コンシューマ用ゲームソフト事業について、コンソールとハンドヘルドの割合や、各プラットフォーム毎の優先順位の考え方、ここ半年くらいで変更点があるかどうかも踏まえて教えてください
変更点は全くありません。国内向けか、海外向けタイトルかという点で切り分けます。海外向けタイトルで当社の有力なタイトルは、映像がやはり非常に綺麗です。PS3、Xbox 360、PCの3 つのプラットフォームで開発できるゲームを海外で出していきます。国内については、やはりハードではWiiの普及台数が多いので、Wii向けも積極的に対応しなければと考えております。但し、ゲームの質や特性を考えて開発する必要がありますので、かなり慎重に、毎月タイトルラインアップを少しずつ修正しております。従って、方針の大きな変更はなく、やはりマルチプラットフォームを推進していきます。これは、常に申しあげているように、当社は良いコンテンツがあるので、そのコンテンツを収益性の高い領域に適切に投入する、というのをコンセプトにしています。
アミューズメント施設不振の要因はWii などが大きいのでしょうか
(1) 昔、アミューズメント施設市場でキラーコンテンツと言いますか、カードゲームを目的に子供達が多数来店しましたが、これは数年前になります。今はこのようなキラーコンテンツがありません。
(2) 加えて、現在は子供達が家庭用ゲームで遊んでおり、家庭用ゲームのマーケット環境が良い状況のため、子供達だけでなく大人もゲームを購入している状況が大きな要因となっています。これは過去のトレンドからもわかるのですが、PS1やPS2が発売された時のようにプラットフォームが変わる時には、数年程度は家庭用ゲームが良くてアミューズメント施設が悪い時期が続きます。従って、マーケットの環境や潮目が変われば、またお客様が戻ってくることが考えられますので、その点を注意深く見極めてまいります。またもう一回店舗施策を見直し採算性を見極めたうえで、スクラップアンドビルドを行っていくのが当社の戦略です。
また、映画「ストリートファイター」への出資については次のようにコメントしています。
我々は映画会社ではないので、映画に大規模な出資をするつもりは全くありません。ゲームと映画のコラボレーションがそもそもの趣旨です。日本では昨年11 月に公開した「バイオハザード?」は成功しました。公開時に「バイオハザード・アンブ レラクロニクルズ」を発売したので相乗的に出荷本数が増加しました。今回、「ストリートファイター」の映画製作にあたっては、当 然「ストリートファイター」のゲームの発売を念頭においておりますので、ゲームとどのようにコラボレーションしていくかを考えています。この中で今回「ストリートファイター」の出資を決定しました。
アミューズメント施設の新規出店については他社が退店を進める中で条件交渉はしやすくなっている状況だそうです。カプコンでは40店舗を大規模店を中心に展開していて、不採算店についてはスクラップ&ビルド戦略で数店ずつ閉めていく事も考えているものの、基本的には商材などの見直しでてこ入れしていくということです。
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