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『デスクリムゾン』RTAのWR保持者が、自身の記録に挑戦! イベント配信で驚きの結末を迎える

「RTA in Japan Summer 2021」にて、ゆゆキチ氏が『デスクリムゾン』のRTA(リアルタイムアタック)に挑みました。濃すぎる本作の特徴から、驚きの結果まで、その全容をご覧ください。

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RTA in Japan Summer 2021 Twitchより

2021年8月11日~8月15日にわたり、様々なゲームタイトルのRTA(リアルタイムアタック)に挑むイベント「RTA in Japan Summer 2021」が開催されました。

このイベントでは、『ポケットモンスター ソード・シールド』をはじめ、見ごたえのあるRTAが多数行われていますが、その中でも特に盛り上がった競技のひとつが、8月12日に行われた『デスクリムゾン』(セガサターン)のRTAでした。

1996年8月発売のガンSTG『デスクリムゾン』は、一見するだけでも問題点が目につくほどで、良質なゲームとはかけ離れた問題作。操作性やゲームバランスはもちろん、理解し難い展開や尖りすぎたセンスなど、あらゆる点でユーザーとの乖離が激しく、全般にわたって厳しい評価が下されています。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

その一方で、ゲーム性から世界観まで不条理を極めている点に、突き抜けた“おかしさ”を感じた方も少なからずおり、カルト的な人気も獲得。「デス様」をはじめとする様々な通称がまかり通るほど、かなり異質な個性作として一部で知られています。

今回行われた「RTA in Japan Summer 2021」にて、『デスクリムゾン』のRTAに挑んだのは、ゆゆキチ氏。『暴れん坊天狗』や『ソード・オブ・ソダン』、『マインドシーカー』など、クラシカルな作品のRTAに取り組んでおり、『デスクリムゾン』のRTAも経験済み。その腕前が、「RTA in Japan Summer 2021」という舞台でどのように振る舞われたのか、その模様を詳しくお届けします。

OPだけでも濃すぎる『デスクリムゾン』

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

今回のRTAでは、ゆゆキチ氏は『デスクリムゾン』のプレイに専念し、解説はかぽてじ氏が担当。RTAを開始する前に、まずは『デスクリムゾン』をリセットします。

ですが、被弾タイミングでのリセットだったため、SEが繰り返されるバグが発生。早速視聴者が、『デスクリムゾン』らしさを味わう展開となりました。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

リセット後に表示されるのは、多くのゲーム作品と同様、メーカーのロゴです。しかし、このロゴ画面からして、『デスクリムゾン』は一味違います。「ECOLE」と表示された文字の裏には、なぜかデスマスクのような人の顔が。しかも、それがふたつ置かれており、正直かなり不気味です。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

RTAに入る前に、本作がどんなゲームなのかを紹介するため、オープニン映像が披露されました。このOP映像では、本作の主人公「コンバット越前」のプロフィールやタイトルコールを経て、彼が「デスクリムゾン」と呼ばれる銃を手にするまでの流れが描かれます。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

──と表現すると何の問題もなさそうに見えますが、OPだけでも気になる点が多々あるのが『デスクリムゾン』です。仲間と思われる相手からの声を聞きつつ、廃墟らしき道を進みますが、「上から来るぞ、気をつけろ!」と言われているのに、そのまま階段を上がるコンバット越前。忠告はガン無視ですし、上がった後に何かが来る様子もありません。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

そのまま先に進むと「なんだ、この階段は!?」と驚く声が届きますが、なぜ驚くのかわからないほど、ごく普通の階段がそこにあるのみ。もちろんコンバット越前は、何の抵抗も見せずに階段を降りていきます。また、当然のように何も起きません。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

その後、3DCGで描かれた廃墟の扉の前にたどり着いたタイミングで、「折角だから、俺はこの赤の扉を選ぶぜ!」といった声が飛んできます。このセリフが特にツッコミどころが多く、本作を代表する台詞のひとつとして知られています。

まず、扉はひとつしか表示されていないのに、まるで複数ある扉から選んだような言い回しが謎です。また、この扉の色は黒や灰色に近く、少なくとも赤からはかけ離れています。そもそも、「せっかくだから」の意味が全く分かりません。

ひとつの台詞だけで、これだけ多くの引っかかりを生む──この点だけ見ても、『デスクリムゾン』の迷走ぶりが手にとるように分かります。

『デスクリムゾン』の個性的すぎる本質に驚愕し、RTAで更なる驚きの結果に

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

理解が難しいOP映像が終わり、本題のRTAがスタート。短時間のクリアを目指すため、ゲーム速度を約30%アップしてのプレイとなります。といってもこれは、ゲーム機本体やソフトに手を加えたわけではなく、ステージ開始直後にポーズをかけて一瞬後に解除することで、ゲームの速度が上がるというバグを利用したもの。

操作性の悪さも手伝い、普通にクリアするのも難しい『デスクリムゾン』を、クリアタイムのためとはいえ30%増しの速度で挑む戦いが、こうして幕を開けました。ちなみに、BGM以外のすべてが30%速くなるので、プレイヤー側のカーソルは合わせにくくなりますし、敵の攻撃も熾烈になります。この過酷な状況に対し、ゆゆキチ氏はパッドプレイで果敢に立ち向かいました。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

このゲーム速度に関する補足や、撃ってはいけない相手の解説などを交えている間に、シーン1を見事にクリア。続くシーン2では、かなり当たり判定の小さい噴水を破壊するなど、好調な出足を見せます。

ちなみに噴水を壊すと、なんと5UP。しかし、目的は残機の確保だけではありません。この噴水は、後のシーンで破壊すると高速回転し、高確率でフリーズするとのこと。RTAだけでなく、普通のプレイ中であっても極力回避すべき事態なので、あらかじめ壊しておくのがベストと言えそうです、

BGMに関するちょっと切ない裏話や、敵が攻撃する合図になっているロックオン(ただし判定が緩く、閉じきっていないのにダメージを受ける)など、『デスクリムゾン』らしさ溢れる豆知識が語られつつ、シーン2も無事終了。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

シーン3は橋を渡るステージですが、橋の長さ自体はかなり短く、30秒もあれば渡りきれそうなほど。しかし、ゲーム内のコンバット越前がなかなか前に進んでくれないため、渡り切るのに通常のゲーム速度では3分ほどかかる模様です。こういったもどかしさも、本作らしい味わいと表現するべきかもしれません。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

橋を渡りきると、初のボス戦へと移ります。残機は、シーン3クリアのリザルトで1UPして11人と、かなり頼もしい状態……だったはずが、ボスと対面した時には、画面下の残機表示はなぜか1になっています。

解説によると、これは「残機が10減るバグ」が発動したため。しかもこのバグは、原因不明・回避不可能と、かなり凶悪なバグです。このバグの存在だけでも、『デスクリムゾン』のクリアが困難であることが分かります。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

ですが、ボス関連のバグはこれだけではありません。なんとボスが無敵になり、攻撃しているのに当たっていない扱いになることがしばしば。無敵が早く切れるよう、祈りながら戦わなければなりません。

RTAという競技は運に味方してもらう場面もありますが、バグが発生しないよう願うのは、まさに運を天に任せるしかない状況。この運頼みは、RTA的に見てもかなり厳しい部類でしょう。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

初のボス戦も無事に終え、ここからはステージ2に突入します。ステージ2の幕開けは、シーン4「イズキット川」。本作の各ステージは、初期残機が1に設定されているのですが、このステージ2に限っては初期残機が0。やられたら即ゲームオーバーなので、銃を積極的に進化させ、そのボーナスで得られる1UPが重要な鍵になります。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

また、1UPにこだわるのは、0機スタートという理由だけではありません。続いて訪れたシーン5「アッシムの館」は、作中における最難関シーン。安定してクリアすべく、シーン4クリア時点で確保した残機4人で挑みます。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

ゆゆキチ氏の腕前はさすがの一言に尽き、この「アッシムの館」攻略中にむしろ残機を増やす好プレイを展開。その後やられてしまいましたが、差し引き0の残機4人で見事に乗り越えました。しかもクリアリザルトで2人増え、6人でステージ2のボス戦に取り掛かります。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

ちなみにボス戦なので、先程と同様、残機が減るバグが発動して0人に。せっかく増やした努力も白紙となりますが、ここでくじけていては『デスクリムゾン』のクリアは夢のまた夢。最強ボスの呼び声も高い「ムーラ」と死闘を繰り広げます。

ちなみにムーラ戦は、数多く登場する雑魚が恐ろしく、その物量に押されかねません。確実なクリアを目指す場合は、雑魚をしっかり処理すべきですが、今回はRTAのため、より厳しい状況での戦いとなりました。

ですが、解説のかぽてじ氏が驚くほど、素早くムーラを倒したゆゆキチ氏。RTA終了後に公開された本配信の台本によると、このボス戦では画面が固まるフリーズバグの発生も高いとのこと。そんな不運に出会うことなく、勝利の女神に微笑まれたようなプレイが続きます。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

そしていよいよ、最後を飾るステージ3がスタート。まずは、シーン6「サファール遺跡」が出迎えます。最難関の「アッシムの館」よりは楽と言われていますが、敵の数が尋常ではなく、ゆゆキチ氏曰く「最も苦手なステージ」。この挑戦を見届ける視聴者も、手に汗握るひとときとなりました。

この緊張感をいい意味で味方につけたのか、残機を3人まで増やしてシーン6をクリア。先程のボス戦といい、快進撃が続きます。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

製作者が見た悪夢がモチーフとなったシーン7「シャナファーラ」や、ラスボス直前のシーン8「デスビスノスの宇宙船」も順調に踏破。かぽてじ氏からも、「かなりいいペースです」と称賛するコメントが飛び出し、好記録の予感が漂います。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

そしていよいよ、ラスボス「デスビスノス」と対面。このボス戦では、残機が10人減るバグは発生しないため、ここまで積み上げた残機6人と共にゆゆキチ氏が最後の戦いに乗り出しました。

ちなみに『デスクリムゾン』の洗礼は、ラスボス戦にも潜んでいます。無敵バグがここでも発生する可能性があり、しかもその際は進行不可能という悪夢に見舞われます。必然的にリセットからの再スタートになるため、RTAとしては大きな痛手。ここでも、運を味方につける必要があります。

RTA in Japan Summer 2021 - デスクリムゾン - Twitchより

素早く動く上に、見た目とは異なる小さな当たり判定しか持たないデスビスノス。その戦いだけでも厄介な上に、バグが発生しないようにと祈りつつ挑むこの最終戦は、わずか2分強で終結というスピード展開に。残機を1人も失うことなく、ゆゆキチ氏が速攻で勝利を収めました。

しかも今回のクリアタイムは、配信の表示時間では34分ジャスト、後にゆゆキチ氏がTwitterで公開した画像では33分57秒と、自身が持っていたワールドレコードを自ら塗り替えてのフィニッシュとなりました。緊張感に飲まれることなく、大舞台で世界新記録を叩き出したゆゆキチ氏。その素晴らしい腕前に、視聴者から様々な賛辞が贈られます。

この見事なRTAの一部始終は、アーカイブ映像として公開されているので、興味が湧いた方は直接ご覧ください。先日、25周年を迎えた『デスクリムゾン』を彩るに相応しいプレイの数々が、あなたを魅了することでしょう。
《臥待 弦》
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