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【E3 2009】MSプレスカンファレンス詳報・・・ビートルズ登場、新作連発、新コントローラー

■音楽界の伝説が登壇した!

ゲームビジネス その他
【E3 2009】MSプレスカンファレンス詳報・・・ビートルズ登場、新作連発、新コントローラー
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■音楽界の伝説が登壇した!

マイクロソフトのメディア向け説明会「Xbox 360 E309 Media Briefing」は、懐かしいビートルズのサウンドとトゥーンレンダリングで描かれた、伝説の4人組のCGアニメーションの上映から始まりました。続いて紹介されたのが、欧米で大ヒット中の音楽ゲーム「ロックバンド」シリーズの最新作『The Beatles: Rock Band』です。

ゲームは『Rock Band』シリーズをベースにした音楽ゲームで、ギター、ベース、ドラム、マイクでバンドを組んでセッションが楽しめます(マイクはハモリ用に3パートも用意されているこだわりよう!)。収録曲は45曲で、初期から後期まで、おなじみの名曲が幅広く収録されています。楽器コントローラーも、ビートルズのメンバーが実際に用いたモデルをモチーフとしたものです。

さらに今回初めて、楽曲の追加ダウンロードも可能になり、1stダウンロードアルバム「アビーロード」、2ndダウンロードアルバム「All You Need is Love」があわせて発表されました。本作はマルチプラットフォームタイトルですが、このうち後者はXbox360版だけに独占配信されます。さらに「All You Need is Love」配信分に関する全収益金は「国境なき医師団」に全額寄付されるとのことです。

開発スタジオのハーモニクスによるデモセッションが終了すると、スペシャルゲストが登場しました。まず故ジョン・レノン氏の妻であるヨーコ・オノ・レオンさんと、同じく故ジョージ・ハリスン氏の妻オリビア・ハリソンさんが登壇。続いてポール・マッカートニー氏とリンゴ・スター氏が登壇。リンゴ氏は「あのゲームの中の俺たちの変な動きを見たかい?」などと皮肉りながら、そのじつ嬉しそうな様子。マッカートニー氏は「ゲームを楽しんでください」と挨拶し、エアギターのパフォーマンスもかいま見せながら退場。会場はスタンディングオベーションに包まれました。



ここで登壇したのが昨年のE3、そして東京ゲームショウでも基調講演を勤めた、マイクロソフト上級副社長ジョン・シェパード氏です。氏は世界同時不況が吹き荒れる中、「不況の時ほど人は娯楽を求める」として、10本の新作ゲーム(実際には10作+α)と、新しいソーシャルネットワーク体験を紹介すると切り出しました。



まずプロスケードボーダーのトニー・ホーク氏が登壇し、新作『Tony Hawk:RIDE』を自らプレゼンしました。本作の最大の特徴は、新しくデザインされた専用スケードボード型コントローラー。フルモーションセンサー技術を搭載、実際にコントローラーを床に置いてプレイヤーが載り、体を動かしてバランスを取ったり、片足で床を蹴るようにして進んだりできる、というものです。その場でジャンプするなどして、派手なトリックを決めることもできます。



続いて紹介されたのが、注目度満点のFPS『Call of DutyR 4:Modern Warfare 2』です。氷壁を両手のピッケルをふるって登坂したり、クレパスをジャンプして乗り越えたりする様は迫力十分。次第に画面が氷結して見にくくなる様まで再現されています。デモプレーではその後、ある飛行場に潜入。敵兵に見つからないように潜入工作を行っていくのですが、アクシデントで発見され、激しい銃撃戦に。レーダーで周囲の敵の配置が分かる標準モードと、照準器で遠方の敵を攻撃する照準モードを切り替えながら、周囲の敵をなぎ倒していきます。続いてスノーモービルを奪って、レースゲームさながらの逃走シーン。前作がFPSとして史上最高の売上を記録しただけあって、非常に力の入った内容でした。



ここで壇上にはスクウェア・エニックスの北瀬佳範氏と鳥山求氏が現れ、『ファイナルファンタジーXIII』の紹介に移りました。周知の通り日本ではPS3オンリーですが、海外ではXbox360版の発売も予定され、北瀬氏がプロデューサー、鳥山氏がディレクターを勤めるタイトルです。北瀬氏は「FFシリーズは発売以来、全世界で累計8500万本を超える、世界で最も愛されたRPGの一つにまで成長した」と述べ、今日は全世界で初めて、召喚獣による攻撃シーンをお見せしたいと続けました。

さっそく鳥山氏が操作しての、中ボスキャラクターとの戦闘シーンとなり、北瀬氏は「ここで(アクティブタイムバトルの)タイムゲージが4本存在することに注目してください」と説明。アクティブゲージをたくさん蓄積するほど、強力な攻撃が繰り出せると述べ、召喚獣「オーディン」による攻撃を披露しました。これまでFFシリーズの召喚獣といえば、ムービーやカットシーンによる派手なCGがつきものでしたが、本作では召喚されたオーディンが、そのままパーティメンバーのように一緒に攻撃するなど、カットシーンからゲームへのシームレスな展開が見られました。またオーディンの全長も人間の1.5倍程度といったところで、これまでにない召喚バトルが楽しめそうです。発売日については2010年の春頃と述べられ、PS3版との同時期発売をにおわせました。



■Xbox360専用タイトルが続々と登場

さて、ここまではマルチプラットフォームタイトルでしたが、「ここからはXbox360専用タイトルになります」とシェパード氏は続けます。その第1弾が「アンリアルエンジン」そして『ギアーズ・オブ・ウォー』でおなじみの、エピックゲームズ開発による横スクロールアクション『Shadow Complex』です。ベストセラー小説「Empire」(オーソン・スコット・カード)の世界観で展開するオリジナルストーリーで、単なる2Dではなく、奥行きを持った2.5Dゲームといった内容です。操作系もスティックで画面上をポイントした地点をキャラクターが攻撃するといった、かなりユニークな内容と見受けられました。Xbox Liveアーケード専用タイトルとなります。



同じくXbox Liveアーケードで配信されるカジュアルレースゲームが『Joy Ride』です Xbox Liveのアバターを登場させられるレースゲームで、友達と一緒にトラックを暴走して、大ジャンプや宙返りなどを決めて、報酬を獲得していきます。しかもなんと無料配信! 好きな車を設計したり、新たなトラックやゲームモード、アバターアイテムを購入することも可能です。購入したレーストラックやゲームモードは、仲間と共有することもできます。



続いてのタイトルは『Crackdown』(日本版タイトル名:ライオットアクト) の続編『Crackdown2』です。「グランド・セフト・オート」シリーズの「生みの親」たちが製作したオープンフィールド型アクションゲームで、「2」では主人公は仲間と共に、再び前作の舞台であるパシフィックシティに帰ってきます。

これらはマイクロソフト販売のタイトルでしたが、サードパーティの専用タイトルとして会場を驚かせたのが、バルブの『Left 4 Dead 2』でした。『1』が昨年発売されたばかりで、非常に高い評価を得たホラーゲームだけに、個人的も驚かされました。ゲームはゾンビの集団に襲われながら、生き残った4名のうち1名となって脱出をめざすもので、『2』ではジョージア州サバンナからニューオリンズ州のフレンチクオーターまで、ゾンビを退けながらの旅が楽しめます。もう一つ驚かされたのは、リアル指向のグラフィックから一転して、トゥーンレンダリングのカジュアルな絵柄(でも血しぶきの量は同じ!)で、『1』同様に高い注目を集めるのは間違いなさそうです。

同じくサードパーティのAAA級タイトルで、今年のE3でも有数の話題作がUBIの『Tom Clancy’s Splinter Cell Conviction』。今作ではシリーズでおなじみの主人公で、アメリカ国家安全保障局のエージェント、サム・フィッシャーが裏切り者となり、潜入工作の過程でテロリストの陰謀を暴き出すという内容です。今作の特徴は「アサシンクリード」ばりに建物に張り付き、よじ登れるだけでなく、窓ガラスから中に入って、建物の中でもステージが続くこと。グラフィックも非常に写実的で、筆者など思わずサム・フィッシャーが俳優のジョージ・クルーニーかと見間違えてしまいました。スニーキングアクションの新しいベンチマークになりそうです。

続いてのタイトルは、リアル系ドライブゲームの最高峰の一つ『Forza Motorsport3』です。単にグラフィックや挙動がリアルなだけでなく、前作『2』は自由にペイントできる機能を搭載し、日本でも「痛車」ブームを巻き起こしたのは記憶に新しいところ。もちろんペイント機能は健在で、さらにツール部分がパワーアップしている印象を受けました。有名サーキットや美しいストリートコースが100種類以上用意され、収録車数も400種類以上。さらに「3」の特徴として、プレイヤーの操作上の癖がオートで学習されていき、AIドライバーに蓄積されていく機能が盛り込まれているとのこと。さらに初心者向けにブレーキやハンドリングアシスト機能も搭載されました。



おなじみ『Halo』シリーズのスピンアウト作品も発表されました。新作FPS『Halo3:ODST』と、Haloトリロジーの前作にあたる『Halo:Reach』です。前者ではプレイヤーは軌道降下特殊部隊ODSTの隊員となり、『Halo3』のサイドストーリー的なキャンペーンが体験できます。このほか3つのマルチプレー用マップに加え、最大4人のプレーヤーが協力して遊ぶ「ファイナルファイト」モードも収録されました。さらに購入者にはもれなく、『Halo:Reach』マルチプレーヤーβテストへの参加権も得ることができます。



そして最後となるのが、時間の進行を遅らせる「バレットタイム」という新システムを初めて搭載した3Dシューティング『Max Payne』シリーズの開発陣による新作サイコスリラーアクション『Alan Wake』です。プレーヤーは幻想と現実の交錯する悪夢の世界の中で、「光」を武器に闇に立ち向かっていくことになります。

■コントローラーを使わないゲーム構想とは?

さて、ここまでですでにお腹一杯ですが、真骨頂はこれからでした。マイクロソフトでXbox事業を統括するドン・マトリック氏が登壇し、ネットワークサービスについて語り始めたのです。

まずはXbox Liveの映像配信サービス、ビデオマーケットプレースの拡張で、今秋からZune Videoで提供されている映画やテレビ番組が1080pの高画質で楽しめるようになる、などです。もっとも、これらは日本ではサービスが行われていないため、割愛しましょう。続いてCBS Interactive Music Group が提供するインターネットラジオ、Last.fmがXbox Liveゴールドメンバーなら無料で楽しめるようになりました。そして極めつけが、世界最大級のSNS「Facebook」と、急成長しているソーシャルコミュニケーションサービス「Twitter」がXbox Liveでもリンクされるようになります。Facebook Connectを使えば、対応ゲームのスクリーンショットなども手軽に公開できるのです。WiiやPS3が独自のコミュニティ機能を指向する中、PCとの親和性が高いXbox360ならではのコミュニティ機能だといえるでしょう。



いよいよこれで最後かと思いきや、今度はマトリック氏とシェパード氏の背後に、細身の男性がスニーキング……。そうです。ティザーサイトが公開されて話題を集めていた、コナミデジタルエンタテインメントの小島秀夫氏の最新作『METAL GEAR SOLID RISING』がXbox360で発売されることが発表されたのです。画面上には『METAL GEAR SOLID』シリーズの人気キャラクター、雷電が大きく表示され、彼が主人公であることをにおわせる一方で、Xbox360のキャッチフレーズ「Jump in!」にかけて「Snake in!」というフレーズも表示。さらなる謎を提示した形で、ますます期待が高まりそうです。



そして最後に発表されたのが、これまでにないゲーム体験を提供する「Project Natal」構想です。これはRGB カメラ、深度センサー、マルチアレイマイクロフォン、および専用ソフトウェアを走らせるカスタムプロセッサを内蔵したセンサーバーで、プレーヤーの全身の動きをキャプチャしたり、音声解析を用いて、コントローラーに触れることなくゲームが楽しめるというもの。同じようなコンセプトのデバイスにPSフォーマットの「eye toy」がありますが、Natalが大きく異なるのは、プレイヤーの輪郭ではなく、総合的な動きをキャプチャし、明るさにも依存しない点です。顔を見るだけでユーザーを認識し、キーワードではなく、ユーザーが発した言葉の意味を理解して実行させられるとしています。Xbox LIVE にサインインするときもセンサーの前に立つだけで行えます。



ここで壇上に、映画監督でプロデューサーのスティーブン・スピルバーグ氏が登壇し、会場は再びスタンディグオベーションに包まれました。スピルバーグ氏は「手首だけじゃなく、全身を使ってコントロールできる」とNatalを評価し、インタラクティブエンターテインメントの次のステップはコントローラーをなくすことで、「映画館がアイマックスシアターになったことに匹敵する進化だ」と称しました。スピルバーグ氏はWiiでEAから発売されたアクションパズル「ブームブロックス」の製作に携わった経緯もあり、自身が並々ならぬゲーマーだとも自称するだけに、重みが感じられます。

続いて『フェイブル』シリーズなどで著名なゲームクリエイター、ピーター・モリニュー氏が登壇し、現在開発中のプロトタイプのムービーを紹介しました。これは画面の中にいる少年キャラクターと、実際に会話したり、身振りでコミュニケーションがとれるというもので、音声解析に加えて唇の動きを画像認識で解析することで、会話の認識率を高めています。またプレイヤーが画面の前で描いたイラストを画面に差し出すと、画面内に転送されたり、プレイヤーが湖畔に身を乗り出して手を動かすと、水面がゆらぐといった様子も放映されました。モリニュー氏曰く「20年来、本当に作りたかったゲームがやっと実現できる」と語ったほどで、ライオンヘッドの社歴にNatal専用ゲームが加わるのは確実でしょう。



このように終わってみれば2時間弱という長丁場となった今年のマイクロソフトのメディアブリーフィング。その内容はソフトの充実ぶりだけでなく、ゲストスターが多数登場するという、華々しいものとなりました。個人的も生でポール・マッカートニーとリンゴ・スターを見られたのは、人生の中で1,2位を争うサプライズ経験でした。一昨年、昨年と規模を縮小し、瞑想を続けた感もあるE3でしたが、プレスカンファレンスの一番手として、そうしたイメージを払拭する、優れた業界の広告塔の役割を果たした。そんな印象すら受ける内容でした。

そんな中で唯一の問題といえば、今回発表されたタイトルやサービスのうち、多くが日本で発売/開始時期未定なこと。なにしろ大作RPG『マスエフェクト』の日本語版発売を約2年ごしに実施したマイクロソフトですから、ゲーマーの真摯な思いは必ず届くはず。期待して待ちたいところですね。
《小野憲史》
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