ベセスダのTodd Howard氏は海外メディアのインタビューに対し、日本RPGは空想的で海外RPGはリアリスティックだと語ります。
「日本のゲームはRPGに限らず空想的です。個人的には好きですが、はっきり理解するのに苦労することがあります。西洋のゲームは概してよりリアリスティックです。終末後のアメリカを扱った『Fallout』もそうしたフィルター上のもので、本当に起こり得るようなことです。我々がファンタジーものを作るときも、この“虚構を信じられるようにする力”を再現するところがあります」
海外に日本ゲームを移植するXSEED Gamesは、海外の小売業者が日本風の絵柄に興味を示さないといいます。
「『ツヴァイ!!』はよくできたチャーミングなゲームだが、小売業者がかわいらしい絵柄にあまり興味を示さないことが我々の仕事を難しくしている」
また、ゼニマックスによる『Fallout: New Vegas』の広告も話題となりました。
「いつからゲームは、鑑賞するものになったのか」「主人公には、悪を滅ぼす以外の使命があってもいいと思う」といったプラカードを掲げる人々が集まっているというもので、海外ゲームである同作の広告が日本ゲームに問題提起した形となります。
日本では空想的なものが、海外ではリアリスティックなものが喜ばれる。
日本では華奢な青年や少女が大きな武器を振るうようなビジュアルが好まれますが、海外ではこれが受け入れられない・・・というのはよく言われる話ですが、同じ人間とはいえ、感性が大きく異なっていることがわかります。
ただ、Howard氏のいう「虚構を信じられるようにする力」はフィクション作りの根幹をなすものであり、洋の東西を問わないもの。要は「虚構を信じられるようにする力」のベクトルがどこにどう向いているかの違いであり、海外ゲームはこの力が特にキャラクターの見た目に向いているということなのではないでしょうか。
では「虚構を信じられるようにする力」はHD画質のゲーム機で多くのお金とマンパワーをかけないと実現できないものなのでしょうか?決してそうとばかりは言い切れません。
たとえば『女神異聞録ペルソナ』シリーズに登場する薬局「サトミタダシ」でかかる広告ソングなどは優れた「虚構を信じられるようにする力」を生み出しているといえるでしょう。
どこかでみたような店内で「ヒットポイント回復するなら傷薬と宝玉で、瀕死大変仲間を助ける地返しの玉と反魂香・・・」という曲がかかることでゲームと現実の世界がぐっと近づきます。
このほかにも同シリーズは都市伝説や噂など様々な形でリアルな現代日本を描写しています。シリーズは海外でも高評価ですが(メタスコアは78~91点)、この辺りの姿勢が関係しているのかもしれません。
つまりはマンパワーとお金だけではなく頭の使い方次第。
この力をいかに生み出すかは日本ゲームの海外進出において大きなキーになるのではないでしょうか。
ここ数年は特に日本ゲームと海外ゲームの価値観がぶつかり合っていますが、こうした中から新たなものが生まれたり、何らかのヒントが拾えるかもしれません。特定の作品・個人を事実無根かつ誹謗中傷的に攻撃する目的でない限り、東西の価値観の違いは自由に議論されるべきではないでしょうか。特に作り手においては、何を拾い出し何を学び何を捨てるかが問いかけられているのです。
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