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【GDC 2009】面白いタイトルをしっかり売るには!? レベルファイブのプロデュース術を日野社長が大公開

俗に隠れた名作と言われるような、内容は面白いのに売れなかったゲームというのは世の中に五万とあります。しかし、いかに名作でも売れなければ多くの人には伝わらないし、開発者もハッピーでないし、次のゲームを作る資金も得られない、ではいかに。

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■ブームトリガー

的確なキーワードと的確なターゲット層を狙ったとしても、100万本を超えるような大ヒットに繋げていくには、ある種のブームを生み出す必要があります。レベルファイブがもう一つ狙うのは「ブームトリガー」=「ブームを引き起こすための仕掛け」という考えです。ゲーム自体が面白いのは大前提として、この、ブームを引き起こすための仕掛けをゲームに幾つも織り込んでいくことで、爆発を狙います。

日野社長によれば「ブームトリガー」は、口コミや情報交換を誘発していく「コミュニケーションギミック」と、長いプレイ時間を継続させる「エクステンションギミック」の2つで構成されます。長く遊べるゲームであれば、話題になる期間も長く、ブームに火が付く可能性も高くなっていきます。また、長く遊べるゲームは中古市場に流れ難いというメリットもあります。

『レイトン教授』の場合、「コミュニケーションギミック」は"ナゾを他人に解いてもらう"ということに尽きます。難しいから他の人に代わってもらうというシチュエーションも考えられますし、お前これ解ける?という挑戦的な場合も考えられます。人と一緒にプレイしてもらうことで世界を広げます。「エクステンションギミック」と言えるのはレイトンには多数のサブゲームが収録されている点や、新たなナゾの配信を1年間行ったことが挙げられます。第一作目の「不思議な街」は初回12万8000本から、瞬く間に火が付き、最終的には93万6000本までセールスが伸びていて、明確にブーム化したと言えます。

一方の『イナズマイレブン』の場合は、「コミュニケーションギミック」は数多のキャラやスキルの入手方法の情報交換であったり、対戦だったりです。「エクステンションギミック」としては、1000人という途方も無い数のキャラクター集めや、こちらも配信で1年間に渡って選手や技を配信すること、クロスメディア展開によって話題性を継続させるといったことが挙げられます。『イナズマイレブン』の場合も初回の15万6000本から、半年後も数字を伸ばしていて、現在は34万2000本となっているそうです。


日野社長は最後に、「売れることで開発チームの雰囲気がガラリと変わった」と指摘します。ゲーム開発現場はどこも異常に大変で、肉体も精神もすり減らします。それが残念な結果になればチームの落胆ぶりは想像し得ないほどです。逆に成功してユーザーからの手紙を読んだりした時の嬉しさというのは報われた瞬間です。面白いゲームを作るには開発チームの士気は高くなくてはならず、単に高い技術や面白い要素を詰め込むだけでなく、きちんと結果を出すプロデュースが求められていると日野社長は話しました。

講演の終わりには2009年発売予定の『ニノ国』のトレイラーが流されました。残念ながら撮影禁止でお伝えできずに残念ですが、レベルファイブ流の人をぐっと引きつける内容で、ジブリテイストも強く、数十秒の短いものながら期待させるのに十分な内容でした。『ニノ国』に関しては「もうじき大発表する」ということでしたのでお楽しみに。
《土本学》
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