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Shoot it! - #037 ありがとうcode-Reality

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Shoot it! - #037 ありがとうcode-Reality
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8月4日と5日に開催されたEスポーツスタジアムは大盛況でした。会場内のものすごい熱気にフラフラと外に這い出せばアスファルトの電気街は灼熱地獄。この日、東京は気象史初の猛暑日と認定されたそうです。それにもかかわらず秋葉原のカフェソラーレ・リナックスカフェ秋葉原店は大勢の観客が集まりました。冷たい飲み物が無料で振る舞われましたが、観客たちはそれでも満足できない様子で、付近の自動販売機も打ち止めに。日本のEスポーツイベントの手応えを感じさせる2日間でした。当日の様子や試合結果はニュースをご覧ください。

さて、Eスポーツスタジアムの開催によって、日本のオフラインEスポーツ大会のシーズンが幕を開けました。今後の公開競技は次のようになっています。

Eスポーツシーズン始まる!


【8月26日:WorldCyberGames日本予選】
オンラインゲームの世界的な対戦競技会。2006年のイタリア・モンツァ大会は70か国から589名が参加します。各国の予選参加者は数百万名にのぼると言われ、まさに世界の頂点を決める戦いです。今年の開催地はアメリカのシアトル。その日本予選は8月26日に東京・半蔵門のイベントスペースWinPaで開催されます。競技種目はXbox360の「DEAD OR ALIVE 4」。2005年のシンガポール大会では「Dead or Alive:Ultimate」で日本代表の活忍犬選手が世界一に輝きましたが、2006年は悔しい予選敗退。さて、今年は世界一に輝けるでしょうか。

【10月:Eスポーツスタジアム2007 Stage2】
大盛況だったStage1の余韻も醒めぬまま、2ヵ月のインターバルでStage2の開催です。当初はLANゲームパーティ「BIGLAN」内で開催予定でしたが、「BIGLAN」の開催が12月に延期されたため、Stage2は単独開催になりました。開催都市は秋葉原を予定していますが、開催地は未定です。おなじみのカフェソラーレ・リナックスカフェ秋葉原店が有力ですが、Stage1の混雑ぶりからすると、もうすこし広いところの方がいいかもしれません。競技種目は未定とのことですが、FPS(一人称視点対戦射撃)ゲームの「Warsow」、RTS(同時進行型戦略シミュレーション)ゲームの「Warcraft3」は確実でしょう。今回盛り上がったロボットアクションシューティングゲーム「旋光の輪舞」やFPSの「Halo2」も期待したいところです。Stage1のテーマは海の家でした。Stage2のテーマが楽しみです。

【12月:BIGLAN Socket6&Eスポーツスタジアム2007 Stage3】
自分のパソコンを持ち寄って思う存分ゲームで遊ぶ。そんなLANゲームパーティ「BIGLAN」が待望の開催です。また参加したい、次こそ参加したいと待ちこがれた人も多いでしょう。日時も場所も未定ですが、スタッフ筋によると秋葉原が最有力とのことです。Eスポーツスタジアム2007の併催が決まっており、今年最大のEスポーツイベントになることは間違いありません。Eスポーツスタジアム2007 Stage1を観戦に来ていたUnderPantsG氏によると「もちろん有志開催のビキニカラテ大会はやりますよ!」とのこと。筆者も楽しみです。他にも企画を温めている参加予定者がいるかもしれません。

さて、こうしたオフラインイベントの盛り上がりの一方で、歴史あるオンラインイベントがひとつ幕を閉じることになりました。愛知県のKANEKON氏が主催していた「code-Reality」です。2002年のアンリアルトーナメント2003による大会以来、5年間の歴史の幕がひっそりと幕を下ろしました。理由は主催者の多忙とのことです。大変残念ですが、継続を無理強いするわけにもいきません。code-Realityが日本のEスポーツにたくさんの種を蒔いてくれました。その種はちゃんと芽を出し、日本のEスポーツに根を広げています。感謝しつつ、ここに「code-Reality」の功績を紹介いたします。

世界でEスポーツ文化が立ち上がり始めた2002年。日本ではまだEスポーツという概念が広まっていませんでした。海外製のFPSを愛好する日本のゲーマーたちは、対戦する相手を求めてインターネット上でコミュニティを作り、自然発生的に有志がオンラインゲーム大会を開催していました。しかし、大会運営のノウハウもなければ、参加者の競技意識も低く、いまひとつ盛り上がりません。そんなときに、自身もFPSプレイヤーだったKANEKON氏が立ち上がり「俺が賞金を出すからみんな集まれ!」と声をかけ、多くのプレイヤーが集まりました。それが「code-Reality」です。賞金といってもささやかな金額でした。参加者たちはお金目当てというより、KANEKON氏の心意気に賛同して闘っていました。

筆者は当時、KANEKON氏に電話でインタビューをしました。そこでわかったことは、KANEKON氏自身がFPSを楽しんでいること、3人の子供たちにPCを与え、父子でFPSを楽しんでいることでした。父親がこどもたちとキャッチボールをするようにゲームを楽しむ。ゲームによって父は子にさまざまなことを体験させ、教えていく。オンラインコミュニティにも参加させて社会の有り様を伝えていこうとする姿でした。父親の英才教育を受けた子供たちは着実に実力をつけていきました。「私が用意したゲーム大会の賞金を、自分の子供が取っちゃうんですわ。それが申し訳なくて」という言葉に笑わせて頂きました。KANEKON氏の次男、KIKUJI君はその後、オンラインゲームの世界大会、WCG2003でアンリアルトーナメントの日本代表となり、最年少のWCG代表選手として世界から注目されました。

「code-Reality」はその後、アンリアルトーナメントのプレイヤー人口減少他の理由で閉鎖されます。しかし復活を望む声は多く、運営サポートのボランティアも名乗りを上げたことで「code-Reality2」として復活。その後再度閉鎖されたものの、賞金制をなくし、タイトルも多様化した、純粋に競技を楽しむ人たちが集まるオンライン競技会「code-Reality3」として運営されていました。競技の場としてはもちろん、KANEKON氏の渋い声とユーモラスな実況放送にもファンが集まっていたと言えます。

2度の復活を遂げた「code-Reality」。今回の閉鎖も正直に言うと「また?」と思いました。しかし、今回はスタッフ陣のモチベーションとは関係なく、主催者の多忙という物理的な理由です。KANEKON氏のブログから推察すると、子供たちも成長し部活など活動の範囲も広がっているようで、KANENKON氏自身が独自のゲーマーライフを模索しているような気がします。「code-Reality」はなくなりますが、KANEKON氏自身は機会をいただければ実況などを続けたいと語っており、彼の魅力的なトークは今後も聞けそうです。

さよならイベントもなく「code-Reality」は静かに終了しました。しかし、「code-Reality」が発信した「対戦ゲームの楽しさ」「Eスポーツの楽しさ」は多くのゲーマーに影響を与え、継承されています。有志が大会を主催し、その趣旨に賛同して集まり、お互いを尊敬して競技を楽しむ。こういう草の根的なEスポーツ文化は、カウンターストライクのオンラインリーグ戦「CSCTL」など様々なオンラインイベント、NIGHTLAN、BIGLANに受け継がれています。言わば「code-Reality」という種から育ち、開いた花だと言えましょう。Eスポーツスタジアムの熱狂も「code-Reality」を始め、有志が地道にEスポーツを広めた結果です。

KANEKONさん、あなたの子供は3人だけじゃありません。そこに集まるゲーマーたち、主催者たちもあなたの子供たちと同じです。これからは同じ競技者として遊びましょう! ありがとうKANEKONさん。ありがとうcode-Reality。

もしかしたら「code-Reality」は、今までのようにコッソリ再開するかもしれません。もしそんな日が来たとしたら、閉鎖のことも、この記事のことも忘れてください。
《杉山淳一》

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