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【女の子もゲームしよう】第24回 楽しい電車の世界へようこそ!…てっ、鉄道会社経営ですか?

「社長ご就任、おめでとうございます!」

任天堂 DS
「社長ご就任、おめでとうございます!」



というわけで、『A列車で行こうDS』というゲームで突然鉄道会社経営者になってしまいました。『A列車で行こうDS』は鉄道を引くことで街を発展させていくゲームです。現実世界では電車で行く先々に有名なスポットがあり街がにぎわっていますが、それを自身が鉄道会社経営者となって実現させていくのが目標です。旅客鉄道以外にも、資材を運ぶ貨物列車やトラック、街の人を運ぶバスを走らせたりすることもできます。経営面では子会社経営や株式なども出てくるのでやりこみ要素が盛りだくさん!

状況に合わせた丁寧で詳しい説明を元にチュートリアルをクリアした後、軽い気持ちで素朴な街を発展させよう!と思っていたのに、電車を走らせても走らせても大赤字!

困り果てた新米経営者の私は、インサイド連載でもおなじみのIT&鉄道ライター杉山淳一氏に上手く鉄道会社を経営をするコツを聞きにいってきました!お会いしてみると、恰幅よくほんのり日焼けした肌とハツラツとした声、まさに先輩社長という感じです。


■『A列車で行こうDS』はどんなゲーム?待っているのは3つの楽しみ方!

―――本日はよろしくお願いします!

杉山:よろしくお願いします!!

―――長年プレイされている杉山さんですが『A列車で行こうDS』とはどんなゲームと感じていらっしゃいますか?

杉山:楽しいゲームです。

(一同笑)

―――私は初めて『A列車で行こう』シリーズを手にとらせて頂いたんですが、事前にやったことのある友人に「どんなゲーム?」と聞いてみると「『シムシティ』の電車版っぽい」と言っていたのが印象的で。

杉山:大きく捉えると箱庭ゲーム(箱庭的世界を外から眺め、育成するタイプのシミュレーションゲーム)ですね。鉄道会社経営ということでは「経営ゲーム」とも呼べるし、あとは本当に鉄道が好きな人のための「鉄道ゲーム」でもある。「箱庭」「経営」「鉄道」の3つがうまくバランスしたゲームだと思うんです。


■楽しさは街が発展していくことにある!

―――しかし、『シムシティ』みたいな街づくりとは違うなと感じたんです。

杉山:そうですね。『シムシティ』はなんでもかんでも自分で決めないといけません。『A列車で行こうDS』は電車を引いて、資材も確保すると勝手にビルがどんどんできていったりだとか、小っちゃいビルがいきなりビルになっちゃったりだとか。

―――街が生きている……?

杉山:そうなんです。急に遊園地ができたりだとか、その自分が何もしていないのにパッと風景が変わっていったり。変化するのが楽しいと感じる人も多いと思います。


■鉄道が好きな人への細かいこだわり。

―――では、鉄道が大好き!って方が楽しむ所はどんな部分なんですか?

杉山:鉄道が大好きな人は、まずはダイヤを設定して“追い越し”をやってみたりとか、それから2つの地点の間にどれだけ電車が入れられるかを楽しむことができると思います。僕も前に記事で書かせてもらっているんですが、さまざまな電車の走らせ方があります。気にならない人は駅2つ+電車1つの単線で充分に街は発展していきますよ。

―――私もそのやり方で線路を引いています。

杉山:それでも街づくり的にはぜんぜんかまわないんですよ。だけど鉄道ファンだとそれだと寂しいので(笑)やっぱり複線にして、最後のところにはバッテンのポイントを作って…

―――あぁ!カシャーンってなるやつですね!(手を線路に見立てて実演する)

杉山:そう、そう!あれをやりたくなっちゃうんですよね。

―――そういえば、チュートリアルが終わると乗り物から街の風景が見えるのが面白くて。

杉山:やっぱあれはいいですね〜、「乗れる」ってところが。好きな方向を向くこともホームに立って電車を眺めることもできるし。意外とね〜朝焼けとか綺麗なんですよ。雲の色が下半分だけ赤いとかよくできてるんですよ。細かくてすごい。

―――進めていくと、地下鉄も走らせることができるそうですね。

杉山:そうそう、トンネルも作ることができるようになるんです。トンネルに入る時とか、出る時はホワイトアウトをしてから目が慣れていくように風景が見えたりするんです。これがまた細かく作られていて。まだまだ先のマップですが、新幹線開通イベントも待っているので楽しみにしていてください(笑)


■満員電車は何故なくならない?経営者として考えよう!

―――簡単なチュートリアルマップを抜けて、普通のマップになると電車などを走らせても赤字経営が続いてしまって……まず基本のホームとレールの引き方を教えていただけますか。

杉山:1番初心者向けなのは2つのホームの間に1両の電車、これで充分だと思います。バスやトラックも設定が複雑と感じたら、始めは一直線の道路に停車位置を2つ作って走らせるので充分です。

次には貨物列車を考えないといけないと思うんですよね。実際開発を進めるには資材がとても重要になってきますから。その資材を運ぶ貨物列車もまずは2点間に貨物列車1両を走らせるので充分だと思います。資材を作る工場の位置が駅と近ければ、1コ1コ駅を作るとお金も土地も勿体無いので、じゃあこの駅をホーム2本にして片方を旅客、もう一方を貨物用にするのがいいと思います。

―――ホームの種類に値段の安いほうから「簡易」「跨線橋付き」「屋根付き」とあるんですがこれはどう違うんですか?

杉山:あれは雰囲気です(笑)都会っぽい雰囲気にしたかったら屋根付きにすればいいですし。

―――私の場合、いいものはいいものだとばっかり…。イキナリ屋根付きばかり作っちゃいました。

杉山:ホームはあまり変わらないんですけど、「簡易駅」「駅舎」といった駅の種類で街が発展するようになってるんです。一番カッコイイ「駅ビル」は特に発展しやすいですが、建設費用もかかっちゃいますよ。

―――なるほど、だから一番簡単なマップで何十億円の赤字とかやってしまったんですね…。クリアするまでに随分時間がかかりました(汗

杉山:なるほど(笑)駅ビルをつくるには資材が必要ですから、まず資材置き場を作って資材を運んでからのほうがいいと思います。まずは簡易駅か駅舎から始めましょう。資材がたまって利用者が増えてきたら駅ビルという順序ですね。利用者が多ければ多いほど駅自体が儲けてくれるので。だからバランスが大事ですね。

―――次に乗車人数の見極めを知りたくて。満員マークがついてしまった時の対処の仕方などはありますか?

杉山:満員になっているってことは実はあんまり困ったことじゃないんですよ。「あ〜乗ってる人が辛いんだな」ぐらいで。

―――そうだったんですか!

杉山:まぁ気をつけないといけないのは経営者としてみると“もっと乗れるのに積み残した人がいる”ってことなんです。例えば200人乗れる電車で満員の時は400人まで乗れる電車があるとします。満員マークがついちゃったとしたら、400人以上が待っていたということですよね、本当はその人たちを乗せてあげたら切符代が入るのにと考えると…。まさに「機会損失」ですね。そうなると僕が第3回でやったように、次の電車がくるようにしたりすることが大切になります。

―――私がよく利用する電車も満員電車がすごいんですが、経営者の立場になるとなるほどっと思いますね。

杉山:このゲームだと、積み残しっていうのはダメっていうことじゃないけどもったいないですね。みんなのために座らせてあげようなんて経営をしているとお金が入らないですから。ここは鬼になってください(笑)現実世界だと乗客に嫌われ、監督官庁から指導を受けてしまいますけど。

―――電車を走らせる時間も設定できますが、これは現実世界とほぼ一緒だと考えていいでしょうか

杉山:そうですね、大体どの私鉄も5時から出発して23時に終電という感じだと思いますけど、田舎だと7時発だったりもっと短かったします。僕はいつも6時出発の24時までにしています。

―――それは貨物列車も一緒ですか?

杉山:貨物は実際の運行でも深夜に走っていたりするじゃないですか。資材が足りない時には夜も走らせて、あまっているような時はとめちゃいましょう。無駄に走らせるとまたお金が減っていきます。

―――1番戸惑ったのが、丁寧に説明してくれる秘書のオネェさんが「時には見守ることも大事ですよ」と言うのですが、安定してくると早送りにしてずっと見ている形になると思うんです。この時に見守るポイントというのはありますか?

杉山:見てるだけでも街が発展していって楽しいと思うんですけど、そんな時は将来どこまで線路を伸ばそうかなとか、もっと街のすみっこまでずーっと見に行って、ここにまた新しい駅を作れば街が作れそうだなとか、この駅とこの駅を繋ぐ時はトンネルを作らないといけなさそうだなとか、さらには地下鉄を引いてみようかとか、将来設計をしたほうがいいですね。あとは子会社を持っている場合は子会社の経営状況をチェックして、ムダなことをしている子会社があったら経費を節約したりするのがいいと思います。

―――経営感覚も身についていきそうですね。

杉山:そうですね。無駄なことやってるとクリアも遠いですからね。僕がやっているマップは新幹線を走らせないといけないんですけど、新幹線を走らせるのにざっくり1,000億かかるんですよ。

―――1,000億?!

杉山:だからお金をためなきゃいけないんです。それも大変ですが、どんどん街が発展してしまっていると線路がひけないのでビルを壊さなきゃいけないんです。撤去にもお金がとてもかかりますから、そういう点でも将来設計が大事ですね。いかにクリアの目標のために先読みができるかがポイントですね。

―――そのうち、スタンプラリーなどのプランを立てることができますが、これは儲かる!というのはありますか?

杉山:“車内広告”と“ツアー”がいいと思います。列車が走っているマップなら、車内広告は500万円の投資で億円単位の収入になりますし、ツアー企画は旅客数をアップさせます。つまり収入が増えるんです。期間が終わってもしばらく続きますよ。

―――なるほど。やはり電車をうまく活用した企画が大切そうですね。あとは街の人口や資材とのバランス感覚。

杉山:今回言ったことを押さえておけば基本は大丈夫だと思います。

―――ありがとうございました!頑張って黒字経営で街を発展させたいと思います!

杉山:頑張ってください!


■オマケ 予想外に意気投合!乗ってみたい電車は?

―――電車好きにも色んなジャンルの方がいると思うんですが、ちょっと憧れるんですよね。

杉山:えぇ?!憧れるんですか!(笑)

―――知る機会が無かったというか、寝台車や新幹線など特別なものに乗るのは人並みに好きなんですが、こんなに日常で電車に接しているのに普段の電車のいいところはスルーしちゃうのは何でなんだろうって!

杉山:あ〜!なるほどね!ご案内しましょうか?でも「こっち側」は大変ですよ深くて。僕は乗るのが大好きなので日本全国の路線全部に乗ろうと思ってるんですよ。今のところ8割乗っているんです。全線乗車っていう、「おとなの」遊び。

(一同笑)

―――全制覇はすごいですね!そうそう私一生のうちに一度乗ってみたい電車があるんです。スリランカの山を登る機関車で…

杉山:ダージリン鉄道!!乗ってみたいですね〜!あれ歩いて追いつけるんですよね、すごいゆっくりですから。

―――あれに乗って降りた先で、ぜひダージリンティーを飲みたいんです(笑)身近なところで言うと、何かオススメの電車はありますか?

杉山:ビュンビュン走るやつがいいのか、それともトコトコ可愛い電車が好きですか?

―――えぇっ?!可愛い電車というものが存在するんですか?

杉山:こっから近いところだと世田谷線というのが2両連結でトコトコ走っていて、三軒茶屋駅舎も可愛いですよ……あ、これです。

(WEB掲載の写真をいろいろ見る)

―――わっ、可愛いい!色んな色もあって…レゴみたい!


鉄道経営のゲームということもあり、詳しくない私が聞いてもポカーンとなってしまうかと思ったんですが身近にある乗りものにまつわる話を聞けて大興奮のインタビューでした!意気投合して、インタビューが終わってからも編集者さんと3人で乗り物話をしてしまいました。『A列車で行こうDS』で電車運行や沿線設計が少し理解できると、いつもの電車も違って見えるかも!

■著者紹介

石橋 加奈子
1986年12月11日生まれ。A型。何事にも興味を持ち、吸収するのスタンスで2007年からジャンルを問わずフリーライターとして活動。ゲームに関してはハマりやすく飽きっぽいが、周りの英才教育のおかげでアーマードコアや、ギルティギアなどにも手を出して楽しんでいる。他の趣味はジャズ、写真、インターネット。
ブログ/心具港:http://ameblo.jp/think-port/
《きゃんこ》
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