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世界初のWI-FIクラウドゲーム機「Gクラスタ」の店頭販売を発表

ブロードメディアは関連会社のGクラスタ・グローバルと共同で、クラウドゲーム事業を開始することを4月25日の平成25年度3月期決算報告会で明らかにしました。

ゲームビジネス その他
パッケージを紹介するブロードメディア代表取締役社長・橋本太郎氏
  • パッケージを紹介するブロードメディア代表取締役社長・橋本太郎氏
  • 会場では薄型テレビでゲームのデモが行われた(画面は開発中のもの)
  • 予想以上に軽く小さいGクラスタの本体
  • テレビの背面に設置でき、電源はUSBでバスパワー供給される
  • ポータルやメニュー画面もストリーミングで描画
  • 『HAWK』(ユービーアイソフト)
  • 『めっちゃGOLF』(アンバランス)
  • 『Rocket Knight』(KONAMI)
ブロードメディアは関連会社のGクラスタ・グローバルと共同で、クラウドゲーム事業を開始することを4月25日の平成25年度3月期決算報告会で明らかにしました。

クラウドゲーム事業は▽世界初のWI-FIクラウドゲーム機「Gクラスタ」の店頭販売▽通信事業者へのプラットフォーム提供▽ゲーム事業者へのクラウドゲーム技術提供――という3本柱で推進されます。

Gクラスタは5月末に予約が開始され、6月に販売・サービスが開始される予定です。詳細は明らかにされませんでしたが、本体版とゲームコントローラ同梱版の2種類が販売される見込みです。同社の橋本太郎社長は「パッケージに入れて店頭販売することで、日本でも『これがクラウドゲームだ』という商品を、わかりやすい形で紹介したい」と抱負を語りました。

価格はあきらかにされませんでしたが、橋本社長は「本体価格はどうしても一万円を切りたかった」とコメント。もっともゲームコントローラ同梱版は、その分だけ価格が上乗せされる見込みです。アプリ価格も安価なものは数百円レベルから提供される見込みで、購入後半年から一年といった期限付きで遊べるようにする、などのアイディアも飛び出しました。その一方で遊ぶのに追加料金が発生するなどの仕組みは、できるだけ避けたいとのこと。また予約開始にあわせて、一般向けのイベントを開催するとしました。

クラウドゲームはゲームのプログラム処理をサーバ側で行い、その結果描画される映像をストリーミングで端末に配信することで、さまざまなゲームが楽しめるゲームサービスです。通常コンソールゲーム機ではゲーム機本体から出力される映像や音声をHDMIケーブルなどで直接テレビに送信していますが、これがインターネットを経由してゲーム機からテレビに出力されると考えれば、わかりやすいでしょう。

Gクラスタは昨年の東京ゲームショウで発表されたモデルと大きな変更はなく、HDMI端子&USBコネクタでテレビと接続し、家庭のWI-FIアクセスポイントと接続してゲームを楽しむ仕組みです。テレビの背面に設置でき、正面から見ると何も見えないという、シンプルな形状になっています(USBコネクタが存在しないテレビのため、ACアダプタも付属します)。大きさはiPhone4Sよりも一回り小さく、薄くなっています。ゲームコントローラと本体はワイヤレスで接続される仕組みです。

ゲームコントローラもアプリケーション側で対応していれば、理論的には何個でもゲームコントローラを認識できるとのこと。同梱されるものだけでなく、一般的なワイヤレス接続のゲームコントローラであれば使用可能。キーボードなどの周辺器機も幅広く対応します。当初はスマホやタブレットでの操作が予定されていましたが、予想以上にハイエンドなゲームが集まったとして、ゲームパッドの同梱販売が行われることになりました。

会場では『HAWK』(UBIソフト)、『めっちゃGOLF』(アンバランス)、『Rocket Knight』(KONAMI)のデモプレーが行われました。供給されるゲームソフトでは、UBIソフト、ディズニー、ワーナー・ブラザーズに続いて、KONAMIとの提携を発表。他にも35社以上のゲーム会社からタイトルの供給を受ける予定です。また近い将来、同社が手がけるテレビ向け動画配信サービス『T’s TVレンタルビデオ』も配信され、Gクラスタ一つでゲームとビデオの双方が楽しめると補足しました。

このほか「通信事業者へのプラットフォーム提供」分野では、NTTぷららが6月3日より開始予定の「ひかりTVゲーム」に対してクラウドゲーム技術とゲームコンテンツを提供。「ゲーム事業者へのクラウドゲーム技術提供」分野では、KONAMIのスマホ向けソーシャルゲーム『プロ野球スピリッツCONNECT』内のムービー演出で、クラウドゲーム技術が応用されていることが明らかにされました。

「B2Bビジネスは投資リスクが少ないが、NTTぷららが250万世帯と普及に限界がある。あえてB2Cビジネスに打って出ることで、より多くの人にGクラスタを楽しんでもらいたい」と橋本社長は語ります。そのためにも従来のゲームでは提供できなかった、Gクラスタならではの価値を提供していくこと。具体的には同社が旗振り役となって、ゲーム開発にも積極的に投資していく姿勢が示されました。

昨年の東京ゲームショウでは、スマホを釣り竿に見立てて、画面に向かってスマホを振ってキャスト、画面を指で操作するとリールがまかれて、ヒットするとスマホが振動。実際にスマホを動かしながら、魚を釣り上げるといったゲームのデモも披露されました。他にスマホで育成して、テレビ画面で友達と価値を共有するようなゲームも視野に入れられているとのこと。今後どのようなゲームが登場するか、注目したいところです。
《小野憲史》
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