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「何がゲームを殺すのか?」−売上は好調なのにリストラが続く不思議

Slate紙は「何がゲームビジネスを殺すのか?」と題する記事を掲載しています。

ゲームビジネス その他
Slate紙は「何がゲームビジネスを殺すのか?」と題する記事を掲載しています。

ゲームの売上自体は好調だが、ゲーム業界でリストラが相次いでいることへの分析です。

N. Evan Van Zelfden氏は2008年の売上が前年比26%アップ(NPD Group調べ)し、ゲームの売上がDVDに勝利し(Media Control GfK調べ)、Gamestopがクリスマスシーズンに前年比22%アップの30億ドル(約2670億円)を売り上げているにも関わらずリストラが進行していると指摘。その原因を開発費の高騰にあるとしています。

2006年にMidwayのCyrus Lum氏は、次世代機では1タイトルあたり2500万ドル(約22億円)ほどの開発費が必要になるだろうと警告しましたが、Midwayの新作『This Is Vegas』では既に4000万〜5000万ドル(約35〜44億円)に達しており、開発費は予想を超えた速度で上昇し続けています。

多くの投資をしてヒットを飛ばす「ハリウッドモデル」では多くの人件費が必要で、EA(エレクトロニック・アーツ)は一ヶ月に7400万ドル(約66億円)を使っていると試算。こうした状況下ではEAやActivisionのようにパブリッシャとデベロッパを兼ねることは「自然の進化」であると分析。専門学校生が既存のゲームエンジンを使って卒業制作として開発した『PORTAL』が300万本のヒットとなったことを例に挙げ、開発規模とヒットの関係性に疑問を提示。「EAがこのサクセスストーリーから学ぶ気はない」ことに苦言を呈すると同時に、「大恐慌の時代には映画は2週間で作られた」ことを例に挙げ、ゲームのスケールを小さくし、ストーリーを短く、グラフィックの質を下方修正し、既存の技術をリサイクルすることが必要であるとしています。

開発費の高騰はどこのメーカーにとっても悩みの種。N. Evan Van Zelfden氏が解決策の一つとして挙げる「既存の技術のリサイクル」は、任天堂の横井軍平氏の「枯れた技術の水平思考」とも通じるところがあって興味深いところです。

(試算されたEAの人件費に関して訂正しました。ご指摘に感謝します)
《水口真》

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