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各要素のバランスを重視『PsychoBreak』プロデューサー木村雅人氏&アートディレクター片貝直紀氏インタビュー

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各要素のバランスを重視『PsychoBreak』プロデューサー木村雅人氏&アートディレクター片貝直紀氏インタビュー
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4月20日、全世界同時で発表された、Bethesda SoftworksとTango Gameworksの新規IPサバイバルホラー『PsychoBreak(サイコブレイク)』。本作でプロデューサーを担当する木村雅人氏とアートディレクター片貝直紀氏へのインタビューをお届けします。


―――それではまず、簡単に自己紹介をお願いします。

木村雅人氏: プロデューサーの木村雅人です。本作ではディレクターやデザイナーが作りたいものを実現できるように、対外的な交渉や企画をしたり、シナリオの制作に関わったり。まぁいろいろやっていますが、どちらかというと企画よりです。

プロデューサーという肩書では、以前は『エルシャダイ』を手掛けていました。それ以前は、『大神』や『ゴッドハンド』をアシスタントプロデューサーとして、もっと前は『ビューティフルジョー』でプランナーを、『バイオハザード4』や『バイオハザード リメイク』、『デビルメイクライ』時代はエフェクトデザイナーをしていました。

片貝直紀氏: アートディレクターの片貝直紀です。ゲーム全体のアートディレクションと背景のリーダーやライティング、画のクオリティー管理をやっています。アートディレクターとしては『バイオハザード リメイク』や、『バイオハザード4』、『大神』、『ヴァンキッシュ』を手掛けました。

―――本作は国内と海外でタイトルが異なりますが、それはどういった意図があるのでしょうか。また、このタイトルにはどのような意味があるのでしょうか。

木村雅人氏: タイトルが異なるのは、発音や親しみやすさを配慮したからです。意味としては、ネタバレになるので……。ただ、本作をクリアすれば、「ほほう」となるので、ぜひとも楽しみにしていただきたいですね。

―――今回正式に国内タイトルが『PsychoBreak』決まりましたが、以前は『Zwei』というコードネームでしたよね。

木村雅人氏: 始めは意味がありましたが、今はほぼ痕跡がありません。今は『PsychoBreak』です。


―――普段の開発で三上氏とのやり取りは、どのような感じですか。

木村雅人氏: これは、会社の特徴だと思うんですが、すごく自由度の高い開発スタイルです。三上の開発スタイルがそのままTango Gameworksの開発スタイルになっているのだと思います。皆が様々な意見を自由に出します。それがもし、ゲームを良くしたり、ユーザーのためになることならば、分野関係なく採用しますよ。ですので、常にディスカッションが何処かで行われていて、その中で面白いものが生れている感じですね。今回は、三上がディレクターでずっと現場にいるので、常時誰かと話している状態です。

―――それでは、ゲーム内容に関する質問をさせていただきます。さきほど見せていただいたデモでは、例えば映画の『悪魔のいけにえ』や『ドラゴンヘッド』を彷彿とさせるシーンがありましたが、何かインスピレーションを受けた作品があるのでしょうか

木村雅人氏: 企画的なことでいうと、「これが元でこれを持ってきました。」といことではなくて、先ほど言ったように、頻繁にディスカッションが行われていますから、みんなの頭の中にあるライブラリから染み出したものが形になっているんだと思います。

片貝直紀氏: グラフィックでいうと、自分もホラー映画やホラーゲームが大好きで、他のスタッフもそうなんです。そんな中で開発しているので、ホラーに対する共通理解があり、無意識にホラーの方程式に当てはめていることはあると思います。その上で狙った、ホラーファンがニヤっとできるシーンなどを作るとどうしても、解が似てしまうということはありますね。

―――ちなみにゲームエンジンは何を使用しているのでしょうか。

木村雅人氏: ゲームエンジンは、(『Rage』で採用されていた)id TECH5(イドテック5)というグループ会社であるid Softwareのエンジンです。それをかなりカスタマイズして使用しています。

―――では、ゼニマックス・メディアの傘下になって、ゲームエンジン以外で影響を受けた部分はありますか。

木村雅人氏: やはり海外の最前線でゲーム開発をしている人たちと交流ができるので、とても刺激を受けています。

片貝直紀氏: テクニカルな面でも交流や情報交換があり、彼らはクオリティーに良い意味でうるさくて、熱意もあるので、そういう思いに影響されますね。

―――今作における、アクション、サバイバル、ホラーという3つの要素のバランスはどのようなデザインになっているのでしょうか。

木村雅人氏: 今回は純粋なホラーゲームを作ろうとしているので、怖い「ホラー」と生き残ろうとする「サバイバル」、それらを打ち砕く「アクション」のバランスは特にこだわって作っています。怖すぎたらユーザーは離れるし、アクションにより過ぎたら、ただのアクションゲームになってしまいますよね。なので、ホラーとアクションのバランスが大切で、それらを繋ぎ、引き立てるサバイバル要素の絶妙な加減を大切にしたデザインになっています。

片貝直紀氏: 画的なデザインでは、まず「怖さ」というのがメインにあるので、画面のクオリティーを上げるのは当然なんですが、それ以上に怖さを出す工夫をしています。

―――そういえば、先ほどのデモで蜘蛛のような怪物に襲われるシーンの“影”の表現は、素晴らしかったですね。

木村雅人氏: ありがとうございます。あのような場面は、怖さや襲われている主人公とコントローラーをもっているプレイヤーが同じようにドキドキしてほしいんですよ。なので、そうなるようにシーンを逆算して作っているんです。

―――シーンと言えば、デモの後半でタワーディフェンスのような場面がありましたよね。そこでは、センサー爆弾のようなものを仕掛けていましたが、一般的なTPSのステージではなく、このように変わったステージが他にもあるのでしょうか。

木村雅人氏: ステージに関しては、かなりのバリエーションを用意しています。本作では、通常のハンドガンといった武器の他に、トラップが用意されています。本作は例のごとく、三上の作品なので弾が少ないんですよ。それを補い、攻略の幅を広げるためにトラップがあります。それは、武器のバリエーションが増えるとともに、ステージのバリエーションも増えることを意味します。

―――デモの前半はスニーキング要素の強いステージでしたが、ゲームの根本にスニーキング要素があるのか、それとも、これもステージのバリエーションの1つなのでしょうか。

木村雅人氏: それに関しては、基本的な立ち回り方として、スニーキングの概念があるのと、ステージによってはスニーキングを駆使しないとクリアが難しいステージもあるので、両方ですね。

―――つまり攻略方法の1つとしてスニーキングがあると。

木村:そうです。逃げたり、隠れたりできるゲームなので。

―――逃げたり、隠れたりというと、あの主人公は普通の人間なのでしょうか。

木村雅人氏: そうですね、何か特別な能力をもっている訳ではないです。ゆえに、「逃げたり隠れたり」が大切で、そこでも怖さを表現しています。そして、それをどう打破するのかを考えるのが、面白いところなんです。

―――たしかにデモでも、逃げたり隠れたりしていましたもんね。そういえば、画面をぱっと見たとき、インターフェイスが必要最小限のものしか表示されていませんでしたが、やはり怖さを重視したからでしょうか。

木村雅人氏: 1つはその通りです。主人公とプレイヤーの距離を近く、没入感を高めて恐怖感を出すためですね。理由はもう1つあって、怖さやシチュエーション、絵としてみたときの雰囲気を壊したくなかったので。

―――画面の上下に(カットシーン時のような)黒い帯がありますが、あれはゲーム全編にあるものなのでしょうか?

片貝直紀氏: あれは三上の意向で、プレイしやすいように画面の比率を拘って調整しています。

―――さきほどから「怖さ」という単語をよく耳にしますが、ホラーゲームとして、「怖い、でも先に進みたい」という工夫はあるのでしょうか。

木村雅人氏: それがまさにバランスです。何をもって進みたいと思わせるかは、例えばドアの先を見たいだとか、何かに追われているだけとか、それぞれ違うのですが、そのバランスを取ることによって、プレイヤーの背中を押したり、怖いけど行きたいという感情の制御を行っています。

―――となると、ゲームはいわゆるチャプターのクリア型なのでしょうか。

木村雅人氏: そうですね、クリア型と思っていただいて大丈夫です。

―――最後に、Tango Gameworksが設立されて3年がたちましたが、道のりはどうでしたか

木村雅人氏: まぁ大変でしたし、様々な紆余曲折がありました。僕はマネージメントで企画なので、中のスタッフを見てて、「こんなにすごいスタッフがいるならば、とりあえずできるものは絶対に大丈夫。」という自信があり、そういう意味では気持ちは楽でしたね。ただ、作り方が三上スタイルなので、進行を正しい方向に導くのは大変でした(笑)

片貝直紀氏: やっぱり、ゲームの立ち上げと会社の立ち上げが同時だったので大変な道のりだったと思います。今のゲームに落ち着くまで、2、3年かかりましたし、今でこそサバイバルホラーですが、今に落ち着く前は、様々なゲームジャンル、アイデアが同時に走っていて、「僕らの会社の立ち上げで何がベスト」というのを考えていました。それは内部的な希望もありますし、ゼニマックスグループが三上に求めるものや、スタッフが三上のファンというのもあり、サバイバルホラーを作ろうとなりました。ゲーム作りというのは、最初から企画書通りに作ることってほとんどなくて、だんだんといいものが出来てくるので、3年かかっちゃったけど、良いものが出来てきたなと。

―――本日はどうもありがとうございました。
《Game*Spark》

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