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【CEDEC2007】『アイドルマスター』『エースコンバット6』『鉄拳6』……開発者が3Dアニメーション技術を明かす

マイクロソフト Xbox360

【CEDEC2007】『アイドルマスター』『エースコンバット6』『鉄拳6』……開発者が3Dアニメーション技術を明かす
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ゲーム開発者カンファレンス「CEDEC 2007」が9月26日から28日まで、東京大学で開かれました。
9月27日、安田講堂で「バンダイナムコゲームスにおける3Dアニメーションへの取り組み バンダイナムコゲームス」と題して、バンダイナムコゲームス コンテンツ制作本部 第1制作ディビジョン 第1制作ユニットアニメーション課の佐々木久美さん、森本直彦さん、中村彰司さんが講演しました。

右がキャラクターのモーションを自らの身振りで表現して講演する佐々木さん。左が森本さん、中央が中村さん


▼『アイドルマスター』



佐々木久美さんは、Xbox360版『アイドルマスター』のキャラクターアニメーションの制作工程に関して講演。

本作の作業期間は約1年で、メインスタッフはダンスパート3名とコミュニケーションパート3名だったそうです。アーケードゲームからの移植作ですが、アーケード版のデータは一切使用していないとのことです。その理由として、たとえば、アーケード版では3人で踊っているシーンでは、1つのデータで全員が動いていましたが、360版では3回キャプチャーして、少しずつ違う動きにしたこと。ポリゴンの骨となるデータが、アーケード版ではキャラクターや衣装によって異なっていたのが、統一して身長に応じてスケールをかける方式にしたこと。アーケード版では振り付けに欠点があり、途中で立ち位置が変わってしまうなどという場合があったこと。アーケード版のモーションキャプチャーの記録映像が一部紛失していたことなどです。

作業で一番大変だったのはダンスパートの作成だったそうです。1曲あたり、1人月から1.5人月かかったそうです。ダンス時には、キャラクターはポジションによって異なる動きをして、トリオ(3人)のときはそれぞれの位置の動き、ソロ(1人)のときは中央のキャラクターの動き、デュオ(2人)のときは左右のキャラクターの動きを再生しているとのこと。

アニメーションの制作は、主にこれまで格闘ゲームの制作を行っていたスタッフが担当したそうですが、コミュニケーションパート(営業・レッスン・朝夕の挨拶など)のシーンのリーダーを務めたのは、『ゆめりあ』のアニメーションリーダーを担当した方だそうです。

キャラクターが物を持ったり、2人以上のキャラクターが絡んだりするシーンはないゲームだったので、制作はシンプルだったそうです。



ダンスの振り付けをどのように決めたかというと、まず、サウンドチームが作った仮の楽曲を、3人のダンサーに渡して分担して振り付けを考えてもらったそうです。3人のうち2人はアーケード版のときも担当したダンサーでしたが、アーケード版のキャプチャー作業は3年前だったため、アーケード版の内容を録画して見てもらい、振り付けを思い出してもらったということです。考えてもらった振り付けは、打ち合わせで実際に踊ってもらい、スタッフからの要望を伝え、さらに練りこんでもらったとのこと。振り付けの内容は、「ユーザーが覚えやすい・真似しやすい振り付けで」「キャラモデルの体格の都合上、頭に腕などが貫通しないよう注意」「足が長く、上半身が小さく、カメラは主に上半身を写すため、上半身の振り付けを大きめに」「トリオのときを重要視しているが、ソロ、デュオのときにも見栄えのする振り付けに」だったそうです。



キャプチャーしたデータを、修正。ゲーム中の体型は、現実の人間に比べて足が長く、顔が大きく、肩幅が狭いため、格闘ゲームのようなリアル系のゲームに比べて、たくさん修正する必要があったそうです。また、カメラに対する収まりを良くするため、フォーメーションが二等辺三角形になるように調整したそうです。

後から配信されるダウンロードコンテンツを含め、キャラクターはいろいろな衣装やアクセサリーを身につけることができるため、腕や髪の毛やアクセサリーなどが衣装にめり込む現象が起こりました。しかし、作業量コストの問題と、「綺麗な動きを見ているからこそ、アクセサリーなどで壊す楽しみがある。完璧を求めず、遊びを残していく」、つまり、「ときどきめり込んだ方が面白い」という観点から、あえて「めり込み」現象は残してあるそうです。

ダンス中のカメラアングルに関しては、4つのカメラを用意し、歌のフレーズごとに、どのカメラが何パーセントで出るか決めておき、毎回違う映像が流れるようにして、何度見ても飽きないように工夫してあります。また、ゲームを進めるとユーザーが操作できるようになっている。また、画面比率が4:3のテレビでも16:9のテレビでもどちらでも見栄えがするように工夫したそうです。


▼『エースコンバット6 解放への戦火』



続いて、森本直彦さんが、Xbox360で発売予定の『エースコンバット6 解放への戦火』の幕間アニメーションの制作について講演しました。「エース6」における幕間アニメーションのボリュームは、17本・約40分・390カット、登場キャラクターは19人。使用したツールはMaya 7.0、Motion Builder 7.0、制作期間は12ヶ月、アニメーター数は6名だったそうです。

これまでのシリーズでは、ムービーシーンは録画されたCGムービーでしたが、「エース6」ではゲーム中と同じレンダリングエンジンを使用して、リアルタイムレンダリングを使用しているそうです。これは、ゲーム中のビジュアル表現を統一するためと、制作環境を実写撮影の感覚に近づけるという理由があったとのこと。

Xbox360は高解像度でパワフルなレンダリング能力があるため、作業量が増大し、効率化による作業コスト低減が必要だったそうです。そのため、モーションキャプチャー時のリアルタイムプレビュー、カメラキャプチャー、ハンドキャプチャー、フェイシャルキャプチャー、初期の作業工程へのMotion Builderの導入、Alien Brainをカスタマイズした社内製アセット管理ツールの導入などを行ったそうです。

従来は手の動きは手首までということが多かったそうですが、今回のアニメーションでは、手の指の動きもつけているので、キャラクターが壁に手をつくシーンなどにその効果が発揮されているとのことです。



顔の表情を取り込むフェイシャルキャプチャーも行い、顔にマーカーをつけた人に「アイウエオ」と言わせたデータを記録することで、キャラクターの口の動きがセリフとシンクロするリップシンクも採用されています。



作業中にプレビューができるかたちにしたため、アニメーターは実機の描画プログラムが完成する前に作業を進めることができたそうです。結果、5人が2ヶ月間作業して、全カットの作業を終えることができたとのこと。



実機の描画プログラムが完成してからは、実機でアニメーションのプレビューを行い制作していったそうです。講演で使われたプレビュー画面の映像の下部分はモザイク処理がなされています。この辺は企業秘密というところのようです。



▼「鉄拳」シリーズ
さらに、「鉄拳 アニメーションの取り組み」と題して、中村彰司さんが講演しました。



「鉄拳6」では、40人ものキャラクターがいて、それぞれが独自の独自の格闘スタイル、国籍、濃い設定を持っています。八極拳の使い手のレオなどは、実際の八極拳を参考にしていけばよいのですが、古代暗殺術という実在しない流儀を持つザフィーナは、イメージが作りづらく、スタッフの間でもイメージが異なるので、女性特有の妖艶さを追求するかたちでキャラクター作りがなされていったそうです。



スタッフ一人一人が「自己重要感」を持てるように、トップダウンではない体制作りを目指したそうです。



格闘のモーションでは、ビデオ素材を集め、動きを検討して、モーションキャプチャーを行ったとのこと。



最後に、「バンダイナムコゲームスでは、3Dアニメーターを募集中です!」と佐々木さんからメッセージがあり、講演は終了。講演後、3人の講師への個別の質問には長い列ができ、集まったゲーム開発者の、バンダイナムコゲームスの開発体制への関心の高さが伺えました。
《茂内克彦》

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