『Tap-Fu』の開発元であるSmells Like Donkeyは、配信から3日で海賊版が90%を越えたとする調査結果を発表しました。『Rally Master Pro』のFishlabsは配信初日に95%の海賊版を確認したと発言しています。ゲームがいかに不正コピーされてしまっているか、情報公開という英断により、驚くべき実体が白日の下にさらされたといってもよいでしょう。
iPhoneは新たな携帯ゲーム機として注目されていますが、その盛り上がりに冷水を浴びせるような悲しむべき事件といえます。『Tap-Fu』では配信からわずか40分で海賊版の登場が確認されたといいますから、伝播の速度はかなりのものであるようです。
海賊版を配布するサイトでは「海賊版で試した後に正直にお金を払うユーザーが沢山いる」とされているそうですが、Smells Like Donkeyによると、海賊版を手にしたユーザーがお金を支払って正規ユーザーになったというケースは皆無だったとのことで、事態の深刻さが伺えます。
Smells Like Donkeyは自社サイトで海賊版に関する落胆に関してこう語っています。「ゲームをリリースする、それは刺激的な時です。半年もの間、丹精込めてお金を注ぎ込んで開発したとあればなおさらです。あなたは骨折ってゲームを磨き上げ、ついに全ての準備が整います。神即ちアップルに提出し、承認を待ちます。ついに承認はなされ、あなたは富を夢見ます。一日後、あなたはやられたと分かって打ちのめされます。あなたのゲームは買われていませんが、プレイされているのです。(中略)開発者として(海賊版で沢山の)ハイスコアチャートを見て落ち込みます。それでも、我々はお金を払ってくれたお客さんが沢山いることが嬉しいし、ベストを尽くします」
アップルは海賊版問題に対しIn-App Purchase(アプリケーション内からの課金)が有効であるとしているそうですが、FishlabsのCEOであるMichael Schade氏は「その効果は疑わしい」とコメントしています。
『Tap-Fu』は半年、『Rally Master Pro』は5000時間(一日8時間労働として1年8ヵ月)の開発期間がかかっているそうですが、配信数日で9割もの違法コピーを目撃してしまっては、やりきれないものがあるのではないでしょうか。
ダウンロード販売は様々なデータを収集できますが、今回のように海賊版の蔓延も見えてしまいます。作り手のモチベーションに与える影響も少なくないとは思いますが、海賊版がどれくらいあるのか数値となって現れたおかげで対策の重要性も周知できたのではないでしょうか。
『Tap-Fu』ではデータの解析により「海賊版ユーザーはゲームのメニューに並んでいる順番でモードを遊び、素早く次のゲームに移る」という行動様式が明らかになっています。今後、送信するデータを工夫することで更なる情報が得られるかも知れません。海賊版ユーザーはどの国に多いのか。ゲームの値下げは海賊版にどれくらい有効なのか。海賊版ユーザーはどれくらいでゲームに飽きるのか。こうした情報は新たな対策に結びつくかも知れません。
ゲーム開発者も霞を食べて生きている訳ではありません。お金はとにかく重要なのです。お金がなくては次回作も生まれませんし、下手をすると明日のご飯も食べられません。iPhoneはインディー系開発者が参入しやすいことでも知られていますが、海賊版問題はインディー系開発者にとってより深刻なものとなり得ます。
「インディー系開発者が安心してゲームを出せる環境を整えること」、これは今後の携帯ゲーム機戦争において無視できないキーワードとなるのではないでしょうか。
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