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【インプレッション】カルチョビット(GBA)

プレイ時間 30時間

任天堂 GBA
プレイ時間 30時間

『ダビスタ』や『ベストプレー プロ野球』といったシリーズを手がけた園部さんが、万を持して制作した、サッカーのシミュレーションゲームです。GBAで販売されたこのソフトは、グラフィックの美しさなどは全く考慮せず(なにせ、試合シーンでは全ての選手の見た目が一緒ですから 笑)サッカーチームを育てる楽しさを追求した一本となっています。

通信対戦を除くとゲームモードは監督になってリーグを戦って昇格を目指すモードしかありません。ゲーム開始時にチーム名・ユニフォームといった基本的な内容を選びます。完了すると自分のチームが作成され、フレッシュリーグの監督として登録されます。

このゲームでは4つのリーグ(フレッシュリーグ・ステップリーグ・ディビジョン2・ディビジョン1)とあります。フレッシュリーグは僅か4チームしかいません。まずはこの中で1位になってステップリーグへ昇格することが目的となります。

ゲームは1年間に間に1シーズンが行われ、週単位で進めます。1週間の間で出来ることは、チームの編成やフォーメーション決定・カードを使った練習・親善試合・選手の獲得などが行えます。特徴的なのはカードを使った練習システムです。

試合で入手できるカード(試合中に監督が練習をひらめきます。1試合平均数枚のカードが入手できます)を使い練習を行うと、能力値があがります。能力値は全部で7種類(キック・スピード・スタミナ・テクニック・フィジカル・ジャンプ・メンタル それぞれE〜Sまで)があり、「マンツーマン」カードを使うと、スタミナとフィジカルがあがるといった感じです。カードの種類は、「プレースキック」「ウエイトトレーニング」「サイン会」など合計28種類があります。

このカード、選手1人に対して1枚だけではなく、2枚・3枚の組み合わせができます。特定のカードを組み合わせると、スペシャルメニューという通常の能力値があがります(まれに下がる場合もあります)。「らだートレーニング+エアロビクス=クライフターン」「プレースキック+リフティング+ヘディング=ボールのマジシャン」といったような例があります。これが実に100種類以上あり、探すだけでも楽しくなります。

他にも決められた予算内で選手の放出・獲得ができます。こちらの予算は選手獲得だけに使い、スタジアム建設費・練習場建設費・スポンサーによる収入といった面倒なものはありません。クラブの順位とリーグによって自動的に毎年予算が決まるシンプル設計です。ちなみに選手は当然のように実名ではなく、全くのオリジナルです。(一部、実在する選手に似た名前の選手も出場しますが)

試合のシーンは初代ファミコンの「サッカー」よりちょっと良くなった程度です。しかし、これが見ていてなかなか楽しく、妄想力……じゃないや、想像力がある人なら、この記号のような存在に個性や思い入れが生まれてきます。「こいつは、シュートなかなか打たないな」とか「守備のときのヘディング強い!」というような、能力値だけでははかりきれない、選手それぞれへの感想を持つようになります。

ちなみに試合中に行えるのは、メンバーチェンジ・フォーメーションチェンジ(2種類)くらいです。また、試合前及びハーフ前には、前線とディフェンスラインの位置・マークする選手・攻撃意欲(上・中・下)の3種類を決めることができます。

このゲームの楽しさは先ほどのカードや思い入れにもあるのですが、一番褒められるべきはグラフィックではないリアルさの部分です。能力+チームメイトが同じチームでプレイする回数によって、最初はぼろぼろだったチームが(フレッシュリーグの時に、ディブジョン1と対戦すると、2桁得点差で負けることとか普通にあります)、少しづつ上手になってくる。なんとか昇格をして、次のリーグにいくと苦戦の連続……。実際のサッカーリーグのようなレベルバランスになっています。

1試合は10分程度で、ついつい後1試合と遊んだり、スペシャルメニューを探したりとかしていると、あっという間に時間がたってしまいます。普通に遊んでいると 1〜2シーズンで上のリーグにすすめると思います。

とにかく美麗なグラフィックとは無縁ですが、サッカーやシミュレーション好きなどには、オススメできる逸品です。最後に興味がある人にいくつかアドバイス。

・フレッシュリーグのうちに、親善試合を積極的に行って、練習をしていきましょう。試合日程が楽なのはこのリーグだけです。また試合でメインで使う選手・サブで使う選手をある程度見極めておきましょう。

・各ポジションで重視される能力は以下の通りです。
 GK:ジャンプ・スピード・キック
 DF:スタミナ・ジャンプ・メンタル
 MF:テクニック・スピード・キック
 FW:キック・ジャンプ・テクニック
ちなみにどのポジションでも「フィジカル」は非常に大切です。

・スペシャルメニューで使えるものは結構限られてきます。早めにそれらを見つけましょう(まぁ攻略サイト使わない方が面白いとは思うが)

・ステップリーグに上がってからがこのゲームの本番です。とにかく日程が厳しいので、怪我になる可能性が非常に高いです。強い11人を育てるのではなく、強い22人を育てる必要があります。じゃないと、シーズン後半、怪我人続出で試合になりません。

・とはいっても、なるべく選手を変えないほうが連携が上手になります。新しい選手をとるにしてもシーズンに2、3人程度が良いかと思います。最初は能力以上に、連携が重視されているような気がします。

まぁ、いろいろ書きましたが、自分なりの戦術を見つけるのもこのゲームの楽しさです。グラフィックにとらわれない体験をぜひしてみてください。改善希望の部分はいくつかありますが、長く遊べて、他の人に自分のチームの事を話したくなる一本です。
《りゅか》
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