12月1日から公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の映画「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」。福音館書店によると、この映画の原作となっている「タンタンの冒険」オリジナルコミックシリーズが累計販売部数100万部を突破、また映画化を記念して2011年4月に発売されたペーパーバック版もシリーズ累計売上部数が約26万部になりました。
原作「タンタンの冒険」は、ニッカーボッカーをはいた少年レポーター「タンタン」が相棒の白い犬スノーウィを友として、チベットから南米へ、はては月世界まで冒険の旅に出かける物語。ベルギー・ブリュッセルの新聞社で、かけだし記者として働いていたエルジェ(当時21歳)が、1929年より子ども向けの週刊新聞に連載を始めたのが、そのはじまりです。
美しいカラー刷りコミックは、国境・世代・年齢を超えて愛されており、福音館書店では、1983年~2007年の24年間をかけて、全24巻(ハードカバー版 定価各1680円)の日本語版を刊行しています。
「タンタンの冒険」映画化の裏には、スピルバーグとこのコミックの運命的な出会いがあったそうです。1981年に「レイダーズ/失われた聖櫃≪アーク≫」が公開されましたが、この映画批評のなかに、この作品は「タンタンの冒険」をモチーフにしているのでは?と指摘する声がありました。心当たりのなかったスピルバーグですが、それをきっかけに「タンタンの冒険」の原作を手に取り、たちまちタンタンの世界の虜になったそうです。
スピルバーグ監督は、映画化にあたって全24巻のうち「なぞのユニコーン号」を中心に「金のはさみのカニ」「レッド・ラッカムの宝」を含めた3巻を原案にしています。さらにシリーズの他の作品に登場するおなじみの人物やモチーフも登場。映画内にはコミックを読んだ人にしか判らない要素も多く散りばめられているそうです。
「タンタンの冒険」シリーズは全24巻発売中。価格はハードカバー版が各1680円(税込)、ペーパーバッグ版が各735円(税込)です。
《冨岡晶》
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