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【GDC2010】ゲーム機としての力量はいかほど? 「Windows Phone 7 Series」をデモでチェック

今年のGDCでマイクロソフトが力を入れているのが、2月に発表されたばかりの新モバイルプラットフォーム「Windows Phone 7 Series」です。マイクロソフトのスポンサーセッションの多くもWindows Phone 7 Seriesに関する内容で、今年の一押しといっても過言ではありません。

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今年のGDCでマイクロソフトが力を入れているのが、2月に発表されたばかりの新モバイルプラットフォーム「Windows Phone 7 Series」です。マイクロソフトのスポンサーセッションの多くもWindows Phone 7 Seriesに関する内容で、今年の一押しといっても過言ではありません。

そんな同社から10日、GDCにあわせてWindows Phone 7 Seriesの実機デモの披露がありました。デモを担当したのはゼネラルマネージャのロン・ペッセナー氏と、プログラムマネージャのマイケル・クルシャー氏です。

マイケル・クルシャー氏(左)とロン・ペッセナー氏(右)


Windows Phone 7 Seriesはマイクロソフトが展開するスマートフォン向けOSを搭載したモバイル端末を総称するブランド名です。現在はWindows Phone 6.5 Seriesを搭載した端末が各社から発売されており、「7」を搭載した端末は北米で年末にリリースが予定されています(国内発売は未定)。最大の特徴はルック&フィールから中身のコードまで一新されたことで、ゲーマー向けにXbox Liveとの連動機能も備えています。


 
さっそくロン氏にメニューを操作してもらいました。6.5では横に3列のアイコンがヘックス状に配置されていましたが、7ではアイコンが大型化し、横2列×縦3列の配置となっています。メニューはタッチで上下にスライドするほか、左右にフリックして項目を変えられます。「Xbox Live」アイコンをタップすると、見慣れたアバターとともに、ゲーマータグや実績が表示されました。メニューの動きはスムーズで、指での操作により最適化された印象です。

続いてゲームの紹介に移りました。まずデモされたのはカジュアルゲームの定番「チェッカー」。指のフリックでコマを操作する方式で、当然ながらネット対戦可能です。Xbox Liveでフレンド登録しているユーザーを呼び出して、一緒に対戦するなども簡単です。Xbox Liveアーケードのカジュアルゲームが、そのままスマートフォンでも遊べる印象を受けました。

もちろんコアゲーマー向けに、3Dのリッチなゲームも用意されています。デモではクォータービューのアクションシューティング「Harvest」と、カジュアル対戦アクションの「BATTLE PUNKS」が披露されました。「Harvest」はタッチで移動&射撃を行う「クリックゲー」スタイルで、自機をダブルタップすると特殊攻撃が可能です。「BATTLE PUNKS」はアバターを作って遊べる対戦格闘で、日本のアニメテイストなグラフィックが目を引きます。操作もすべてタッチアクションとなっています。

「Harvest」
性別や外見を自由に変更して対戦格闘アクションが楽しめる


「BATTLE PUNKS」
性別や外見を自由に変更して対戦格闘アクションが楽しめる


デモの後半では開発環境について紹介されました。現在マイクロソフトではWindowsとXbox360向けの開発環境として、XNA Game Studioを無償配布しており、アマチュアでもXbox360向けのゲームが開発できます。マイケル氏からは、最新バージョンの「4.0」でWindows Phone 7 Seriesもサポートすると説明されました。これによりWindows PC、Xbox360、Windows Phone 7 Series向けのゲームを、ほとんど同じコードで記述できます。1ヶ月以内にプレビュー版のリリースを予定とのことでした。

デモでは簡単な横スクロールのアクションゲームを、PC、Xbox360、Windows Phone 7 Seriesで、それぞれ実行させる様子が示されました。PCとXbox360ではゲームコントローラで操作しますが、Windows Phone 7 Seriesでは本体を左右に傾けて移動、タップでジャンプとなっています(このように一部の設定でプログラムの修正が必要とのこと)。とはいえ、基本的に同じソースコードが使えるのは驚きで、さすがOS屋といったところでしょうか。

Windows PC向けとWindows Phone 7 Series向けで同じゲームが動作する様子

 
ちなみに、ここまで劇的に変わると気になるのが下位互換性ですが、残念ながら「7」で「6.5」や「6.1」向けに書かれたアプリは動作しないとのこと。またWindows Phone 6.5 Seriesでは個々のアプリが最大10MBまでという制限がありますが、これが「7」でどうなるのかについても未定とのことでした。

リッチな3Dゲームを作るためには、それなりのプログラム容量が必要で、いまやiPhoneでは200~300MBクラスのゲームも少なくなくありません。しかしWindows Phoneでは携帯電話の3G回線でアプリをダウンロードさせる関係上、これまでプログラムサイズが10MBまでに制限されていました。容量が増えるとアプリの流通スタイルにも影響が出ることが予測されるため、今後のマイクロソフトの発表を待ちたいところです。

また現在はゲーマータグなどの共有にとどまっていますが、Xbox360向けゲームとの連動などについても視野に入れられていると補足がありました。「我々は1段ずつ目標に向かって進化していく」(ロン氏)。現在マイクロソフトではPC、テレビ、モバイルをクラウドにつなぎ、シームレスに活用する「3スクリーン構想」を進めていますが、Windows Phone7の投入で、また一歩前進というところでしょうか。
《小野憲史》
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