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対戦だけではない、カードゲームの魅力をもっと多くの人に・・・「カードファイト!! ヴァンガード」アワード受賞記念インタビュー

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ブシロード 取締役開発部長 島村匡俊氏
  • ブシロード 取締役開発部長 島村匡俊氏
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  • 「カードファイト!! ヴァンガード」公式ウェブサイト
  • トレーディングカードゲーム2012
インサイドでは現在発売中のトレーディングカードゲーム対象にユーザー満足度調査を行い、その結果を「トレーディングカードゲームアワード2012」としてまとめました。見事、総合部門で最優秀賞に選ばれたのはブシロードの「カードファイト!! ヴァンガード」でした。受賞を記念して同社の取締役で開発部長を務める島村匡俊氏にインタビューを行いました。

―――まずは、受賞した感想を聞かせていただけますか?

率直に嬉しいです。色々な側面をお客様に見ていただいた結果だと思うのですが、僕らが取り組んできたことが評価されたということで非常に嬉しく思います。

―――「カードファイト!! ヴァンガード」開発までの経緯を教えてください

まず、ブシロードという会社を立ち上げて最初に「ヴァイスシュヴァルツ」というキャラクターもののカードゲームをやらせていただきました。カードゲームの楽しみに、ゲーム性だけでなく「自分の好きなキャラクターでどれだけ楽しんでいただけるか」というところに力を入れて展開したのですが、それが非常に大きな反響を呼んで、今でも高い人気を誇っています。

ただ、「ヴァイスシュヴァルツ」は版権元のキャラクターコンテンツの力を借りるという点が大きいものでしたので、ブシロードとしてはオリジナルのキャラクターで、同じように様々な遊びを提供できなければ、「ブシロードとしての成長はないよね」という共通認識がありました。また、弊社代表の木谷(高明氏、ブシロード代表取締役社長)としても、マス向け・子供向けの商品の開発が念願でもあったので、「ヴァイスシュヴァルツ」の成功をうけて、いよいよ取りかかろうという感じでした。

―――項目別でみると、「プレイ環境」や「運営」という点で高い評価をうけています

今回評価していただいたところは、僕らがすごく気を使ってやってきたところで、頑張ってやってきたことが評価されているので、非常にありがたいと思っています。同時に、各年代別での評価を拝見して、どのようなポイントがどういった評価をされているのかというのは、新たな発見があったので、今後はそういったところを改善していきたいと思います。

―――メディアミックスの評価も高く、ヴァンガードは世界観全体が受け入れられている印象です

そうですね。ゲーム(対戦)をすることだけを目的にしたカードゲームということだけではなく、ヴァンガードのコンテンツ全体が評価されたんだろうと思います。もちろんカードゲームで純粋に全国大会を目指してもらってもOKですし、アニメの主人公である先導アイチと同じデッキを使って「ごっこ遊び」のように楽しんでいただくのもOKなんです。さらには、カードゲームとしてはそんなに遊ばないけれどもコレクションとして集めるということもアリなんですね。また、キャラクターコンテンツとして楽しんでいらっしゃる方もいます。このようにヴァンガードに関わっていれば、いつでもどこでも楽しむことができるんですね。

だからこそ、より多くのお客様に楽しんで頂けるように、カードの内容やアニメの制作を進めていますし、どのようにこの2つを連動させていくかも話し合っています。また、単純に勝ち負けだけを競うのではなく、カードゲームとして楽しんでいる人以外にも楽しんでいただけるような大会やイベントや大会を企画してきました。

―――企業がコミュニティを運営していくのは大変ではないですか?

コミュニティを運営していくには、実際に遊んでいる人と触れあうことが必要だと思います。ですから、地区大会には基本的に全て参加して、実際にお客様がどのような遊びをしているのかは全て自分の目で確認しています。企業なので個人対個人の対応には限界がありますが、できる限りお客様の声を汲んだ対応をできるように心がけていますね。あと、ユーザーサポートに届いたメールに関しては、僕が全て目を通すようにして、対応を話し合っています。

―――部門別では「小学生の部」でも1位を獲得されました

小学生の評価が高いのは本当に嬉しいですね。全員が小学生を過ごしてきたにもかかわらず、今の小学生のニーズが分からない部分もあるんですよね(笑)大人だと理屈で通ってしまう部分も多いんですが、小学生にはそれも通じないところもありますし、試行錯誤することが多かったなかで、こういった評価を得られたことは本当に嬉しいです。

―――強いて1位になった要因を挙げるとしたらどういったところでしょうか

一番大きいのは伊藤先生(※)の原作の魅力ですね。その魅力をできる限りカードゲームの中で再現できるように提供できたことが大きかったのかなと思いますね。小学生にとっては運営なんて関係なくて、提供されたものが、楽しい・面白いものかどうかというところが重要なのかなと思っています。

※伊藤先生・・・漫画家の伊藤彰氏。ヴァンガードを題材にした「カードファイト!! ヴァンガード」の作者で、アニメの原作にもなっている。

―――ルールのわかりやすさ、ゲームへの参加しやすさが評価されている一方で、戦略性の高さやデッキの拡張性などの評価は平均を下回りました。

僕もそうなんですが対戦重視でカードゲームをやってきた人間からすると、戦略性の高さや、デッキの拡張性の高さは非常に魅力なんですね。ただ、僕たちはカードゲームにおいて最も重要なのは対戦相手がいることだと考えています。さまざまなカードゲームが存在する中で、ヴァンガードでは、敷居を低く、より多くの人が楽しめるように設計しています。何でも自由にできるようにするのではなく、「この通りやればできますよ」というところを強く打ち出しました。

やっぱりデッキ構築の難易度って非常に高いんですよね。なので、カードゲームに慣れている人からすると「物足りないな」と思う部分も多いと思います。まだまだデッキ構築の奥深さと簡単さを両立するところまでは至ってないのが現状です。まずは間口を広げて、色々な人に遊んでもらうところから始めています。仮にヴァンガードからよりデッキ構築の楽しめるカードゲームに移行する人も出てくるとしても、それは業界にとっては良いことだと考えています。

―――カードゲーム市場全体を見ると、新規ユーザーが増えている印象です。市場についてはどのように捉えていますか?

日本玩具協会が出しているデータだと、ブシロードが設立された2007年頃は約400億円程度の市場規模だったんですが、それが昨年度で1000億円市場になりました。これは新しい人達がカードゲームに興味を持って遊び始めたり、今までよりも遊び方の選択肢が増えたりしたおかげで、ライトユーザーが増えた印象です。市場としての広がりも感じています。今後も、5年後・10年後を見据えて、新規ユーザー、特に小・中学生を取り込む宣伝や中身にするように工夫を重ねていきたいと思います。

―――小学生ではカードゲームで遊ぶ子も多くいますが、中学生くらいになるとやめてしまうという印象があります

ブシロード以前は、特にその傾向が顕著だったように思います。やはりカードゲームが完全に子供向けだと思われていたんです。中学生くらいになると興味の幅も一気に広がりますから、もちろんゲームとして純粋に楽しんでいる人はいたんですが、ライトユーザーとコアユーザーの間が抜け落ちていたと思うんです。

ただ、「ヴァイスシュヴァルツ」で、中学生にファンが多い作品を扱うことで、そういった層に非常に受け入れられました。それ以外にも理由はありますが、そこで大学生以上のカードゲームをする人と、小学生の頃遊んでいた人達の空白を埋められたんです。ここ最近もその傾向は強くて、カードゲームが一番の趣味というのではなく、数ある趣味の1つとして、カードゲーム「も」好きな人が増えた印象です。

こうした傾向が見られるのは僕たちがやってきたことの成果でもあるんじゃないかと思っていますし、ここから全年齢にカードゲームを遊んでもらうというのが課題でもありますし、少しずつ結果も出てきています。

―――ヴァンガードは来春で2周年を迎えますが今後の展開は?

発表会でもお知らせしたように、年明けからはアニメの第3期シリーズを開始します。これまでのシリーズでは、カードファイトに重きを置いたものになっていましたが、大会を駆け上がる強さだけを求めるのがヴァンガードの方向性でもないので、少し古典的な学園篇的展開を考えています。特に中高生の皆さんに、主人公達に自分を重ね合わせて、思い入れを持ってもらい、実際にカードを手に取ってもらえるような展開にできればと思います。

―――海外展開について教えて下さい

シンガポール・香港・台湾などのアジア地域では日本語版をそのまま遊んで頂いています。シンガポールを含め、英語圏の地域では英語版を展開していますが、半数近くが北米地域になっています。ヨーロッパでも少ないながら遊んで頂いています。先週末に開催された世界大会はニコニコ生放送でも中継され大変に盛り上がりました。

―――海外でも受け入れられた要因はどこにあるのでしょう?

ルールがシンプルでわかりやすいというところですね。ヴァンガードが受け入れられる根っこの部分は、どこでも一緒なのかなと感じています。

―――最後に、ユーザーに向けてのメッセージをお願いします。

色々やってきた中で、このような評価をして頂けて本当に嬉しいです。とはいえまだまだパーフェクトな評価ではないので、今回頂いたコメントも参考にして、おごることなく、全力で取り組んでいきたいと思いますのでよろしくお願いします。

―――ありがとうございました!
《宮崎紘輔》

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