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光田康典氏特集ライブレポート! -すべての愛するものたちのために-

ゲーム音楽作曲家・光田康典氏の楽曲のみを演奏するライブ「playing game music!! ~光田康典特集~」が2012年9月29日(土)にザムザ阿佐谷にて開催されました。本記事では、このライブの模様をお届けします。

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  • ザムザ阿佐谷の外観
  • 開場を待つファンが列を作ります
  • 客席とステージは非常に近いです
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  • 神永大輔氏
  • john*氏
ゲーム音楽作曲家・光田康典氏の楽曲のみを演奏するライブ「playing game music!! ~光田康典特集~」が2012年9月29日(土)にザムザ阿佐谷にて開催されました。本記事では、このライブの模様をお届けします。

今回のライブでは、尺八奏者の神永大輔氏と、アイリッシュバンド“John John Festival”らが、光田氏の名曲の数々を熱演。『クロノ・トリガー』や『クロノ・クロス』をはじめ、『つぐない』、『KiRite』、『ゼノサーガ エピソードI』などの楽曲が披露され、ファンにはたまらない公演となりました。

■演奏
神永大輔(尺八)
John John Festival(フィドル:john* / ギター&ブズーキー&アコーディオン:annie / バウロン&パーカッション:トシバウロン)
鈴華ゆう子(ピアノ&ボーカル)
神永瑞穂(箏)

■セットリスト
1.CHRONO CROSS ~時の傷痕~(クロノ・クロス)
2.時のみる夢(クロノ・クロス) ~ クロノ・トリガー(クロノ・トリガー)
3.昼下がりの町(つぐない) ~ ガルディア王国千年祭(クロノ・トリガー)
4.酒場Jigセット(つぐない)
5.Above and Beyond
6.Hey John Joe
7.ヴォルフィノーの市(KiRite)
8.銀色のライカ(TEN PLANTS 2)
9.Pain(ゼノサーガ エピソードI [力への意志])
10.サラのテーマ(クロノ・トリガー)
アンコール.Balto(ゼノギアス アレンジヴァージョン「CREID」)

会場のザムザ阿佐谷は、120人ほどが入れる木造りの小劇場となっており、温かみのある雰囲気。客席とステージの距離も非常に近く、ファンは間近で演奏を見ることができました。

神永氏と、John John Festivalの3名が登場後、最初に演奏されたのは、『クロノ・クロス』の顔とも言える「CHRONO CROSS ~時の傷痕~」。ゆったりと静かに始まるイントロから、テンポが早くなって疾走感あるサウンドへ。とても4人で演奏しているとは思えないほどの力強さで奏で上げられる幻想的な音世界に、ファンは一気に引き込まれてゆきます。

演奏後、神永氏は「光田さんの曲が大好きなので、今回このライブをやることになりました。同じく光田さんの曲を愛する皆さんの前で、こうして演奏できて光栄です」と挨拶。神永氏が尺八を始めたきっかけは光田氏のゲーム音楽だったそうで、「尺八の古典音楽も演奏しますけど、自分の血に流れているのはやっぱりゲーム音楽ですね」としみじみ語られていました。

「この曲は避けては通れないですよね!」と演奏された「時のみる夢」では、演奏の後半に「クロノ・トリガー」のメロディへと流れるように気持ちよく繋がり、ファンを魅了します。続けて、包み込まれるようにゆったり穏やかなメロディの「昼下がりの町」と、明るくにぎやかな「ガルディア王国千年祭」のメドレーを演奏。千年祭では、お約束ともいえる途中の「ハッ!」という掛け声も演奏中にメンバーが出しており、まさにお祭りのような楽しい雰囲気が演出されます。

千年祭後のMCでは、神永氏が『クロノ・トリガー』への思い入れを非常に熱く語りました。「ロボが種をまくイベントが好きです!」「ルッカとお母さんのイベントで使うパスワード…そこに気づけるかどうかが大事なんですよ!」と力説する神永氏。ゲームへの強い愛情をひしひしと感じました。しかしトシバウロン氏は、神永氏の言葉に対して冷静に受け答えやツッコミをしており、2人の絶妙な掛け合いに会場は笑いで包まれました。

「酒場Jigセット」は、ゲーム『つぐない』の楽曲「酒場」と、アイリッシュ音楽「Butlers of Glen Avenue」が演奏されました。神永氏によると、アイルランドには“jig(ジグ)”という音楽ジャンルがあるとのこと。jigはゲーム音楽と同じく、終わりのない、ずっと繰り返す音楽なのだそうです。

アイリッシュの話題として、トシバウロン氏からは、光田氏の会社プロキオン・スタジオから、アイルランド発祥の笛・ティンホイッスルの教則本が発売されていることが紹介されます(トシバウロン氏も参加されているそうです)。トシバウロン氏によると、光田氏は音楽に対して非常に研究熱心とのこと。アイリッシュ音楽も熱心に勉強されており、トシバウロン氏の持つ打楽器・バウロンを「分解して見せてほしい」と頼まれ、実際に見せたこともあるのだとか!

せっかくなのでアイリッシュの曲もお聴きいただければ…とのことで演奏された「Above and Beyond」は、ゆるやかに流れる川のような優しい旋律でした。続く「Hey John Joe」はJohn John Festivalのオリジナル曲。こちらは、打って変わって情熱的な曲調。メンバー全員が大きく動いて演奏しており、特に身体を大きく揺らしてバウロンを叩くトシバウロン氏の姿が印象的でした。

次の曲からは、ゲストとして鈴華ゆう子氏が参加。「ヴォルフィノーの市」ではキーボードでカリンバを奏で、「銀色のライカ」「Pain」では、繊細なピアノと、澄んだ歌声を披露します。

続いて、最後の曲「サラのテーマ」演奏前には、「神事を執り行います!」と神永氏が宣言。残念ながら体調不良のため、今日この場へ来場できなかった光田氏の回復を祈って演奏するとのこと。この曲のためだけにやってきたという箏奏者の神永瑞穂氏が登場して演奏が始まりましたが、箏と尺八をメインとした和風な音色は、まさに神事。非常に神秘的な雰囲気、かつ、光田氏への想いにあふれたものでした。

アンコールにて演奏されたのは「Balto」。後半のアップテンポな部分からは、客席から手拍子が入り、会場に大きな一体感が生まれます! 演奏するメンバーの皆さんの表情も、非常に楽しそうだったのが印象深かったです。曲の終了の瞬間には割れんばかりの大きな拍手が巻き起こり、大盛況の中ライブは幕を閉じました。


全体的に、光田氏の美しい旋律と、爽やかなアイリッシュサウンドに包み込まれた心地よい演奏で、非常に楽しい時間を過ごすことができました。アイリッシュにあまり縁がなかった方も、アイリッシュへの興味が深まったのではないでしょうか。神永氏のゲームに対する、そして光田氏の音楽に対する深い愛情も、よいスパイスになっていたように思います。

John John Festivalは、12月1日と2日に「John John Festival 感謝祭 2012」というイベントを開催予定とのことです! ご興味をお持ちの方は、ぜひ足を運んでみてください。
《hide/永芳英敬》
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