ヤフーは、創業から16年に渡り、井上雅博前社長の下に経営を行ってきましたが、ついに昨年その陣容を大きく変えて、宮坂学氏が社長に就任しました。執行役員の平均年齢は42歳と、一部上場企業の中では異例の若さとなっています。
川邊氏は、大学在学中に電脳隊という会社を設立し、モバイルインターネット分野で活動を行ってきました。その後、PINという会社の設立を経て、2000年にYahoo! JAPANのモバイル担当プロデューサーに就任します。
川邊氏はまず、今回の体制変更について「ヤフーは今まで、PCにおける課題解決エンジンとして指示して頂いていましたが、2007年にiPhoneがリリースされて以来、スマートデバイス大陸という新しい大陸を発見してしまいました。その変化に対応するため、体制変更を行った形になります。社長の宮坂は脱皮しない蛇は死ぬというのが口癖で、とにかく変わらなければならないとずっと叫んでいました」と語りました。
新しくなったヤフーの掲げるテーマは「爆速」です。川邊氏は、PC時代に培った「ユーザーファースト」と「課題解決エンジン」という理念は変えずに、新たにスマートデバイスにリソースを集め、「状況把握」「意志決定」「実行」のサイクルを“爆速”で行うことを力強く語りました。
さらに、これまで膨大な数があったYahoo! 内のサービスのうち、トラフィックおよび売り上げの大半が上位20サービスに集中していることをあげ、「これからは、上位20のサービスに注力し、残りのサービスは終了させる、もしくは再編するという方向で動いていきたい」という構想を開かしました。
そして、ゲームについて川邊氏は「ゲームが求められていることは『暇をつぶしたい』ということだと思います。Yahoo!ゲームでは、毎月400万人近いアクティブユーザーが集まり、非常に大きなサービスになっています。特にPCでは圧倒的なシェアを誇っています。ソーシャルゲームをやっているところはあまり無いんですね(笑)。これからはもちろんスマートデバイスにも展開していきます。スクウェア・エニックスさんやバンダイナムコゲームスさんと手を組み、ヤフーの強みである圧倒的なプロモーション展開力で、ともに成長していきたいと思っています」と今後の展開を語りました。
また「クラウドサービスの提供も行っており、前回提携説明会を実施したときには、400社からの応募がありましたが、その中でゲーム会社さんは数社のみでした。これは我々のプロモーション不足の結果ですが、ぜひこれからはゲームメーカーさんと一緒に、ユーザーの暇をつぶしていきたい」と語り、講演を終了しました。
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