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【E3 2008】ヘイローの世界観で作られるRTS『Halo Wars』プレイレポート

昨年のE3で発表されて以降、新しい情報がなかった『Halo Wars』。「Halo」シリーズのスピンアウト作品で、「Halo1」より過去の世界で展開されるRTSです。プレイヤーはUNSC (国連宇宙軍) とコヴナント軍のどちらかを選択し、惑星ハーベストの支配を巡って、激突することになります。

マイクロソフト Xbox360
Halo Wars
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昨年のE3で発表されて以降、新しい情報がなかった『Halo Wars』。「Halo」シリーズのスピンアウト作品で、「Halo1」より過去の世界で展開されるRTSです。プレイヤーはUNSC (国連宇宙軍) とコヴナント軍のどちらかを選択し、惑星ハーベストの支配を巡って、激突することになります。



さて、いきなりですがコンソール向けの名作RTSって、何かありますか? 『伝説のオウガバトル』とか、古いとこだと『ロードモナーク』とか。中には『ヘルツォーク・ツヴァイ」なんてタイトルもあがったりして。人によって答えは違うと思うんですが、実際なかなかないんですよね。いろんな理由があるんでしょうけど、まずはマウス+キーボードとコントローラーという、入力デバイスの違いが大きいと言えそうです。

しかも、本作のゲームデザイナーは『Quake III』でゲームエンジンの開発に携わった後に、米アンサンブルスタジオに移籍したグラハム・デバイン氏。同社は「エイジ・オブ・エンパイア」シリーズで有名なスタジオです。いわばFPSをゴリゴリ作っていた人物が、名作RTSの開発部隊と共に、家庭用オリジナルのRTSを作っているわけです。このデバイン氏、去年のE3でも本作のデモプレイを披露した際に、ユーザーインターフェースデザインの設計に心血を注いでいると話してくれました。

そんな『Halo Wars』を今回、偶然にもデバイン氏のフォローで体験プレイすることができました。限られた時間でしたが、結論から言うと、かなり操作系が良く練られていて、コンソールならではのRTSになっています。まずコントローラーの操作デザインがあって、それを元にゲームデザインが組み立てられた、そんな印象すら抱かされました。



キーアサインですが、アナログスティックでカーソルを移動させて、Aボタンでユニットを選択、Bボタンでキャンセル、Xボタンで攻撃、Yボタンでユニット特有のアビリティが発動です。選択時にAボタンを長押しすると、選択範囲が広がって、複数のキャラクターを同時に選択できます。さらにLBボタンでステージ上の全ユニットを一度に選択、RBボタンで画面上に表示されたユニットだけを一度に選択でき、選択中のユニットのタイプや数は画面下に常に表示されるので、すぐに状況が理解できます。

RTSなので生産も行うのですが、これも基地の生産設備をカーソルで選択して、Aボタンを押すとサークル状のメニューが表示され、何ができるか一目瞭然。Bボタンでメニューが消去です。さらに十字ボタンで現在戦闘中の箇所にジャンプしたり、自軍の基地にジャンプしたりと、カーソル移動のショートカットもかなり便利。しかも、これらのボタン操作の意味が常に画面左上に表示されている新設設計。文字で書くと、かえってわかりにくくなりますが、綺麗にまとめられていますよ。

もう一つ初心者向けの配慮として、基地の設営がありました。RTSのキモはユニットの生産と移動と攻撃のリアルタイムな管理。バランス良くユニットを生産して、マップ上で陣取り合戦をするわけです。そこで普通のRTSなら、さまざまな建物ユニットをマップ上に配置していくわけですが、本作ではこれが「基地」という概念でうまく整理されています。基地をドカンとマップ上に配置して、そこに機能をどんどん追加していくことで、建物ユニットの設営に当てている。領土を広げていくにつれ、この基地をドカン、ドカンと増やしていくわけです。だから攻撃時も相手の基地攻略が大きな鍵になる。シンプルゆえに、ゲームの目的が初心者でもわかりやすいんですね。

考えてみれば『Halo』も、家庭用FPSに名作なしと言われていた中で登場し、不滅の金字塔をうち立てたわけで、これまた家庭用ならではの操作系の配慮が、かなりよくできたゲームでした。『Halo Wars』も同じように家庭用RTS市場を開拓できるか、個人的に期待の一本です。オンラインでは6人まで対戦可能。海外では2009年前半で、日本での発売は未定だそうですが、ここはぜひマイクロソフトに期待したいところです。
《小野憲史》
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