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【ガチレポ!】第9回 乱し乱され、程よく読めない秀逸なカードバトルRPG『Z/X 絶界の聖戦』

数年ぶりに日帰り小旅行なるものに行ってまいりました、Amiです。食べ歩きながら観光スポットを色々回って知ったのは、未だに名前入り記念メダルの販売機が各場所に設置されていること。コレクションアイテムとして人気が高いということなのでしょうか。

ソニー PS3
主人公の1人、加賀。キャラクターはいつでも変更できる
  • 主人公の1人、加賀。キャラクターはいつでも変更できる
  • 各主人公にはゼクスの相棒が。掛け合いも楽しい
  • SLGパート。青い部分がプレイヤーの領地で、赤いところは敵の領地
  • 敵ゼクス使いとの戦いでは、カードが置かれていない部分を攻撃してダメージを与えよう
  • ゼクス召喚にともなうボーナスが発動!ゲーム中はこうした特殊効果が頻繁にでる
  • バトル中はカットインも挿入。召喚するゼクスのランクによっても変化が
  • コードハック。しっかり弱らせておかないと成功は難しい
  • 美麗なカードたち。属性によって人型メイン、ロボ型メインなど雰囲気に違いが
数年ぶりに日帰り小旅行なるものに行ってまいりました、Amiです。食べ歩きながら観光スポットを色々回って知ったのは、未だに名前入り記念メダルの販売機が各場所に設置されていること。コレクションアイテムとして人気が高いということなのでしょうか。

コレクションといえば、その昔は私もよく某格闘ゲームのトレーディングカードを大量に買い込んでいました。
書き下ろしの限定カードが販売ともなると朝から店に並んだり、好きなキャラクターのラミネートカードをコレクションしたり、絶対に使いたくないシリアルナンバー入りのテレホンカードを財布の中に忍ばせたり。

…カード収集は今はめっきりご無沙汰なのですが、そういえば最近は公衆電話なんて少ないですよね。私が知らないだけなのか、一般的な作品の特典や関連商品では以前よりあまり見かけなくなったような気がします。
時の流れを感じるようで、なんだか寂しいものがあるような…。

それでは、第9回目のガチレポ!は、分かり易くかつ奥深いシステムを採用したPS3のカードバトルRPG『Z/X 絶界の聖戦』の紹介です。

実物を使った本格的なカードゲームというものは一切遊んだことのない私でも、本当に1度触っただけで理解できる取っ付きやすい作品で、それゆえに直感的で白熱する戦いが楽しめようになっています。久しぶりにボスを倒してガッツポーズをとってしまいました。

ちなみに、「Z/X」とはZellions of Enemy Xの略で「ゼクス」と読み、カードから召喚する生命体の呼称として使われています。

■周回プレイが楽しいマルチシナリオ制
ゲームの主人公は全5人。日本人で違法販売に手を染める無口な少年・加賀楓を筆頭に、アルゼンチン国籍で心優しいマフィアの娘・ナタリア、ナイスバディでスリルジャンキーな駆け出し記者セシル、妻子持ちの実直なアメリカ海兵隊クイン、特大アフロヘアと小さな肝っ玉をもった研究員スティーブです。

全キャラクターのストーリーを全てクリアすることでメインストーリーの全容が明らかになっていくタイプのもので、キャラクターそれぞれで物語が違い、当然ラスボスとエンディングも全て個別に用意されています。

各主人公につき10エピソードの構成となっており、ストーリーはバストアップ表示されたキャラクター同士の会話シーンをメインに進んでいきます。1エピソード内はこうしたテキストパート⇒戦闘パート⇒テキストパートという流れで進むのですが、どのチャプターも時間配分のバランスがよくて中だるみしてきません。文章を読んでばかりだとすぐに飽きてしまう私でも、最後まで興味を保ちながら遊びすすめる事ができています。

周回プレイが基本となる作品ですが、入手したカードと作ったデッキ、キャラクターレベルは全キャラクターで共通。とりあえず1キャラクターでクリアしてしまえば、次からはかなりサクサク進められます。あまり時間がとれないという人も比較的少ない負担で遊べるハズです。

■行動しだいで難易度変動。意外と重要なSLGパート
戦闘パートは領地を広げるSLG、ターンベースカードバトルの2本立てです。
マップ上の敵と接触することでカードバトルに移行するので、まずはマス目で出来たフィールドマップ上を移動して領地を広げていきましょう。マス目の上を通過するか、リソース溜まりという特定のマス目に乗るなどで領地を増やせ、その領地が繋がっていればいるほどチェイン数が上昇。高いチェイン数を保持しておくことで敵との戦闘時に有利になるのです。

オマケ要素っぽく思うかもしれませんが、このカードバトル前のSLGパートは実はかなり重要です。チェイン数をあげると召喚コストが下がり、さらにゼクスのLP・パワーにボーナスがついて良い事ずくめ。50、60とチェインを重ねると、召喚コストゼロで基本性能が2倍のゼクスを呼び出すこともできてしまいます。
ここでどれだけ良い位置取りをできるか、相手よりも領地を広げられるかで、続くカードバトルの難易度は非常に大きく変動します。

ゲームが進むと敵の配置がイヤラシくなったり、ダメージを受けるマス目が出現するようになったりと、一筋縄でいかなくなってくるのが面白いところ。
全てのマス目を自分の領地にしてしまって敵をボコボコにするのもいいですし、あえて自分は低いチェイン数のまま、敵に高いチェイン数を稼がせて挑み、死闘を繰り広げるというのも面白いかもしれません。

ゲームをプレイしながら、自分でカードバトルの難易度調整ができるというユニークなものになっています。

■シンプルなルールが嬉しいカードバトル
こうしてマップ上の敵と接触すればカードバトル開始です。基本ルールは、最初に敵味方それぞれが自身のデッキ内からランダムに4枚の手札を引き、その手札の中から現在のSPの範囲内で最大3体のゼクスを召喚して戦闘準備をします。そして、マップ上でバトルを仕掛けたキャラクター側が先攻として、各ゼクスごとに1回ずつ攻撃などの行動をし、終了すれば後攻のキャラクターが行動をおこなうという、ターン制RPGのような仕組みです。

ダメージの算出方法は各ゼクスのライフとパワー(攻撃力)の数値をそのまま引き算・足し算していくだけというとても分かり易いものになっていて、すぐに理解することができます。

また、敵ゼクスはコードハックを行うことで捕獲することもできます。コードハックを実行すると、神経衰弱のようなミニゲームや、音ゲーのようにずらりと並んだコマンドを入力していくものなどが開始され、制限時間内に無事成功すれば捕獲完了。次から自分のカードとして使えるようになります。
コードハックの回数には限りがあり、ミニゲームの難易度は対象ゼクスの残りライフによって変動するので、できるだけ弱らせてから仕掛けていきましょう。

■戦況を揺さぶる豊富な特殊効果
カードには特定のタイミングで自動で発動する特殊効果や、任意のタイミングで発動させるもの、カード属性の組み合わせで発動するものなど、様々な特殊効果が備わります。

ひとつの効果は地味ながら、ボディーブローのようにジワジワと後で効いてくるものが多くなっているのが特徴的。この特殊効果の種類というのが本当に多く、何か行動をするたびに何かの効果が1~2種類発動するといった具合で、バトル中次々に発生するこの多種多様な特殊効果の数々が、戦況を程よく荒れさせます。

加えて、バトルではいくら手札が余っていても、キャラクターの体力を示すLPがゼロになるとゲームオーバーになってしまうので、残りLP量を事前管理しておくことはとても大切です。万一、残りLPが極端に低いままバトルを終了して、次のバトル時で先制攻撃を受けてしまうと、場合によってはそのまま詰んでしまう可能性もないとは言い切れません。
LPが下がってきたら、敵を倒してしまう前にわざとバトルを長引かせて、ゼクスの能力でLPを回復しておくなど、対策を講じておいたほうが安全です。

■あのキャラも登場?フリークエストも充実
エピソードの合間には、攻略の準備ができるインターミッション画面が挿入されます。ここではカードデッキの編集はもちろん、ストーリーとは直接的に関係のないフリークエストに挑んだり、既に攻略済みのエピソードに再挑戦することもできます。
一部のフリークエストは難易度が高く、周回プレイ中であってもチャレンジしがいがあるものも。ちょっとしたネタが盛り込まれていたりもするので、息抜きにもぴったりです。

ショップではカードパックを購入して、デッキの更なる充実をはかりましょう。デッキの編集を自動で組んでくれる機能もあるので、自分で考えるのが面倒な場合も楽チンです。
ただ、カードには特定のカードとの組み合わせで強力な性能を発揮するなど、ちょっとクセのあるものも多くなっているので、慣れてきたら1度自分でデッキを組んでみるのがオススメ。何かと勉強になります。

■遊びやすくテンポよし、RPG好きならぜひ一度
カードバトルという性質上、ある程度の運要素(最初に並ぶ手札など)は絡むものの、なんとか持ち直せる範囲には収まっています。
陣取り、LP管理、デッキの構成などなど、次を見越した戦略の運び方が大切なポイントとなる、取っ付きやすいが先が読みづらいバトル展開が面白いです。

ただ唯一、SLGパートで、移動時に狙ったマス目を選択しづらいというのは気になりました。特にゲーム後半になるとマップ構成も難しいものになるので、1歩の重要性が増していきます。その時に、狙い通りのルートをサクサク選択していけないというのは少々遊び辛さを感じてしまう部分ではありました。

一度だけ戦闘中にフリーズバグに遭遇したことがありましたが、そのほかで特に気になる点はなく、イベントデモのスキップ機能あり、バトル演出の早回し機能あり、ゲーム内のチュートリアルが非常に丁寧などユーザーフレンドリーなつくりになっているよう思います。
1エピソードの所要時間も長くなく、サクサクとテンポよく遊びすすめることができますので、気になった方はぜひ手にとって遊んでみてください。



★こんな人にプッシュ★
・ターン制RPGで白熱したい人
・レアカード、コンプリートといった事が好きな人
・まとまった時間はとれないが、RPGがしたい人

★その他備考★
・アフロヘアと巨乳の躍動感が凄い

『Z/X 絶界の聖戦』はPS3を対象に現在好評配信中。価格はパッケージ版が7,140円(税込)、ダウンロード版は6,000円(税込)です。

(c)BROCCOLI / Nippon Ichi Software, Inc.

■筆者プロフィール
Ami
元・ゲームグラフィッカーのボス戦好きなアマゾネス。超新米ライター。
ゲームは雑食で、国産から海外、RPGからFPSまでなんでも遊ぶ、食い散らかし系です。とりあえず、ゲームができればそれで幸せ。
ブログ:http://blog.livedoor.jp/xxxplus/
《Ami》
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