ダウンロードする際にApp Store内のレビューをのぞいてみると、「アプリを起動できない」という言葉をいくつか見かけますがこれは7月3日のバージョンアップで修正されているものと思われます。なお、筆者のiPhone5では問題なくプレイができています。
■孤独の深淵に独りぼっち
グレースケールで描かれた世界が印象的な本作は、日本のゲームに親しんでいる人であれば『ICO』みたいなゲームと表現したいところ。文字などで世界観がまったく語られず、ただ響き渡る環境音と迫り来る出来事から「自分で世界観を推測する」楽しさがあります。
App Store内では「運命に逆らい、妹を探して少年はLIMBOの世界に足を踏み入れる」ということがキャッチフレーズ的に語られていますが、そもそも「limbo」という言葉は「辺獄」を意味し、現罪を犯したが地獄に落ちるほどでもない人間が死後に行き着く場所を意味します。そんな不安げな世界に少年が居るということは、現世で個々の罪を犯してはいないが洗礼を受けずに亡くなったため原罪から許されず行き着いてしまう場所、「幼児の辺獄」がこの世界観を解くヒントになってきそうです。
実際ステージには様々なトラップが仕掛けてあり、よく周りを観察して注意深く進んでいかなければ即死。このへんの演出というのがかなりバイオレンスで生々しく、アクションゲームが苦手な筆者も大変よく死にました。
普段なら「もう、やめやめ」と言って違うことをしがちなのに、どんなにえぐい死に方をしても「理不尽だ!」とならないのが本作のスゴイところ。パズル要素があるので試行錯誤をすればトラップをなるほど的に回避して進むことができます。
主人公の操作は、進行方向へのタップ移動、上方向へのスワイプジャンプ(と、言っても少年らしい微々たるジャンプですが)、タッチし続けることでモノを掴むという3つのシンプルな操作で進んでいくことになります。
■サバイバルできるようになってくる=生きる
何も語られず、ただ進むことが世界を解き明かすヒントになる本作は、何度も死ぬことが大切になってきます。死ぬことからヒントを得るというのもありますが、一番は「なんか、いやな感じがする」と思えるようになってくることですね。未知の世界を進むという危険状況であってもゲームだとツイツイ行動をぞんざいにしがち。しかし、自分の行動次第で主人公である少年が壮絶な死を迎えることになるので、世界観に対しキチンと注意深くなれることが感情移入に繋がり、まるで映画を見ているような感覚になれて非常に面白いです。
野生のカンが働くようになれば、おのずと死を重ねなくとも淡々と進めるようになってくるのが快感ですよ。
なまえ:LIMBO
ぶんるい:パズルアクション
1回のプレイ時間:約30分
対応OS:iOS
ねだん:450円(税込)
ひとにつたえたい度:5(5点満点中)
今日の一言「困ったら一度来た道を戻ってみて!」
それではまた来週!!
(C) Playdead
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