人生にゲームをプラスするメディア

アトラスの悪魔ヒロイン「ネミッサ」 可能性に満ちた透明さが魅力【僕たちのゲームヒロイン録】

さまざまなゲームに登場するヒロインの魅力をあらためて掘り下げる連載「僕たちのゲームヒロイン録」。第2回は『デビルサマナー ソウルハッカーズ』のネミッサを紹介します。

その他 特集
アトラスの悪魔ヒロイン「ネミッサ」  可能性に満ちた透明さが魅力【僕たちのゲームヒロイン録】
  • アトラスの悪魔ヒロイン「ネミッサ」  可能性に満ちた透明さが魅力【僕たちのゲームヒロイン録】
  • 左:自由闊達な奔放さが魅力のネミッサ
3DS『デビルサマナー ソウルハッカーズ』パッケージ(Amazon.co.jpより)
さまざまなゲームに登場するヒロインたちの魅力をあらためて掘り下げていく連載企画「僕たちのゲームヒロイン録」。第2回は、1997年にセガサターンで発売された『デビルサマナー ソウルハッカーズ』より、女悪魔のネミッサを紹介します。

どんな色にも染まりうる、雲のように自由なヒロイン。これが、筆者がネミッサに抱くイメージです。

真・女神転生』シリーズの派生作品である『デビルサマナー ソウルハッカーズ』のヒロイン・ネミッサは、主人公が手にしたガンタイプPCに封印されていた実体を持たない女悪魔です。彼の幼なじみであるヒトミに憑りつき、体を乗っ取ることでようやく自由を手にしたネミッサは、まずは自分を封印した何者かを探し出してボコボコにしようと……と書くと、あまりいい印象を抱かない人もいるかもしれません。まぁ、悪魔ですしね

ところが、主人公や彼が属するハッカー集団・スプーキーズの仲間たち、そして体を借りているヒトミの意識などと交流を重ねるうち、そんなネミッサにも少しずつ思いやりや仲間意識のようなものが芽生えていきます。

悪魔であるだけに魔法に長けていることもあり、ほどなくして駆け出しのデビルサマナー(悪魔召喚師)として戦いに身を投じる主人公の最高のパートナーとなっていくのでした。

彼女には上述した通り実体がないほか、使う魔法の系統すら未確定です。どのような魔法を習得するかは、ゲーム序盤でプレイヤーが選ぶ選択肢によって決まります。

また、2012年に発売された3DS移植版のパッケージイラストを見てみると、ネミッサの顔が見切れており、表情がうかがいしれないデザインになっているのが分かります。口元は笑みを浮かべていますが、はたして彼女はどのような表情でそうしているのでしょうか。

体を持たず、使える魔法すら決まっておらず、どのような表情をするかもこちらの想像に委ねられている(ゲーム中では彼女の表情も普通に描かれますが)。そんなネミッサは、主人公との出会いからどのようにでも変わりうる、さまざまな可能性を持つ存在であったともいえます。

彼女が人の心を学べたのは主人公たちが(アナーキーなハッカーであるとはいえ)人としてまっすぐな考え方をしていたからで、分かりやすい悪人と出会っていたら悪に染まっていたのではないか……そんなある種のピュアさのようなものも感じさせるのが、ネミッサというキャラクターなのです。

本作は物語や結末に分岐はなく基本的に一本道ですが、本家の『真・女神転生』シリーズは主人公の選択によって所属する組織や物語の展開が大きく変わるのが魅力の一つです。そんなシリーズから派生した作品のヒロインとして、ネミッサの描かれ方は実に順当で、この上なく魅力的だったとあらためて感じました。

最後に余談ですが、本作は今日でもしばしば「昨今のインターネット社会の在り様を鋭く予見していたゲーム」として話題に挙がります。物語のキーパーソンの1人である若き社長・門倉が、今のネット社会(の一面)にもピタリとあてはまってしまうような物言いをするシーンがあるからです。

本作が発売された1997年は、ダイヤルアップ接続定額サービスのテレホーダイが始まってまだ2年ほどの頃。言い換えれば、インターネット環境がまだまだ一般家庭に普及しきっていなかった時代です(少なくとも、当時自宅住まいの学生だった筆者にはまだネット環境はありませんでした)。

もし、今後初めて『ソウルハッカーズ』をプレイされる方がいましたら、そんな当時の世相も頭の隅に置いてもらえると本作がいかに慧眼であったかがより深く感じられるのではと思います!

《蚩尤》

汎用性あるザク系ライター(が目標) 蚩尤

1979年生まれのファミコン直撃世代。スマホゲームもインディーズも大型タイトルも遊びますが、自分と組ませてしまって申し訳ないという気持ちやエイミングのドヘタさなどからチーム制のPvPやFPS、バトロワが不得手です。寄る年波…! ゲームの紹介記事に企画記事・ビジネス寄りの記事のほか、アニメなど他業種の記事もやれそうだと判断した案件はなんでも請けています。任天堂『ガールズモード』シリーズの新作待機勢。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

その他 アクセスランキング

  1. 神秘的な海のロマンあふれるおすすめゲーム5選―美しくも厳しい海中世界を大冒険しよう!

    神秘的な海のロマンあふれるおすすめゲーム5選―美しくも厳しい海中世界を大冒険しよう!

  2. 【特集】ゲームを遊びながら食べるのにピッタリなお菓子11選、最強の“ゲームおやつ”は…!

    【特集】ゲームを遊びながら食べるのにピッタリなお菓子11選、最強の“ゲームおやつ”は…!

  3. 【Amazonセール】GWは大容量HDDと超高速SSDでどこでもゲーム三昧!高耐久に優れた安心安全のWD製品が安くてお得

  4. 【特集】『良作フリーゲーム』10選―無料でこんなに遊べるのか!

  5. 『FF7リメイク』がボードゲーム化!クラウドら20人のキャラを駆使し、相手とマテリアを奪い合う対戦型ゲーム

アクセスランキングをもっと見る