期間中にエントリーを行います。

運営側の采配で武田・上杉、それぞれ主だった将が配役され、その下に10人ほどの足軽が付けられます。10人仲間が集まれば1つの隊を担うことも可能。武田軍になるか、上杉軍になるかは書類が来てからのお楽しみ。

筆者は知人の隊に紛れ込み、結果、上杉軍の山吉孫次郎豊守隊に配属されました。山梨県といえば武田信玄公のお膝元。つまり上杉軍は基本的にアウェー…もはや失うものはありません。

■難易度でいったら「易しい」クラスの足軽
合戦当日。参加者は指定された小学校の体育館で足軽に扮します。



大将の装束はいわるゆ「胴丸」というもので、小札(こざね)を色とりどりの威糸(おどしいと)で威したもの。右脇で引き合わせて着るのが特徴です。戦国時代といえば胴丸から当世具足(有名なところで伊達政宗が着用していた真っ黒い鎧)へと進化していった時代ですが、もっとも激戦となった第四次川中島合戦の天文21年(1552)頃は胴丸がまだまだ現役。トラッドな武士らしくかっこ良い…!しかも防御力も高そうです!

一方、足軽の装束は…

うん、これぞ足軽。難易度「易しい」の神速アクション一撃目でやられます、はい。

◆そこは『雑兵物語』の世界…


リハーサルもそこそこに昼食タイムがやってきました。腹が減っては戦はできぬ。と、そこに我らが総大将・上杉謙信公が登場。

チャリで来た。謙信公がチャリで来た。

さすが戦場。何が起こるかわからない。ついでにお仲間の隊か組み立てたものも驚きの一品もご紹介。



なんと、そこには「陣傘を鍋にする」雑兵の姿が…まるで『雑兵物語』の「夫丸 茂助」の話を再現したかのよう(気になる方は国立公文書館のアーカイブをチェック)。また、ゲームの中でもボーナスミッション等で登場する「荷駄隊」が使ってそうな荷駄車までも再現。こちらは組み立て式なんだとか…おみそれしました。

足軽だろうがアウェーだろうが、全力で合戦を楽むのがここのスタイル。よろしい、ならば合戦だ。
いよいよ足軽として華を咲かせる時がきました!


■いざ、着陣
合戦の舞台は笛吹川の河川敷。川中島じゃないって?細かいことはいいんです。



ご覧の通りの大規模なステージ。笛吹川に架けられた橋を渡り、観客向かって上手に上杉軍、下手に武田軍が陣取ります。布陣しつつある上杉軍。おお、足軽のワラワラ感すばらしい。機種でいったらPS4並にワラワラしてます。



こちらのお祭りでは当時の合戦を再現するためシナリオもしっかり整っています。「敵に塩を送る」の故事の語源になった「献塩の儀」、米沢藩稲富流砲術隊による火縄銃演武、武田軍による「三献の儀」(戦勝祈願。現代では神前挙式の三三九度に継承されていますね)、上杉軍による「武てい式」(こちらは上杉式の戦勝祈願)と続きます。


◆足軽なのに、足が軽くない…


いよいよ出陣の時を迎えました。まずは上杉軍による車がかりの陣で攻撃します。
車がかりの陣は謙信のいる本陣を中心に円形に陣を配置し、車輪のように回転しながら敵に当たる陣形。最初の隊がしばし戦ったのちに引き、次の隊が入れ替わって戦闘をするので、敵は常に新しい部隊に当たらねばならず疲弊していきます。また一旦退いた部隊は休息を取る事ができ、一石二鳥というわけです。

とはいえ、実際に動き続けると体力の消耗が激しいため、第四次川中島合戦にて車懸りの陣が行われたかははっきりしていません。では実際はどうなのか?お祭りでは1番隊から順に左右に分かれた武田軍の間を進撃!



武田隊の間を突進していく1番隊。頭の中に「十戒」のワンシーンが浮んだなんて絶対に口にはいたしません。

第二陣、第三陣とつづき、自分たちの隊が出撃する出番になりました。しかし、自軍の大将に付いていくのがやっと。大将を守るのが足軽の役目だというのに……。

車がかりの陣中。大将の姿を見失う…(失態)




帰還する足軽たち。これを数回繰り返す頃には息も絶え絶え。筆者は悟るのです。「あ、車がかりの陣、無理だわ」と……。


◆騎馬武者には対抗したくない




続いて行われたのが「三太刀七太刀」。これは謙信が武田本陣に単騎で突撃し信玄に三太刀あびせかけたところ、攻撃を受け止めた信玄の軍配には七つの傷がついていたという逸話です。『戦国無双』シリーズでも川中島の名シーンとして取り上げられますね。


追いかけるは信玄の軍師・山本勘助。さすが名のある武将。カッコいいですね。(プレイアブル化を期待しております)



騎馬武者同士の戦いはこれぞ「無双武将VS無双武将」といった感じ。足軽、絶対に、絶対に巻き込まれたくありません。

ゲーム中では軍馬に跨り足軽を蹴散らしながらミッション遂行しに行きますが、これが目前に迫ってきたらそりゃあ戦意喪失してM字開脚でペタリとへたり込んでしまいますよ。いやぁ、足軽って、本当に大変ですね。


◆頭の上に体力ゲージが出ないんです




クライマックスは魚麟鶴翼の戦法。魚麟の陣は魚のウロコのようにいくつもの隊で編成され、全体的にみるとちょうど△の形に展開される陣形。敵に囲まれた際の正面突破に適しているので少人数の場合に有効な陣です。

一方鶴翼の陣は鳥が翼を広げた形に似ていて、V字型に似た陣形。左右から包み込んで敵を殲滅する戦法ですが、兵が手薄だと中央の本陣が狙われやすいというデメリットもあり、大軍向けの陣形とされています。

一応は陣形という形式を取っていますが…ここまでくると陣もへったくれもなく、乱戦状態。鎧の色や各隊識別用の旗、またはそれぞれが用意した「目印」がなければ間違いなく味方を討ってしまいます。リアル世界では頭の上に体力ゲージが出ませんからね…




乱戦になると思わぬところで大将首を取るチャンスにもめぐり合えます。残念ながら筆者の手には刀や槍でなくカメラが握られており討ち漏らしてしまいました…

「敵将、討ち取ったり!」

それぞれの隊にそれぞれのドラマが。

いよいよ最後の突撃。ここで武功をあげ、大将のお役に立ちたいところ!


ピューリッツァー写真部門戦国賞(ありません)を狙おうと奮起したものの、早々に隊からはぐれ、ただの落ち武者に…


史実どおり、決着つかず引き分けとなり、武田・上杉両軍ともに勝ち鬨をあげて合戦は終了と相成りました。

◆足軽に愛を!


こうして終了した「石和川中島合戦絵巻」。敵陣へと斬り込んだ瞬間からアドレナリン放出しまくりで、当時の武将たちもこれ以上の高揚感を得ていたんだろうなと思った次第でございます。

今回、『戦国無双』シリーズで斬られまくっている足軽の気分を味わうために本お祭りに参加したわけですが、足軽になってわかったことがいくつかありました。

・強そうな具足を身に着けた武将と対峙したら気迫で負けそう(というか負けた)
・さらに騎馬武者ならなおさら近づきたくない!(即死必須!)
・でも武名をあげるため全力で戦わなければ!
・そして武名をあげるには大将首以外は必要ない!

最後の1つが最も重要なポイント。足軽が出世するには、一も二もなく武功をあげることが大切。そして足軽の首をとったからって大した手柄にはならず、名のある武将の首を取ってこそ城持ち大名への一歩なのだと実感しました。だからこそ『戦国無双』の足軽たちも、あの煌びやかで「いかにも」な無双武将に果敢に攻めてくるというわけです。

ああ、足軽諸君。君たちは単に斬られ役というわけではないんだね…大将を盛り立てるため、そして己の武功のために、プレイヤーに挑み続けているんだね……次に足軽を斬りまくる時は、どうぞ優しい心でお願いします……!
《みかめ》

ゲームと歴史 みかめ

ライター・イラストレーター・漫画家。 2011年よりゲームライターとして活動中。 2017年 ゼルダの伝説 30周年記念書籍 第2集ゼルダの伝説 ハイラル百科 ゼルダの伝説 30周年記念書籍 第3集 ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド:マスターワークス 2020年 あつまれ どうぶつの森 完全攻略本+超カタログ 2021年 ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD 完全攻略本

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