人生にゲームをプラスするメディア

「目指すのはリスタート」-『アヴァロンの鍵 ONLINE』のスタッフに聞く、これからの展開

『アヴァロンの鍵』は2003年にセガから発表されたアーケード版カードゲーム。『アヴァロンの鍵 ONLINE』はこれをPCで遊ぶオンラインゲーム化した作品です。

PCゲーム オンラインゲーム
「目指すのはリスタート」-『アヴァロンの鍵 ONLINE』のスタッフに聞く、これからの展開
  • 「目指すのはリスタート」-『アヴァロンの鍵 ONLINE』のスタッフに聞く、これからの展開
  • アヴァロンの鍵 ONLINE
  • 「目指すのはリスタート」-『アヴァロンの鍵 ONLINE』のスタッフに聞く、これからの展開
  • アヴァロンの鍵 ONLINE
  • 「目指すのはリスタート」-『アヴァロンの鍵 ONLINE』のスタッフに聞く、これからの展開
  • アヴァロンの鍵 ONLINE
  • 「目指すのはリスタート」-『アヴァロンの鍵 ONLINE』のスタッフに聞く、これからの展開
  • アヴァロンの鍵 ONLINE
『アヴァロンの鍵』は2003年にセガから発表されたアーケード版カードゲーム。『アヴァロンの鍵 ONLINE』はこれをPCで遊ぶオンラインゲーム化した作品です。

12月10日より正式サービスがスタートする『アヴァロンの鍵 ONLINE』に関し、開発を担当するGPコアエッジの坂本亘氏(第1ゲーム事業部プロデューサー)、浅沼拓志氏(第1ゲーム事業部制作チームマネージャー)にお話を伺いました。

坂本氏浅沼氏


■「1対1のゲームは50%の負けた人がつまらない思いをする」

―――まずは『アヴァロンの鍵 ONLINE』がどんなゲームなのかというところからお願いします。

坂本:『アヴァロンの鍵 ONLINE』は最大4人で遊べるオンラインカードゲームで、双六とカードゲームの要素が融合されています。プレイヤーさんは魔法学校の生徒で、モンスターを召喚するカードを使い、他の生徒と「鍵」を巡って戦います。

―――基本的なルールは『アヴァロンの鍵』と同じなんですね。

坂本:そうですね。カードはマップの移動と戦闘の両方に使います。カードを使うことでマップを移動、「鍵」を手に入れて「ほこら」に行くことが目的です。「鍵」を手に入れたプレイヤーさんは、他のプレイヤーさんに追いかけられることになります。いいカードを移動に使いすぎると、他のプレイヤーさんに戦闘を仕掛けられた際に「鍵」を守りきれないことがありますので、バランスも重要です。

鍵をもって祠を目指す戦闘


―――4人集まらないと遊べないんですか?

浅沼:いえ、そんなことはありません。足りないプレイヤーはCPUが担当しますし、自動で実力の近い人どうしで対戦できるようになっています。

―――アーケード版では乱入システムが印象的でしたが、『アヴァロンの鍵 ONLINE』にも存在していますか?

坂本:もちろんです。人間プレイヤーが4人集まっていないところにどんどん乱入できます。乱入といっても、対戦格闘のように他のプレイヤーさんのプレイを止めてしまうものではないんです。勝ち抜け方式ですね。「鍵」を持って三ヶ所の「ほこら」を巡れば勝ちになりゲーム終了。残った人がゲームを続ける形式です。

―――乱入だけでなく、友達とプライベートにゲームをしたり、チャットを楽しむこともできるんですか?

坂本:そうです。パスワードでロックすることで友達どうしプライベートなゲームを遊んだり、チャットルームを作って仲間同士の会話も楽しめます。

―――『アヴァロンの鍵』をオンラインにするきっかけはどのようなものだったんでしょうか。

浅沼:個人的に『アヴァロンの鍵』を遊んでいたことがきっかけの一つです。

弊社で別途運営している『アルテイル』を運営している時に、ふと考えていた事がありまして、それは「対戦型カードゲームは負けた側の50%のユーザーさんがつまらない思いをする」というものでした、ですがそれを他人数でプレイできるゲームにすれば解消するのかというと、そんな事もなくて「多人数で遊ぶゲームの場合、人が集まるのに時間がかかる」という当たり前の問題がありました。

そんな事を考えていた時に『アヴァロンの鍵』はその両方を解決していると気がついたんです。勝った人から抜けていくので、強烈に強い人が乱入してきても、残った人でゲームを続けられる。こういう「場」に魅力を感じてセガさんに移植を打診した所、「企画を提案してもらえれば前向きに考えます」というお話をもらったんですね。そこで、企画を提出しまして『アヴァロンの鍵 ONLINE』のプロジェクトがスタートしました。勝った人から抜けていくシステムは他のオンラインゲームに類を見ないので、そこに大きな可能性があると考えています。完成度の高さ、イラストの魅力ももちろんですね。

■まさか、こんなに参加するとは思っていませんでした

―――『アヴァロンの鍵 ONLINE』の発表時の反響はどうでしたか?

坂本:昨年12月の「ゲームポットフェスタ2008」で発表させて頂いたんですが400~500人近いお客様が来られました。私達の中でも、まさかこんなに参加されるとは思っていませんでした。

―――かなりの反響があったわけですね。

浅沼:事前の情報公開もかなり制限したんです。2年半近く更新が止まっていた『アヴァロンの鍵』の公式サイトに、チーフデザイナーの田口博之さんからのメッセージという形で「唐突ではありますが、アヴァロンを愛して下さっている皆様と久しぶりにお会いし、お話できればと考えております」とだけ書いて頂いたんです。

―――その際は『アヴァロンの鍵 ONLINE』の存在は隠していたんですよね。

坂本:時期が時期だけに、『アヴァロンの鍵』の終了宣言が行われると思っていた方も多かったようです。『アヴァロンの鍵 ONLINE』発表の際には泣いているユーザーさんもおられましたね。少ない情報で沢山の方に集まって頂き、『アヴァロンの鍵』の人気とこれからの責任を痛感しました。

浅沼:先日『アヴァロンの鍵 ONLINE』のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を立ち上げたんですが、『アヴァロンの鍵』を経験しておられるユーザーさんが新規のユーザーさんを引っ張っていって下さるという、かなり良い形のコミュニティが形成されています。SNSもあまり格式張ったものにはしたくないので、我々も介入していないんですが、自然発生的にグループが作られていますね。これからは、SNSに入って頂ければ何らかの特典があったり、アカウントと連動させたりと言った企画を考えています。

■戦闘シーンというジレンマ

―――『アヴァロンの鍵』をオンラインにするのに変えた部分などありますか?

浅沼:基本はアヴァロンの鍵をそのまま移植する事を第一に考えましたが何箇所か削除された部分もあります。その中で一番悩んだのは戦闘シーンのカットですね。『アヴァロンの鍵』では戦闘の際、ポリゴンで再現されたモンスターが戦うんですが、『アヴァロンの鍵 ONLINE』ではこれがありません。カードのキャラクター性もアップするため、セガさんも弊社も戦闘シーンについては何度も話し合いました。しかし、残そうとするとゲームを遊ぶのに必要なスペックが高くなってしまうんです。そこで、まずは間口を広げるという事で戦闘シーンを無くし、今後の動向を見ていくという形にしました。

坂本:スペックが高くなる事を一定レベルで止めておきたかったんです。ゲームを遊べなくなる人が出てしまうので。。

浅沼:ただ、この先戦闘シーンを絶対に入れないかというとそれは分かりません。ユーザーさんからの反響もあり、僕らも悩み続けている点です。あと、最も大きな変化はオンラインで遊べることです。『アヴァロンの鍵』はオンライン対応がなかったので、地元のゲームセンターにいる強い人たちの間に交じったりしないといけなかったんですが、『アヴァロンの鍵 ONLINE』では気軽に遊べるようになっています。

坂本:いつも面子が同じなので手の内がバレていたりとか、そういうことですね。

戦闘シーン


■『アヴァロンの鍵』をリスタートする気持ちで

浅沼:『アヴァロンの鍵』ではプレイヤーが使うキャラクターは決められたキャラクターから選ぶ形だったんですが、『アヴァロンの鍵 ONLINE』ではプレイヤーさん自身のキャラクターを作る事となりました。これは、セガさんからのオーダーのひとつである「魔法学校」というコンセプトをより強くするために実装しました。
また、『アヴァロンの鍵』のキャラクターたちもいなくなってしまうのではなく、NPCとして参戦するなどの拡張もすでに考えています。

坂本:学園ものにちなんだイベントも展開されていく予定です。

坂本:現在はゲームセンターにあった『アヴァロンの鍵』を再現するという状態で、これからオンラインゲームとしての味付けが行われていきます。セガさん自身がやられるのではないということで不安の声も聞かれましたが、遊んで頂いたユーザーさんからは「ちゃんとアヴァロンだった」という評価を頂いています。我々も、最初から色んなオリジナルの機能を付けて『アヴァロンの鍵』を崩すことはしたくなかったんです。もちろん、ユーザーさんのご意見は随時取り入れています。

浅沼:ゲーム性をキチンと再現することが目標でした。現段階では『アヴァロンの鍵』というゲームは面白いのか否かという部分から見て頂きたかったんです。とはいえ、セガさんも我々も、ゲームとしての面白さには自信を持っていますが。

坂本:オリジナルカードも投入してるんですが、これまでの『アヴァロンの鍵』とかけ離れていてもユーザーさんがビックリされると思うので、セガさんとの協議の元、突飛なことをせず、「痒いところに手が届く」ようなカードとしています。

浅沼:『アヴァロンの鍵』は長い時間をかけて熟成してきたものなので、最初からアーケードの後半に出てきたような、凄いカードを出すようなことはしない方向性ですすめましょう。とセガさんにもお話しさせて頂きました。これまでの『アヴァロンの鍵』を続けるのではなく「リスタート」するという意味で再度作り上げる気持ちで、カードなどを考えております。今後もカード追加に関しては、セガさんとお話させていただきながら進めさせていただく事となります。私達もカード案はありますが、セガさんにも培った経験とオリジナルクリエイターとしてのやりたかった事などがあります。その両者の味を上手く出して行ければと面白くなるのではないか?と考えております。

―――本日はありがとうございました。

GPコアエッジ社内には業務用の筐体もありました
《土本学》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

PCゲーム アクセスランキング

  1. 『FF14』アナタにオススメのジョブはどれ? きっと見つかる、ジョブ診断!

    『FF14』アナタにオススメのジョブはどれ? きっと見つかる、ジョブ診断!

  2. eスポーツ界隈には危険なワードがいっぱい?人気ストリーマー・SHAKAたちが“言葉遣い”を議論

    eスポーツ界隈には危険なワードがいっぱい?人気ストリーマー・SHAKAたちが“言葉遣い”を議論

  3. 誰でも自分にピッタリなセンシが決まる!?初心者FPSゲーマーが試すべき“完璧な感度”の見つけ方

    誰でも自分にピッタリなセンシが決まる!?初心者FPSゲーマーが試すべき“完璧な感度”の見つけ方

  4. PC『シムシティ 2000』が無料で配布中!クラシックな街作りシミュを今すぐゲット

  5. 『Apex』で初動ファイトを勝ち抜くために…“視界良好”なアイアンサイトの武器スキン5選

  6. Steam版『モンハン:ワールド』新米ハンターを手助けする「防衛隊武器&防具」配信―『アイスボーン』に向けてストーリーを一気に進めるチャンス!

  7. 『ランス01 光をもとめて』を手掛けたイラストレーター・魚介氏と、ディレクター・いってんちろく氏が「アリスソフト」を退社

  8. 『Apex』最強のレティクルカラーは一体どれ?有名プレイヤーの“推し配色”でエイム力アップ!

  9. 『Apex』キーマウ勢必見!海外プロも愛用するリコイル制御術「ジッターエイム」とは

アクセスランキングをもっと見る