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【E3 2009】サプライズ多数・・・SCEプレスカンファレンス詳報

■三者三様のプレスカンファレンス。SCEの目玉はコレ。

ゲームビジネス その他
【E3 2009】サプライズ多数・・・SCEプレスカンファレンス詳報
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■三者三様のプレスカンファレンス。SCEの目玉はコレ。

E3のプレスカンファレンスには、各社ともに色があります。有名人ゲストを惜しみなく投入するなど、派手でイケイケなマイクロソフト。岩田社長や宮本茂氏のビジョンに加えて、ミニゲーム大会がつきもので、和やかな任天堂。そしてデモプレイとトレーラーで、大量のゲームソフトを紹介するSCEです。

今年のプレスカンファレンスも、例年同様PS2、PS3、PSP、PS Networkと、PSプラットフォームの全域に渡って、シリーズタイトルあり、オリジナルタイトルあり、隠し球あり、さらには技術デモありと、非常に盛りだくさんな内容。これらがSCEA CEOのジャック・トレットン氏の「総合司会」で、次々に紹介されていきました。

とはいえ最大の話題は、速報の通りPSPの「兄弟」機、『PSP go』でしょう。壇上に上がった平井一夫CEOは、背広のポケットからさっそうと取り出し、「初代PSPと比べて、50%小さくて40%薄い」とアピールしました。既報の通り北米と欧州では10月1日発売で、価格は249.99ドル/ユーロ。日本では11月1日に26800円で発売となります。

最大の特徴はUMDを廃すると共に、16GBの内蔵メモリを搭載し、ゲームソフトのダウンロード販売に特化した点。ただし従来のPSP-3000も併売され、店頭でのディスク販売も継続されます。液晶ディスプレイも、解像度は同じながらサイズは4.3型から3.8型に縮小。ディスプレイの下部に操作パネルを収納した、スライド形状を採用しています。一方で一部ネットで噂のあった、タッチパネル液晶については事実ではありませんでした。

ただし、PSP goはあくまでコンテンツプレイヤー。コンテンツをデリバリーするPlaystation Networkも強化されます。PC連携用の専用アプリケーション『Media GO!』が無料で提供され、コンテンツの連携・管理が容易になると共に、PCからもPlaystation Networkにアクセス可能になります。一方PSP go側にはジュークボックスともいえる『SenseMe』が内蔵され、音楽コンテンツライブラリを解析して、イメージに最適なプレイリストを作成する、などの機能が加わりました。

ここでポイントなのは、ソニーにとって家庭用ゲーム機とPCの垣根がなくなるだけでなく、今後PSNのもとに、あらゆるデジタル器機がぶら下がる未来像が予想される点です。これまでも「スゴ録」とPSPの連携などがありましたが、例外的な扱いに留まっていました。個人的な印象ですが、今後は「go」の名の下に、すべてのガジェットが再編される・・・(E3直前にはソニー・エリクソンからプレイステーション携帯電話「Aino」も発売されました)。そんな未来像を予感させます。

また主役のゲームソフトについても、ポリフォニーデジタルの山内一典氏が『Gran Turismo PSP』、コナミデジタルエンタテインメントの小島秀夫氏が『Metal Gear Solid: Peace Walker』を発表しました。このうち前者は10月1日、後者は2010年内が予定されています。このほか『バイオハザード PORTABLE』『Little Big Planet』のPSP版発売についても案内がありました。

山内氏は「とても小さな『PSP go』ですが、『GT for PSP』はフルスケールの『グランツーリスモ』で、60fpsで動作しています」と、携帯ゲーム機だからといってタイニー版ではないことをアピール。800台以上の車種と、35個のサーキット/コース、60種類以上の景観/レイアウトが盛り込まれ、アドホック通信を生かして4人までの対戦機能と、ガレージの中身を共有して、愛車を友達と共有するなどの仕掛けも盛り込まれます。

一方で小島氏は「ボクがゲームデザイン、演出、プロデュースします。開発も『MGS4』の主力チームが担当」とコメント。時代も『MGS3』の10年後の1970年代が舞台で、『3』と同じネイキッド・スネークだとして、正真正銘の「本編」で『3』の続編であることを強調しました。こちらも携帯ゲーム機の良さを活かしたユニークなゲームシステムが搭載される予定だそうです。

■さまざまなタイトルが飛び出したPS3

さて、話は前後しますが、PS3についても様々なサプライズが発表されたので、紹介していきましょう。最大のサプライズは、『ICO』『ワンダと巨像』を手がけた上田文人氏の最新作『THE LAST GUADIAN』のムービー上映でしょう。まだ世界観やコンセプトワークの段階で、具体的なゲーム内容は紹介されませんでしたが、巨大な怪物と少年の関係がキーとなるゲームのようです。

続いてのサプライズが『FINAL FANTASY XIV』のトレーラー映像。『XIII』の新作トレーラーに続いての発表で、『XIV』の名前がトレットン氏から告げられた時は、会場全体が戸惑った様子でしたが、『XI』と同じMMORPGとなりました。コンソールではPS3でまず2010年に発売され、時期は未定ながらPC版も発売となります。舞台もバナディールからエオルゼアという地に変更されるようで、両者の関係性やデータの互換性なども気になるところです。

そしてPSP版に続いてトレーラー公開となった『Gran Turismo5』。満を持してのPS3版の最新情報です。発売日は未定ながら、新しくラリーのWRCと、アメリカで大人気のNASCARという2種類のレースモード、さらには一部ファンから待望されていた車両の破損シーンも映像で飛び出し、さらなる進化を遂げている印象を受けました。

これらは映像出展のみでしたが、デモプレイが行われ、より発売が現実的となったタイトルが、『UNCHARTED2』『ModNation RACERS』『MAG』『God of War III』です。ポイントは、4本すべてがPS3専用タイトルだということ。『UNCHARTED2』では武装ヘリに追いかけられながらの、高所での逃避行。『ModNation RACERS』は『Little Big Planet』の開発スタジオが手がける新作レースゲームで、コースを自由にエディットして全世界に配信できます。『MAG』は昨年のラストに紹介された256名同時対戦が可能なFPSで、今回は壇上の8名に加えて、オンライン上の248名を加えて対戦プレイが行われました。

そして会場が最も沸いたタイトルの一つとなったのが『God of War III』。ストーリー指向の一人用クォータービューアクションで、巨大なモンスターと戦うという、アクションゲームに新しい潮流を生み出した作品の最新作だけに、迫力は倍増、グロさも倍増。デモプレイではキマイラをふみつけて角をへし折り、相手の体に突き刺して倒すという、予想を裏切らないアクションが公開されました。ゲーム史上で最も危険なハゲのマッチョガイ、クレイトスがPS3でどのような活躍を見せてくれるか、今から要注目でしょう。

このほかサードパーティタイトルとして、ルネッサンスのイタリアを舞台に、今度はグライダーで空を飛び、水中を泳げるようにもなった『Assassin's Creed 2』が紹介されました。またタイトルだけの出展ながら、『GTA』シリーズでおなじみのRockstar GamesがPS3で独占販売する新作『AGENT』。またPlaystation Homeにおいても、全世界で650万人が体験し、85%が再びhomeを訪れる、というデータが示されました。

■次世代カメラデバイスの技術デモも披露

さてさて、ここまででお腹が一杯というところですが、最後のサプライズが「次世代カメラ」の技術デモです。今でこそWiiで体感ゲームが主流ですが、先鞭をつけたのはPS2の『EyeToy』。PS3でも『Playstation EYE』が発売されました。トレットン氏は「数年後の未来」と前置きした上で、拡張アイディアである『プレイステーション・モーションコントローラ(PSMC)』の紹介を行いました。

壇上では両手にポインタのついたマイク風のデバイスを持ち、▽バットをボールで打ち返す(なかなか当たらず、苦労していましたが)▽ビーム状の鞭を振り回す▽両手でデバイスを持って絵を描く▽RTSのように部隊の移動を指示する▽玩具の鉄砲でFPS▽剣と盾を持っての剣術アクション▽アーチェリー風アクションなどのデモが披露されました。ポインタデバイスの中にモーションセンサーが組み込まれ、さらにその動きをCCDカメラでトラッキングすることで、現実の映像の中にCG映像をハメ込むことができるのが大きな特徴です。技術デモの段階で、マイク風のデバイスも、さらに洗練されるとのことでした。

余談ですが今年はマイクロソフトも独自のモーショントラッキングシステム『Project NATAL』、任天堂が脈拍を測定する『Wii MotionPlus』を発表し、インターフェースの進化がキーワードとなりました。余談ですがマイクロソフトが完全デバイスレス、SCEがポインティングデバイスとカメラを併用するのに対して、すでに「リモコン革命」をはたした任天堂は新しいオプションデバイスの追加と、それぞれ方向性が異なる点も興味深いところです。

このように、終わってみればPSP goがかすむほどの全方位な内容。特に今年はPSP、そしてPS3と、PSプラットフォームの専用タイトルが前面に押し出されて紹介されたのが印象的でした。冒頭ではPS2もまだまだ現役で、エマージング市場を中心に売れ続けていることが示され、あらためてプラットフォームとしての息の長さに驚かされます。1994年にPS1が発売されて以来、今年で15周年となるPSプラットフォームですが、一つの文化として着実に定着しつつあるのかもしれません。
《小野憲史》
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