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可愛さ全部入り!でも毒っ気もあるポストペット世界を満喫しよう・・・『ポストペットDS』開発者インタビュー

『ポストペットDS』はソネットの人気キャラクター「ポストペット」の初の本格ゲーム作品で、キャラクターたちと一緒にポストペッ島で過ごせるコミュニケーションゲームです。

任天堂 DS
可愛さ全部入り!でも毒っ気もあるポストペット世界を満喫しよう・・・『ポストペットDS』開発者インタビュー
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  • PostPetDS 夢見るモモと不思議のペン
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『ポストペットDS』はSo-netの人気キャラクター「ポストペット」の初の本格ゲーム作品で、キャラクターたちと一緒にポストペッ島で過ごせるコミュニケーションゲームです。本作はゲームデザインにRoute24の西健一氏(『ギフトピア』『ちびロボ』など)、製作にアルファドリーム(『マリオ&ルイージRPG』『とっとこハム太郎』など)、音楽にバンプール(『もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド』など)、そして発売元はマーベラスエンターテイメントという豪華な作品となっています。果たしてどのようなゲームが生まれたのか、品川シーサイドのマーベラス本社にお邪魔してお話を聞きました。

■参加者

西健一 有限会社Route24代表。スクウェアからラブデリック、スキップを経てフリーランスとして独立。過去には『ギフトピア』『ちびロボ』『アルキメDS』など。今回は企画を担当。

杉本晃子 株式会社アルファドリーム 開発部マネージャー。過去には『とっとこハム太郎』シリーズなどを手掛ける。今回は企画やデザイン面を担当。

渡辺庄一 ソネットエンタテインメント株式会社(So-net) メディア・エンタテインメントグループ。「ポストペット」の版元。企画の発起人としてプロデューサーを務める。

平田真 株式会社マーベラスエンターテイメント デジタルコンテンツカンパニー。パブリッシャーとなったマーベラス側で、当初のプロデューサーであった大渕善久氏からバトンタッチを受けプロデューサーを務める。

山岸幸恵 株式会社マーベラスエンターテイメント デジタルコンテンツカンパニー セールス・プロモーショングループ。本作の広報やマーケティングを担当。

好評発売中 可愛らしいパッケージが目印


―――企画が始まったのはいつごろだったのでしょうか?

渡辺氏
渡辺: 2007年の夏頃からゲームを作りたいと思ってたんです。といってもソネットは家庭用ゲーム作りの経験はありませんので、ご一緒していただける会社が必要でした。そこで知人に相談したところマーベラスエンターテイメントさんに繋いでいただきました。

山岸: 話を聞いて大渕プロデューサー(当時)に繋いだのが私なんです。

渡辺:以前からPostPetファンやメールソフトのユーザーからDSでPostPetがしたい、という要望があったことや、タッチペンで直接ペットのお世話ができるという良さを活かしたゲームにしたかったので、DS向けで企画が始まったんです。純粋にお客さんの側に経てばポストペットに触れるというのが楽しいだろうと思いました。

―――ゲーム化して欲しいという声があったということなのでしょうか?

渡辺: 「ポストペット」はメールソフトというイメージが強いと思いますが、メールソフトに付随して「ポストペットパーク」というゲームの要素が高いコミュニティーサービスを運営していました。、今で言うソーシャルゲームライクな要素をもともと持っていたので、好きな方からはやはりゲーム化の要望はありました。「無理だと思うけどDSで是非」というメールもよく貰ってました(笑)。

―――当初のアイデアとしてはどんなものだったのでしょうか

渡辺: 「ポストペット」といってもメールという要素は家庭用ゲーム機では表現が難しいだろうとは思ってました。最初に大渕プロデューサーにお会いした時私のほうから「ペットとのコミュニケーションを楽しむゲームにしたい」と相談したのです。「ポストペット」では人と人とのコミュニケーションの間にペットがいたのが、人とペットのコミュニケーションに主軸を置くということです。そこから先のゲーム作りに関してはプロである西さんやマーベラスさんにお任せして、ソネットとしては見守るという立場でした。

西: 実際にゲームデザインをする人間として僕が呼ばれたんです。

―――なるほど

西氏
西: 最初に聞いた頃は、まだ「DS」「ポストペット」「まったり遊べるスローライフ」というくらいのキーワードが出ただけの段階でした。でも面白いと思いましたよ。あの「ポストペット
がDSで出るというだけでも野次馬的な面白さはありますよね(笑)。

―――意外に可愛いゲームを作る西さんの出番ですね

西: ひどいなあ(笑)。確かにそうですけど。でも、「ポストペット」の世界観って、ピンク色で可愛らしい雰囲気だけども、実はシュールで毒っ気がある世界なんです。誤解されてる場合が多いと思いますけど。そこにはシンパシーを感じていましたし、「ポストペット」自体も初代から触ってたりしました。

―――実際に開発業務はアルファドリームさんがやられたそうですね

杉本: ええ。アルファドリームは今まで『マリオ&ルイージRPG』や『とっとこハム太郎』などゲームを作ってきました。2Dのクオリティの高さは自信がありました。でも今回は初めて3Dのゲームに挑戦するということで『ポストペットDS』の話を聞いた時は悩みましたね。ただ、ポストペットと一緒に過ごすゲームならば3Dの表現力の高さは魅力でしたし、元々3Dの世界の住民ですからね。未経験ゆえに苦労の連続でしたが、結果的には良いものが出来た自信はあります。

―――アルファドリームさんはライセンス作品を絶妙に料理するという印象です

杉本氏
杉本: ありがとうございます。私自身はずっと『とっとこハム太郎』に携わってきました。一番のユーザーとなる方はファンの方々なので、大きな期待は裏切れない、でも原作そのままでは面白みがない、ライセンス物ではそういうバランスが大事かなと思います。今回ならDSで触れ合うという要素は最大限追求しながら、新しい要素を入れ込んで今までのファンの方にも刺激のあるものに、既存の世界観だけで無難にまとめ過ぎないように気をつけながら作りましたね。

―――なるほど。ゲームということで今までの「ポストペット」で描かれてこなかった設定などを考える必要もあったんじゃないでしょうか?

杉本: 例えば「とっとこハム太郎」の場合は完ぺきに決まった設定があって、ゲームでもそれを忠実に守る必要がありました。でも実は「ポストペット」にはそういったものが余りないんです。

渡辺: 一つ大きいのはゲームでは「ポストペット」たちが喋るということです。今までは一度だけアニメーション製作の時にモモが少し喋っただけで。今回は全キャラクターを喋らせようということで、それぞれのキャラクターの性格や声を考えました。今までのファンの方はそれぞれの想像の中に設定があると思うので不安に思った面もありましたが、西さんの今までのゲームを見る限り、世界観を作り上げる事に関しては間違いないとお任せしました。原作者の八谷さんも西さんのゲームのファンだったそうで「口出ししないので、西さんの世界観でポストペットを作ってもらえればいい」とおっしゃてくれました。

―――新しいキャラクターも登場します

西: ストーリーの中で一番重要なバクというキャラクターが新登場します。バクはみんなの夢を食べて大きくなりすぎて空中を浮いてます。みんなが夢を取り戻すたびに小さくなって、最後は普通のペットのサイズになります。

杉本: もともと普通のペットで、悪い奴じゃないんです。飼えるキャラクターは既存のキャラクターだけど、店員さんたちは新登場のキャラクターになります。

―――遠回りしてしまいましたが、ゲーム内容に近づいてきましたね(笑)。どんなゲームか簡単に教えてください

西: 舞台はポストペッ島というポストペットたちが住む島です。そこに先ほどのバクという夢を食べるペストペットがいて、みんなの夢を食べちゃうんです。その夢というのは「一人前になって手紙を運ぶ」という夢です。といっても夢を忘れてものんびりとしたもので「忘れちゃったー」みたいなノリでのほほんとみんな過ごしてるんです。そんな世界で、唯一の人間としてプレイヤーが降り立って、ポストペットたちとの触れ合いを楽しむゲームです。

ポストペットたちとのふれあいを楽しむ

自分や言えのカスタマイズ要素も


―――どちらかというと、ストーリーは一応あるけども、自由気ままに島で生活するといったイメージでしょうか

西: そうですね。なにかしなくちゃいけないとか、色々な事を凄く頼まれたり、いつまでに何かをしなきゃ島が沈んじゃうとか(笑)そういう事はないです。ポストペットと一緒に暮らすというのが基本としてあって、ストーリーを見たければどんどん進めばいいし、島を散歩して住民たちとの触れ合いを楽しむのもいいし、ひたすら自分のペットのお世話をするのもいいし、という感じで、遠くの目標としてストーリーはありますが、そこへの到達方法や速度は人それぞれで遊べるゲームです。

忘れてしまった夢を取り戻すというストーリー


―――一緒に暮らすと言えば、頭の上にポストペットを載せるというのが可愛過ぎて・・・

西: あれ評判いいねぇ。

杉本: 一緒に暮らす相手なので、どのくらい距離を縮められるかというのは意識しました。一緒に移動するのでも、並んで歩くよりももっとキュッチュな方法はないかなと試行錯誤して、ああいう形に落ち着きました。不思議と収まりがいいんです。それに高い所の物を取るというゲーム的な広がりもできたので。待機中のモーションもそれぞれ個性的で楽しめるものになってると思います。ただ、移動のパターンが増えるのでバグの温床でスタッフは苦労してましたが・・・。

―――ピクメモという要素もあるそうですね

杉本: ピクメモという写真のようなものを撮ることが出来ます。単なる思い出に残すだけでなく、ゲームの中で「こんなピクメモを撮ってきて」という風に進めるために使われることもあります。

杉本: おやつ屋さんに「新しいおやつのインスピレーションになるピクメモを撮ってきて」と言われたり、ブティックで「お店に張るモデルのピクメモを撮ってきて」と言われたり。島のガイドを作りたがってる不動産屋さんには「島の名所のピクメモを撮ってきて」と言われます。分かりやすい名所は一杯あるのですが、中には地味だけどある時間になると夕日が映えるとか、細かい名所も色々あって奥が深いんです(笑)。小さい島ですが、気づきは色々とあると思うので、やり込みだしたら止まらないと思います。



―――なるほど

杉本: しかもピクメモには評価システムがあって、撮影した場所や時間のシチュエーションをちゃんとチェックしてます。例えば「セクシーなピクメモを撮ってきて」というお題だと、服はもちろんのこと、セクシーが似合う時間帯や場所まで見てるので、なかなか大変です(笑)。

杉本: さらに、撮影時にはポストペットの状態が大事で、ちゃんとお世話をしてあげてると可愛いポーズを取ってくれるけど、お腹がすいてると後ろを向いてしまったり、そういう部分の性格も個性が出るものになってます。

平田氏
平田: しかもしかも、撮影したピクメモの上にはプリクラのような感じでお絵かきもできるんです。

杉本: 開発中には色々と奇想天外なものが出てました。デバックしてるのかと思ったらすっかりはまってて・・・。思いもしない使い方がありましたので、これは公式サイトのブログでも紹介していければと思ってます。

―――音楽も今回、力を入れたと聞いてます。特にボイスは大変だったと思いますが・・・

杉本: 音楽やボイスはバンプールさんにお願いしました。ボイスはポストペットとして初めてだったということもあって難航しましたが、最後の最後まで調整に力を割いて下さって、良いものが仕上がったと思います。ボイスは可愛過ぎるvsもうちょっと可愛い方がいい、というバトルがありました(笑)。

西: サンプルのデータが上がってくると、やぱり可愛い方がウケがいいんです。でも僕が言ってたのは可愛くないものがあってもいいという事で。その方が世界が広がって良い物になると思うからです。バンプールはキャラクターを喋らせることに関してはノウハウもあるし得意なのですが、今回は特に新しいシステムを使って、間合いやテンポ、喋りの揺らぎも自動生成するものになっていて、ファンタジーの中でのリアルさという意味では味のあるものになってるんじゃないかと思います。

渡辺: ボイスはチャレンジングなことをやっていたので、最初は違和感があったのですが、徐々に良くなっていきましたね。直して欲しいというリクエストもなかったわけではありませんが、製品版は違和感のないものになってると思います。

―――曲の世界観はいかがでしょうか?

西: 最初は東京ゲームショウの発表時に使うためのPV用に作ってもらったのですが、バンプールのサウンド担当からヒップホップをやったみたいと提案がありました。イメージとしては、アメリカのテレビ番組であるような、黒人の凄く歌の上手い子供が歌っていて、でもやっぱり子供らしさも残ってるようなものということで、作って貰ったら何の違和感もなく、元気のある楽しげな独特な曲になって、残りは全部すんなり決まりました。バンプールの中に熱狂的なポストペットファンがいて、そのお陰かクオリティの高いものが出来上がりました。

―――お話を聞く限り、こだわり満載で遊び応えのある内容になってるようですが、男性のユーザーでも楽しめるものなんでしょうか・・・?

杉本: そこはかなり意識しています。もちろんメインは女性の方だとは思いますが、尖がったメッセージもあるただ可愛いだけじゃない内容、ストーリーにしてるつもりです。社内でテストプレイをした際も意外に食いついていたので男子も楽しめる内容になってるんじゃないかと思います。

西: 作った自分も遊んでみて、違和感なく遊べたので、おっさんも楽しめるゲームだと思います(笑)。「毒担当」なんて言われたりもしてましたが、ただ可愛いだけにならないように心がけて作りましたので。

平田: 自分のペットを可愛いという気持ちは男の子も共通だと思いますので、楽しめると思います!

―――わかりました。ソネットの渡辺さんにポストペットの今後についても伺っておきたいのですが

渡辺: もちろん今後の展開も色々と考えているところです。2012年で15周年を迎えるので、そこを目指していくことになると思います。『PostPetDS』は昔からのポストペットと最新のポストペットを繋ぐような集大成的な立ち位置の作品になれたと思ってます。まだ次は内緒ですが、これをステップにできればいいなと思ってます。せっかく3Dで作りましたので、続きなのか全く別なものかは分かりませんが、活かせればいいなと思ってます。それもこれもファンの皆さま次第なので、まずはぜひゲームを手に取ってもらえればと思います。その上で、期待をもってくれる方が多ければ自然と次が出てくると思います。

―――それでは最後に、みなさん一言ずつオススメのポイントなどを教えていただけないでしょうか?

西: 「可愛さ全部入り」という言葉通り、本当に可愛いけど、それだけでは終わらないものになってます。疲れた時代に気持ちが和らぐようなものになっていると思います。遊んでもらってほっこりして欲しいですね。あとは、好きな女の子にプレゼントしたらきっといいことが起きると思います。いい冬になると思います(笑)。

杉村: 一緒に遊んで貰って、おもしろそうだと思ったら自分のも買ってください。ピクメモでラブレターみたいに交換してもきっと楽しいです。

山岸: 最初から2本買っていただいても大丈夫です(笑)。

―――(一堂笑)

杉村: 見たままのポストペットたちの可愛さを楽しめるゲームです。でもそれだけじゃない、男性でも抵抗なく遊べるような尖がった部分も同居してるゲームです。季節や時間によって島は変わっていきます。やりこみ要素もふんだんに盛り込んでいるので、ペットとの暮らしを楽しみながら生活を送って貰えればと思います。

渡辺: 既存のユーザーさんや過去ポストペットを使っていた方にとっては、昔懐かしのキーワードや裏設定が色々入ってるゲームになってます。バクを連れてきた馴れ初めも・・・。過去にユーザーさんが触ってきた世界観を上手く活かしながら、ニヤッとする要素も沢山仕込んでいるので、正に集大成という位置付けで楽しんでもらえればと思います。

平田: 今回は大渕プロデューサーの後を継いでバトンタッチという形だったのですが、その分、客観的な目でゲームを見れたと思います。そういう意味で誰が遊んでも楽しめるゲームというのは間違いないです。ぜひ手に取ってみてください。

―――ありがとうございました

品川シーサイドのマーベラス本社にて
《土本学》
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