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Shoot It! - #044 CRYSISに日本語版が登場、新しいチーム戦はおもしろいぞ!

『クライシス(CRYSIS)』という3Dシューティングゲームが注目を集めています。クライシスは美しい画像が高く評価された『ファークライ』を作ったCryTek社の第2作目です。

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クライシス 完全日本語版
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『クライシス(CRYSIS)』という3Dシューティングゲームが注目を集めています。クライシスは美しい画像が高く評価された『ファークライ』を作ったCryTek社の第2作目です。

独自のゲームエンジン"CryEngine"が2.0へとバージョンアップしたこともあり、PCシューティングゲーム最高のグラフィックになると期待が高まりました。マイクロソフト社のゲーム技術"DirectX 10"に対応したことから、マイクロソフトは「WindowsVistaで体験できるPCゲームの代表作」として紹介しています。また、画像面で開発に協力したNVIDIAも新しいビデオカードのプロモーションに起用しています。マイクロソフトやNVIDIAのイベントレポートや広告で『クライシス』を知ったという方も多いのではないでしょうか。

確かに『クライシス』の映像は美麗です。PCゲームの高精細なグラフィックは、Xbox360やPS3の比ではありません。高性能なPCやビデオカードが必要ですから、投資額もテレビゲーム機の比ではありません。『クライシス』の映像はPCゲームファンなら体験すべきです。「高性能なPCを持っていて良かった」そんなPCゲームファンのプライドをくすぐるゲームだと言えそうです。DirectX10世代のビデオカードも価格が安くなってきたので、クライシスを遊ぶためにビデオカードを買い換えるという判断も正しいでしょう。

しかし、グラフィックだけがゲームの面白さを決めるわけではありません。クライシスはゲームですから、「プレイしておもしろいかどうか」が重要です。ハーフライフ2が高く評価された理由は、ゲームエンジンである"Source Engine"が評価されただけではありません。ゲームそのものが良かった。ストーリーや"Source Engine"の物理作用を活かしたリアリティの演出、ギミックなどの要素が斬新で、ラストまで楽しめたからです。その証拠に、同じ"Source Engine"を使った『カウンターストライク・ソース』が世に出てからも、数々の世界大会で『カウンターストライク1.6』が採用されていました。ゲームではグラフィックが良ければ良作とは限りません。

さて、クライシスはグラフィック面の評判ばかり先行したため、逆にゲームの面白さが目立たなくなっているように感じます。しかし、クライシスはおもしろい。決してグラフィック頼みのゲームではありません。ナノスーツという革新的なアイテム、北朝鮮対アメリカというセンセーショナルな設定、VTOL機や対空戦車などの強力な兵器の登場などの新しいアイデアによって、シングルプレイもマルチプレイも楽しめます。とくにマルチプレイの"パワーストラグル"モードが良くできています。『バトルフィールド』シリーズのような制圧戦ですが、さらにルールが複雑になって戦略性が増しています。

"パワーストラグル"は最大16人対16人のチーム戦です。勝利条件は"敵の司令部の破壊"、"大量破壊兵器の製造"、"試作工場の制圧"、"兵器工場の制圧"、"エネルギーサイトの確保"などです。マップ上には勝利条件となる建物のほかに、"バンカー"という再出現ポイントがあります。バンカーを制圧すればより敵司令部に近い場所から再出撃できます。軍事工場を制圧すれば戦車や対空戦車、VTOL機などを製造できます。試作工場を制圧すると核弾頭ランチャーや冷凍銃などの強力な特殊兵器を製造できます。だだし、試作工場で兵器を作るためには、エネルギーサイトを制圧してエネルギーを貯める必要があります。司令部は自動防御兵器で守られており、破壊するためには強力な兵器が必要です。このように、戦場の各施設は相関関係を持っており、合わせて制圧すれば有利です。

施設に潜入し、一定時間を超えると制圧できます。バンカーやエネルギーサイトは開放的な施設で隠れる場所がなく、防御が難しい施設です。これに対して工場は建物内に潜伏できるため、防御しやすく攻撃しにくい施設です。マップの勝利条件をクリアするためにはこれらの施設を制圧し、維持し続ける必要があります。マップは広大ですが、実際の戦闘は施設の制圧を巡る局地戦になります。どの施設もひとりでは守れません。ひとりで守っていても、複数で攻め込まれたら防ぎ切れません。そこで、ひとつの施設を少なくともふたり、できれば3人から5人で守りたいところです。

しかし、"パワーストラグル"の最大チームメンバーは16人です。この人数設定によって、"パワーストラグル"はチームの配置に戦略が必要になります。例えば"Shore"というマップでは、バンカーが5つ、エネルギーサイトが3つ、兵器工場が3つ、試作工場がひとつ、合計12もの拠点がありますが、これに対してチームの最大メンバーは16人です。すべての拠点に二人以上の守備兵を配置するには人数が足りません。試作工場を稼働させるためにはエネルギーサイトも維持する必要があります。しかも、司令部攻撃シナリオでは攻撃部隊も必要です。"パワーストラグル"で勝利するためには、それぞれの施設に何人の兵を向けるかを決めた方がいいでしょう。"どの拠点を守り、どの拠点を捨てるか"を明確にするわけです。これが"ルールが複雑になって戦略性が増した"ということです。

この数日間、私が参加した"パワーストラグル"では"勝利者無し"で制限時間を迎えたゲームがいくつもありました。マップが広く施設が離れているため、プレーヤーたちも広範囲に散らばります。私が施設を制圧したとき、その場に留まって防衛すべきか、離れた場所にある敵の施設を奪いに行くべきか悩みました。誰も来ないかもしれない施設で敵の襲撃に備える。それも重要な任務だと解っているつもりでも、やはり銃声ない場所に長時間留まると寂しくなってきます。このときはリーダーが必要だと心から感じました。もし、作戦全体を見極めたリーダーが「お前はそこで施設を守れ」と言ってくれたら、走り出したい自分を抑えて冷静に任を務め、チームの勝利を確信できたことでしょう。

『バトルフィールド』のように32人対32人で対戦できたら、勝敗はチームメンバーの射撃スキルの差で簡単に決まったかもしれません。しかし、おそらく『クライシス』は、わざと16人対16人という枷をつくり、戦略の重要度を高めたのではないでしょうか。固定的で事前に作戦を立てられるチームが勝つ。このシステムは、クラン活動を嗜好するゲーマーにとってやりがいのあるゲームを実現させました。フリーでサーバに入った場合は、黙っていると何をすればいいのか解らなくなることがあります。ボイスチャットやテキストチャットで積極的にコミュニケーションし、自分が何をすべきかを探った方が良いでしょう。"パワーストラグル"はチームメンバーのコミュニケーションが勝利の鍵です。

私のゲーム用PCでは、1024×768ドット、アンチエイリアス4x、グラフィックの詳細設定をすべて中にして、ごくたまに画面が引っかかる程度でした。PCのスペックはPentium Extream Edition 3.2GHz、Geforce7950GT 512MB、RAM1GBです。最高画質にするためにはGeForce8000系にする必要がありそうです。このゲームを遊ぶためにビデオカードを購入するなら、GeForce7800、7900系でも大丈夫でしょう。チーム戦、クラン戦を好む人なら、ビデオカードを購入してでも遊ぶ価値はあると思います。

なお、『クライシス完全日本語版』の初回生産分には限定特典として「特殊車輌解除コード」が付属しています。こちらはオンライン対戦時のみに使える特殊車輌。通常の装甲車の能力、火力、スピードに加え、水域でも使える水陸両用装甲車(NKアンフィビュラスAPC)なので、行動範囲が広がり戦術的にもバリエーションが広がりそう。パッケージの購入を考えている人は、ぜひ初回生産分をゲットしてください。

(左)ヘッドショットで敵を一撃
(右)銃弾が貫通して壁に跡が残った


(左)開放的で守りにくいエネルギーサイト
(右)思わず見とれてしまう滝のグラフィック。水が絶え間なく落ちてくる


(左)兵器工場を制圧。建物内部の戦いになる
(右)対空戦車やVTOLが登場する


(左)マップは広く、兵が散らばる
(右)建物に侵入すると制圧行動開始


(左)広いマップなので乗り物が必須
(右)司令部攻撃に必要な戦車は兵器工場で入手できる

c 2007 Crytek. All Rights Reserved. Crytek, Crysis and CryENGINE are trademarks or registered trademarks of Crytek. EA and the EA logo are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. All other trademarks are the property of their respective owners.
《杉山淳一》
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