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ネトゲで一旗上げたい人必読! ベンチャー系オンラインゲーム開発企業トップ座談会 第5回

2007年12月、インサイド編集部にエンタドライブ 久永智之氏、ゲームポット 植田修平氏、シグナルトーク 栢孝文氏、ハイファイブ・エンターテインメント 澤紫臣氏をお迎えし、ベンチャー系のオンラインゲーム開発企業4社の社長による座談会をおこないました。最終回となる第5回では、各社トップが「こだわりのポイント」を語ります。聞き手はインサイド編集人 伊藤雅俊です。

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栢:いや、でも値段がつかない仕事に対して動けるかどうかは、「中の仕事」か「外の仕事」かで違うと思うんです。外注だと、例えば爆弾アイテムの爆発範囲を1.5倍にするっていう話を発注したら、「ちょっとここは追加料金になります」「これは▲人日かかりますね」という話になるんですけど、中だと「1.5倍にした方が面白いんじゃない?」「確かにこれだとまとめて何か破壊できるかもしれないから面白いね」とかいって、下手したら2時間ぐらいで終わっちゃう。
でも、間違いなく、そういうのを積み重ねないといいゲームにはならなくて、そういう仕事がどう扱われるかがポイントになる。

伊藤:微調整って難しいですよね。それこそ2時間の修正とかって、見積もり出してどうこうとか、そんなまともなルートは割に合わない。とても通してられないですよね。

澤:アイコンがちょっとクリックしにくいから、ちょっと判定を大きめに取ろうよみたいな、そんなレベルから始めてるんで、仕様にもしにくくて確かに難しいんですよね。

栢:クオリティにどこまでこだわるかという話では、私はかなりこだわりたい。中じゃないとそういう仕事は頼めないんですよね。「このボタンのデザイン、もうちょっと質感をアップしたやつをあと3パターン出してくれない?」とか。外注だとどうしても「いや、これ最終稿なんですけど」ってなっちゃいますね。そこが社内のデザイナーだと、「分かりました、作ってみます」って目の前で作るわけですよ。「そっちじゃない、そっちじゃなくてこっちの方向で」とかやりながら30分くらいで終わるんですけど、それを外でやり取りすると、追加発注で第3案出すんだったら、追加料金いただかないとっていう話になっちゃったりする。

澤:クリスマス服のアイテムで、最初ボンボンが服に付いてたんだけど、どうしてもそれが宙に浮いててかっこ悪い。それで、これ外してっていうと、「いや、これやるともうクリスマスアップデート間に合わないよ」みたいに時間の話で攻められちゃうんですね。「分かった、じゃあこっちでテクスチャ勝手に塗り直すけど、いい?」って社内でやると2時間なわけですよ。その2時間作れなかったのかな?ってなると、「なんでこれやってくんなかったの?遅れるって言い訳をしたの?」って不信感が出ちゃったりする。逆に言えばお金でやってくれるぐらいの方がまだいいのかなとか思っちゃったりしますね。

ハイファイブ・エンターテインメント 澤紫臣氏


栢:やっぱり人によるなと思いますね。実際あったことなんですが、あるHTMLを作るのに5日かかるので間に合いませんと言われたんですね。僕から見て、5日はかからなそうだったんで、他のスタッフにこれ何日でできる?ったら、1日ぐらいでできますと。で、まあ結局1日になったんですよ。同じことをやるにしても時間が担当者によって変わってくるっていうのは結構あると思うんですよ。見積もりが短ければいいって話じゃないんですけど。

伊藤:優先度みたいものでしょうか。

栢:うちが中でやっている理由というのは、中でやることによって話も全部聞こえるわけですよ。その話を聞いて「そもそもそのHTML作んなくてもいいんじゃない?」っていう意見も出て来るわけですね。「これは自動生成やる方法もあるよ」とか、そういう話も聞こえてくる。そういう環境を国をまたいで作るっていうのは、今はちょっとできないかなと思ってるんですけれども。

■「パブリッシャーはこういう話をするとどうしても愚痴っぽくなっちゃう(笑)」

久永:海外のゲーム、今はだいぶ変わりましたけど、それでもまだまだ結構大ざっぱなんですね、メニューなんて押せりゃあいいじゃんみたいな。もっと大きなところでゲームが面白いか面白くないかってとらえている。日本のゲームってメニュー1個1個までの細やかさってすごいじゃないですか、特に任天堂のやつなんか本当によくできていると思うんですけど、そういうところにこだわり始めると、確かに外注さんには限界がある。日本人の場合は「そこまでやってくれなきゃ駄目」と思ってるんだけど、海外にいくと「そこはそれでいいじゃん」っていう感じの割り切りがあって成り立っているのかもしれないんですね。

澤:パブリッシャー的なところは、こういう話をするとどうしても愚痴っぽくなっちゃう(笑) さっき植田さんがおっしゃった、出てきたもの調理したものをいかに振る舞うか、ってことですが、確かにパブリッシャーは腹をくくって出すしかない。ただ、その腹を括るまでの線で、譲れない部分があり過ぎる。自分としての納得いかないっていうだけの話なんですよね、それぐらいやっぱりゲームが好きなので。

■「同じお金を使うんなら開発で使おう」


《伊藤雅俊》
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