冒頭、島田氏は「昨年発表させていただいたUnityとの戦略的提携について、遂に正式版をお届けできることを嬉しく思います」とコメント。「Unity 4 for Wii U」のβ版が26日から任天堂の公式デベロッパーに対して無償で提供開始されたことを明らかにしました。
続いて島田氏はWii Uにおけるゲーム開発について言及。任天堂では「世界中のリビングルームを繋ぐ新しい体験」を提供しようとしていて、鍵となるGamePadについて「2つの画面を組み合わせるだけではなく、時には単独でも面白い提案ができると思っています」とコメント。GamePad単独で遊べる機能では、パパにリビングのテレビを占領されている時などに役立つとしました。
「Unity 4 for Wii U」を使えば開発のハードルは非常に低いものになります。島田氏は、スマートフォン向けなどに作られている既存のプロジェクトをWii U向けに展開する事も可能だと指摘。映像の出力先をテレビからGamePadに変更するのはUnity上で1つのプロパティを変更するだけですし、バーチャルパッドを使っているようなゲームであれば、動作を物理的なボタンに置き換えれば、それだけでWii Uで遊べるものになります。島田氏は欧州のeShopでリリースされている『Cunman Clive』を紹介。こちらは元々iOSとAndroidのゲームですが、3DSに移植したところ、1ヶ月でiOSの累計売上を超え、すぐにAndroidの売上も塗り替えたそうです。同様の事例がWii Uでも出てきそうです。
もちろん加速度センサー、ジャイロセンサー、マイク、タッチパッドなどの機能を活用して、よりWii Uらしいゲームに変えていくことも出来ます。また、コミュニティの「Miiverse」も面白い存在です。「Unity 4 for Wii U」からの利用にはネイティブプラグインが必要ですが、ゲームから直接投稿したり、他のプレイヤーの投稿を表示するといった事も可能です。27日には関連セッションも予定されていて、Wii U以外の展開など今後の動きについても明らかにされる模様。
任天堂とのライセンス契約はハードルが高いというイメージもありますが、島田氏は「どんどん難易度が下がっていっている」とコメント。欧米ではゲームのコンセプト承認のプロセスも無く、価格や発売日はデベロッパーが主体的に決められるようになっているそうです。基本無料のフリーミアムモデルもサポートし、利益配分も業界標準のものになっているとのこと。任天堂では更に新規参入のデベロッパーを支援するプログラムを用意し、GDCのブースで説明を行うとしました。ウェブサイトでも「GDC2013.nintendo.com」にて情報を公開していきます。
最後に島田氏は「皆さんのゲームがWii U GamePadで生まれ変わるかもしれません。リビングの大画面を使って家族皆んなで楽しむエンターテイメントに進化するかもしれません。是非とも我々とリビングの新しいエンターテイメントを広めていきましょう」とコメントし、セッションは終了しました。
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