国民的人気を博すRPGシリーズの最新作『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』の発売日が、いよいよ目前へと迫りました。PS4版と3DS版で異なるグラフィック表現を採用しており、ユーザーの好みに合わせてチョイスできるユニークな展開も魅力的な一作です。
今週の土曜日、7月29日に「最新のドラゴンクエスト」が幕を開けます。1986年5月に発売された一作目『ドラゴンクエスト』から数え、31年もの歩みを重ねてきた本シリーズ。その進化ぶりをより噛みしめるべく、『XI』の発売に備え、初代『ドラゴンクエスト』を遊んでみました。もちろん、リメイク版ではなくファミコン版を。
すると、予想以上に久しぶりのプレイだったため、後のシリーズ作と比べると様々な点に違いがあり、『I』だけにしかない特徴や仕様などに改めて気付かされました。そんな再発見の数々の一部を、今回こちらで紹介させていただきます。最新作をより刺激的に楽しむ一助として、原点を振り返ってみてはいかがですか?
なお、今回紹介するのは、あくまでファミコン版の特徴です。リメイク版とは仕様が異なるので、その点にはご注意ください。
■閉じこめられた状態でスタート
ゲームをスタートさせると、王様の前からスタート。ですがこの部屋には扉があり、そのままでは開けることができません。この状況にはもちろん意味があり、「部屋に置かれた宝箱から鍵を入手し、扉を開ける」という要素をプレイヤーが学ぶ、いわばチュートリアル的な要素になっています。
当時はまだRPGというゲームがそれほど浸透しておらず、『ドラクエ』が初RPGという方も大勢いました。そのため、アイテムの取り方や扉の開け方、会話の仕方といったゲーム内のルールをいち早く体験・実践させるために、閉ざされた環境でスタートする形になっています。このようなチュートリアル的な要素はシリーズ全般を通して用意されていますが、閉じこめられてスタートという状態は珍しいシチュエーションです。
■独特なコマンドの数々
会話の仕方も本作は独特で、コマンドで“はなす”を選んだあと、東西南北を指定する形になっています。これは、キャラクターのグラフィックが正面向きのものしかなく、NPCに話しかける際に“そちらを向く”ことができないため、方角もコマンドで指定する形に。
この方角指定は、当時のRPGにおいて決して珍しいものではなく、パソコン(当時はマイコンと呼ばれていましたが)のRPGでは割とポピュラーな仕様でした。そのため、苦肉の策と言うよりは、時代を感じさせる一面と言えるでしょう。また、続編となる『II』の時点で横や後ろのキャラグラが用意され、会話における方向指定がなくなったのも、時代の変革を伺わせます。
前述の扉を開ける動作も、“とびら”のコマンドを選択します。扉を開けるために専用のコマンドが用意されている点も、なかなかの驚き。扉を開けるのは本作を進める上で重要なポイントなので、専用コマンドを用意することで重要性を強調する狙いがあったのかもしれません。また、開けるのに必要な「鍵」は使い切り。うっかり切らすと、遠くの町まで買いに行かなければなりません。
コマンドと言えば、“かいだん”も見逃せません。階段のアイコンに重なっても階層間を移動せず、そこで“かいだん”コマンドを入力することで、階段を上ったり降りたりします。また、“とる”というコマンドもあり、宝箱を開けるにはこのコマンドを使用します。後のシリーズにおける「しらべる」のような役目を担っていました。
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