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【GDC 2013 報告会】ヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」の衝撃・・・南治一徳氏

国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)が開催した「GDC2013報告会」。株式会社ビサイドの代表取締役社長の南治一徳氏は「Oculus Riftの衝撃ッ!」というタイトルでOculus Rift(オキュラス・リフト)の体験談と未来のゲームについて報告しました。

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国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)が開催した「GDC2013報告会」。株式会社ビサイドの代表取締役社長の南治一徳氏は「Oculus Riftの衝撃ッ!」というタイトルでOculus Rift(オキュラス・リフト)の体験談と未来のゲームについて報告しました。

Oculus Riftとは、ベンチャー企業であるOculus VR社が開発中のヘッドマウントディスプレイ(HMD)。クラウドファンディングのKickstarterで240万円という高額の資金調達に成功したことでも話題のガジェットで、GDCで開催されている展示会では2時間待ちという盛況ぶりだったそうです。

南治氏はあるセッションの空き時間に、IGDAの小野憲史氏からその評判を聞きつけ、早速、展示会の列に並んだそうです。Oculus Riftの特徴としては、立体視が可能、圧倒的な視界の広さ、首の動きに対するディスプレイの追従性、液晶のレスポンスの速さ、軽さ、安さなどが挙げられます。また、すでにUnityやUnrealといった主要なゲームエンジニア用のSDKが容易されている点、開発キットも300ドルと安価である点なども特徴です。南治氏も現地で体験した後、すぐに会社で二台注文したそうです。

しかしながら、これらの言葉ではこれまでのHMDとの違いが分からないため、南治氏はOculus Riftのデモを体験した衝撃を「初代ガンダムのコックピットからΖガンダムのコックピットになった感じ!」と説明しました。デモではロボットFPSの『HAWKEN』が採用され、飛行や急降下などを体験したそうです。

首を後ろに回すとコックピットが見え、飛行中に足元を見ると怖くなるくらいの高度を感じたそうです。デモは1人当たり3分程度であるため、十分なものではありませんが、何よりも首によって視界を操作できるインターフェイスに感動したそうです。また思った以上に3D酔いすることもなく、快適な操作性と視認性を実現しているようです。

逆にOculus Riftの弱点として、解像度が低い、手元が見えない、サウンドをサポートしていない点が指摘されました。解像度は1280×800のものを左右に分割しているため、片目あたり640×800になっています。Oculus Riftではその画面をさらにレンズで拡大するため、目を凝らせばドットが見えるといいます。また、視野をすべて覆うタイプのHMDあるため、ゲームの操作が難しく、少なくともキーボードのようなインターフェイスを使用するのは無理があります。サウンドについては特別にサポートする必要はないものの、マルチチャンネルのサウンドに対応することで、より臨場感が増すだろうと予測されます。

Oculus Riftに衝撃を受けた南治氏は、ヴァーチャル・リアリティ(VR)の実現可能性を確信し、エンターテイメントとしてのゲームも変化すると述べています。ゲームのひとつの特徴として、「疑似体験」がありますが、これまで据え置き型のゲーム機ではディスプレイの進化はほとんどありませんでした。しかしながら、Oculus Riftの登場によって据え置き機の未来が大きく変化するだろうと、南治氏は期待しています。

GDCでは展示デモの他、Oculus VR社のスポンサーセッションも行われました。ファウンダーのPalmer Luckey氏は、経験の共有がメディアの役割と考え、VRが本、映画、ビデオゲームを超えた究極のメディアであり、真のフロンティアがVRにあると壮大な野心を語ったそうです。セッションの来場者も多く、Oculus Riftへの海外の開発者たちの期待は非常に高いようです。

最後に南治氏は、Oculus Riftに組み合わせるとより一層面白くなるような最先端の技術を紹介しました。指先で画面を操作するインターフェイスのLeap Motion、腕の筋肉を感知するベルトで操作するMYOなど、Oculus Riftは手元を見ないで操作するインターフェイスと相性が良さそうです。また視線を検知するアイトラッカーの技術は、視界を覆う形のOculus Riftには現状採用できませんが、HMDの中に取り込まれると操作性が増すだろうと予想出来ます。

以上をまとめて、南治氏は「ゲームの未来が楽しみでしょうがないと!」とその衝撃の大きさを述べています。ゼロ年代には、コンピュータ内部の進化は大きかったですが、これからはインターフェイスの進化が期待されます。本報告後も会場では質疑応答が盛んになされ、ゲーム開発者のVR技術への関心は非常に高いと感じました。
《今井晋》
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