人生にゲームをプラスするメディア

「オンラインゲーム一週間」:無料と有料の並列制、ゲームの老後

北京オリンピックまで一週間と迫りあわただしい昨今ですが、オンラインゲームの世界にもいくつか大きな動きがありました。

PCゲーム オンラインゲーム
北京オリンピックまで一週間と迫りあわただしい昨今ですが、オンラインゲームの世界にもいくつか大きな動きがありました。

韓国ネクソンはMMORPG『マビノギ』韓国版において2008年8月1日(金)より無料化記念キャンペーンを開催。無料だと1日2時間、標準的プランで月額約1,800円という変則的なシステムの『マビノギ』も無料に統一されます。

他のゲームに先駆けて月額制サーバー+無料サーバーの並列制へ移行した『ラグナロクオンライン』韓国版ですが、無料サーバーにおいて有料の「プレミアムサービス」を導入。購入することで経験値とアイテムドロップ率がアップし、さらに24時間有効の追加サービスも利用することができます。

『ラグナロクオンライン』韓国版に追随するかの如く月額制サーバー+無料サーバーの並列制へ移行するのが『R2』(Reign of Revolution)韓国版。月額制サーバーでは約2,000円のプレイ料金が「オープンサーバー」では無料となります。

無料化に絡むニュースが一週間で3本も飛び込んでくる辺り、今週は正に無料化ウィークとでもいったところでしょうか。ここで重要なのは『ラグナロクオンライン』と『マビノギ』の無料化です。どちらも日本でも知名度が高く、月額制を堅守してきたゲーム。まさかここが無料化することはないだろう……ともいわれてきた老舗です。2006年辺りから同時接続数(ゲームに同時に接続しているプレイヤー数。入会後の状況を問わない会員数とは違い、オンラインゲームの実質的な人気の尺度といわれる)を伸ばすための切り札として導入されてきた無料化ですが、ある程度の年数が過ぎたところで完全無料化もしくは並列制となるのが既定路線となるのではないでしょうか。老舗タイトルの「老後」が示されたというわけです。ここで「老後」という単語を使うのはリスペクトの意味もあります。半年程度でのサービス終了や、生まれる前の計画段階で話が消えることも珍しくないオンラインゲーム界で、長寿かつ老いることができるのはゲームが持つ魅力が優れているということなのですから。

『ラグナロクオンライン』と『マビノギ』という二大ゲームすら無料を視野に入れたことで、もう一度「オンラインゲームにおけるお金の払い方」が議論されるべきでしょう。一つのゲームに無料の会員と有料の会員が存在する並列制は一見混乱を招きそうに見えますが、『ラグナロクオンライン』では並列制導入後に同時接続数がアップし無料サーバーを増設するほどの勢いとなりました。無料サーバーは経験値やアイテムドロップ率が低く抑えられているため、これを補強するのが「プレミアムサービス」。そして「プレミアムサービス」以上の経験値やアイテムドロップ率が得られるのは月額制サーバー。完全無料化でなく並列制とすることで、本来の主力層である月額制サーバーに高級感を持たせることに成功したというわけです。自分は高級なサービスを受けていると思うことは、気持ちよくお金を払う上で非常に重要なポイント。対応の悪い町のラーメン屋に払う500円は惜しいけれど、一流レストランには一万円を気持ちよく出せたというのは誰にでもある経験ではないでしょうか。

これまでの無料ゲームでは、無料状態でアイテムの所持数や武器の強さに制限を付け、更なる強さと快適さを求めてお金を払うという形態となってきました。有料のアイテムやサービスが限りなく強く便利に設定された場合、常識外れの金額を支払ってしまうケースが問題視されてきました。並列制はこの問題を解決する鍵ともなり得るのではないでしょうか。有料サーバーのサービスを最上のものとし、それ以上はお金がかからないということにすれば、安心してお金を払うことができるのではないでしょうか。現在、無料でプレイしていた人が有料アイテムを購入する時には、大きな心理的な壁を乗り越える必要があります。「ハマってしまったらどうしよう」「有料アイテムがさらに過激化したらどうしよう」、こうした心配に自分の中で折り合いを付けなければならないのです。しかし、ここで上限が決まっていればどうでしょう。無料サーバーでアイテムを買い続けるより、有料サーバーへ移った方がお得ということが明示されていれば、ひと月にかけられるお金の上限が極められていれば、最初に有料アイテムを買う一歩も踏み出しやすくなるのではないでしょうか。

並列制のためにはゲームが魅力を備えていることが必要となります。最終的には月額を出してもいいと思わせる内容でなければなりません。これは困難ではありますがひどく理不尽な注文というわけではありません。ここをきちんとしていれば、『ラグナロクオンライン』のような並列制や、『マビノギ』のような段階を踏んでの無料化で、ゲームとして幸せな晩年を過ごすことができます。若い頃の苦労が幸せな老後の礎となるのはゲームの世界でも同じなのではないでしょうか。
《水口真》

編集部おすすめの記事

PCゲーム アクセスランキング

  1. 自作イラスト対応の“キャラ作成ジェネレーター”を搭載したブラウザRPG『英雄RPG 聖域の冒険者』登場

    自作イラスト対応の“キャラ作成ジェネレーター”を搭載したブラウザRPG『英雄RPG 聖域の冒険者』登場

  2. 『Apex』アッシュとパスファインダーのかけ合いに胸キュン…“元カノ”にぞっこんな特殊セリフも

    『Apex』アッシュとパスファインダーのかけ合いに胸キュン…“元カノ”にぞっこんな特殊セリフも

  3. 『プロ野球 ファミスタ オンライン2』期間限定「プロ野球12球団ルーレット2007」が登場

  4. 話題の『ヤンデレシミュレーター』をやってみた…物理的にライバルを排除する恋愛ACT

  5. 誰でも“二次元美少女”になれるPCソフト「FaceRig Live2D Module」がすごい!自分の顔とキャラの表情が連動

  6. 第8回「CRカップ」順位結果まとめ!『Apex Legends』インフルエンサーの祭典で頂点に輝いたのは?

  7. 『FF11』が20周年!ヴァナ・ディールは今もアップデートし続けている

  8. 『FE』を手がけた加賀昭三のフリーゲーム『ヴェスタリアサーガI』が9月21日公開

  9. 『ネットdeすごろく 「す〜ぱぁ★リッチ」』オリジナルゲーム内ボイス第二弾「板尾の嫁」こと「シェリー」実装

アクセスランキングをもっと見る