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【E3 2017】『LOST SPHEAR』ディレクター・橋本厚志氏インタビュー!「トレーラーにはヒントがたくさんある」

スクウェア・エニックスより2017年秋に発売されるPS4/Nintendo Switch『LOST SPHEAR(ロストスフィア)』。

ソニー PS4
【E3 2017】『LOST SPHEAR』ディレクター・橋本厚志氏インタビュー!「トレーラーにはヒントがたくさんある」
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YouTube動画URL:https://youtu.be/Gsx9s9MQpag

スクウェア・エニックスより2017年秋に発売されるPS4/Nintendo Switch『LOST SPHEAR(ロストスフィア)』。Tokyo RPG Factoryが開発を手がける本作は、『いけにえと雪のセツナ』に続くProject SETSUNA第2弾タイトルとして、つい先日発表を迎えました。

今回、インサイド&Game*Spark編集部では、6月13~15日にかけて行われた「E3 2017」にて、『LOST SPHEAR』ディレクター・橋本厚志氏の合同インタビューに参加。発表されたての本作について、様々なことを聞いてきました。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


――『LOST SPHEAR』発表後のユーザーからの反応はいかがでしょうか。

橋本厚志氏(以下、橋本氏):期待をしていただいてるというのは理解していたのですが、想像以上に良い反応を頂いていて驚いています。また、思った以上に海外の方からの反応もありました。海外では『いけにえと雪のセツナ』や今回の『LOST SPHEAR』のような“JRPG”があまりないので、熱心なJRPGファンに刺さっているのではないかと思っています。

――ストーリー面では『いけにえと雪のセツナ』とのつながりはありますか。

橋本氏:「繋がり」という部分に関してはないと思っていただいて大丈夫です。前作をプレイしていなくても100%楽しめます。ただ、一部のワードが共通になっていたりというのはあります。それをユーザーさんがどう想像するかは自由です。


――主人公が「記憶によって世界を創り変える力」に覚醒するのは、序盤ですか。

橋本氏:力の覚醒自体は序盤ですぐに起こります。最初はよくわからないまま、よくわかわないなりに力を使っていくのですが、ゲームが進むに連れ「なぜ記憶を創り変えることができるのか」というのがストーリー中の一つの軸として描かれていきます。

――「モノに記憶がある」というのがとても日本らしいなと感じました。記憶が世界を形作り、それを復元していくというのはどのようなインスピレーションのもと生まれたのでしょうか。

橋本氏:元々「記憶」というワードがあったわけではないんです。「こういうことをやりたい」と挙がった遊び方・シナリオを練り込んでいく中で、「記憶」を軸にするとゲームにまとまりが生まれ、一本筋が通るね、と。やりたいことが先にあって、そこから「記憶」というワードが出てきたということです。

――『LOST SPHEAR』の世界では「人の死=ロスト」なのでしょうか。

橋本氏:人の死、というのはロストとは別です。ただし、人がロストするということもありえます。そして、主人公は人のロストにも干渉ができます。

――主人公は人々の忘れたい記憶も全て救おうとするのですか。

橋本氏:主人公が創り変えていくのは「星の記憶」なので、個人の記憶を操ったりといったことはありません。


――「星の記憶」というと、この世界ではまるで「月」が監視者のように常に上がっています。この月にも「記憶」があったりはするのでしょうか。

橋本氏:そのあたりは、ご想像におまかせします、ということで(笑)。今はまだ話すことができません。ただ、アート的にもストーリー的にも、月が重要な役割を果たしているのは確かです。

――キャラクターの描写で大切にしていることはありますか。

橋本氏:今回は「パーティートーク」という仲間同士で会話できるシステムが実装されています。イベント以外でも、一言二言の何気ない会話の中でキャラクター描写を掘り下げられればと考えています。ちなみに、次の目的地などのヒント的な会話も「パーティートーク」に盛り込まれています。

――『いけにえと雪のセツナ』では複雑な人間関係を描かれていましたが、それを意識しての「パーティートーク」なのでしょうか。

橋本氏:前作のときに「もう少しキャラクターを掘り下げてほしい」という意見があったのですが、「想像する楽しさ」というのもあるので、全てを掘り下げるのは少し違うかなと。ただ、ユーザーさんからの意見も理解はしているので、もう少しフォローしてもいいのではないかというのが出発点です。

――パーティーメンバーは現状、主人公含め4人が発表されていますが、増えることはありますか?

橋本氏:現状は、ご想像におまかせしますとしか言えません(笑)。ひとつヒントを挙げるとすれば、「トレーラーをよくみてください」ということですかね。


――『いけにえと雪のセツナ』から引き続き「ATB2.0」を選んだ理由を教えてください。

橋本氏:『FF』から生まれた「ATB」というバトルシステムにはいくつかの進化系があると思っています。例えば『FFXIII』のATBは、ある種ひとつの完成形なのではないでしょうか。その反面、『クロノ・トリガー』をベースにした「ATB2.0」を『いけにえと雪のセツナ』で開発した際、このシステムには進化の余地があると感じました。それなら引き続き「ATB2.0」を追求していこうと考えたのがひとつの理由です。

――本作の「ATB2.0」ではバトル中に「移動」ができるようになりましたが、これは敵側も利用してくるシステムなのでしょうか。

橋本氏:敵側も移動はするのですが、主人公たちと違って戦略的な移動はしません。あくまで主人公側が効率よくバトルを進めるためのシステムです。

――主人公たちが移動する際に、何かしらのゲージを消費するなどはあるのでしょうか。

橋本氏:それはありませんね。また、よくある「背後を取るとダメージ上昇」なども、意図的に組み込んでいません。移動をすることで効率よくバトルを進められるのはもちろんですが、それを「面倒」と思ってしまう人もいます。バトルでの必須スキルではなく、ちょっとしたTipsのようなものです。使わなくても充分楽しめます。

――移動中は、敵の動きは停止したままになりますか?

橋本氏:はい、止まっています。ちなみに、コンフィグでキャラの移動スピードを速くできるので、スピーディーにバトルを進めていくこともできます。


――バトルの面で、前作『いけにえと雪のセツナ』から得たフィードバックを反映している部分はありますか。

橋本氏:『いけにえと雪のセツナ』から得たものをベースにしているのは間違いありません。「移動」システムにしても、最初から移動ありきで作っていたわけではなく、前作のバトルでユーザーさんのストレスになっていたことを改善するためにはどうすればいいかを試行錯誤していくうちに、「移動」に落ち着いたという経緯があります。



――ワールドマップがとても美しく、特に淡い光が印象的です。デザイン面で大切にしていることはありますか?

橋本氏:『いけにえと雪のセツナ』では「雪」をコンセプトにした背景作りでしたので、そのコンセプトを最も美しく見せるための「光の表現」を追求しました。いっぽう『LOST SPHEAR』では、さまざまなロケーションで冒険することになりますので、『いけにえと雪のセツナ」とは違う形の「光の表現」を追求する必要がありました。かなりこだわって制作していますが、うまくいっているのではないかと思います。

――街の雰囲気も、90年代のRPGを彷彿とさせつつ、まるでミニチュアのような美しさがありますね。

橋本氏:90年代RPGの楽しさの1つに、「想像する」というのがあったと思っていて、自分たちはそこを大事にしたいと考えています。ミニチュア的な街並みもその賜物ですし、イベントでもキャラの顔をアップにして感情表現させるよりは、セリフからキャラクター性を想像できるようにしています。

――全体的なボリュームは『いけにえと雪のセツナ』と比べてどの程度になるのでしょうか。

橋本氏:『いけにえと雪のセツナ』が20時間ほどでクリアできるのに対し、本作は30時間ほどになるのではないかと思っています。前作のときも言っていたのですが、ちゃんとクリアしきれる物量にはしたいと考えています。いつまでたっても終わらないというのは、おっさんにはツラいですから(笑)。もちろん、やりこみを含めればプレイ時間はもっと長くはなります。

――BGMもとても美しいのですが、コンセプトは何かありますか。

橋本氏:『いけにえと雪のセツナ』で高く評価されたピアノを軸にはしているのですが、前作と同じことをやるのではなく、「ピアノ+何か」と言う形で曲ごとに使用する楽器を変えています。本作にはいろいろなロケーションがあるので、ピアノだけでは表現しきれないというのも理由の一つにありますね。


――2017年秋発売ということですが、現在の開発状況はいかがでしょうか。

橋本氏:今はQAが始まったところで、これから最終調整に向かっていく感じです。順調ですね。夏休みが始まる頃くらいから、どんどん情報も出せると思います。

――今回はPS4とNintendo Switchという2つのハードで発売されますが、ハードによって内容に違いはありますか。

橋本氏:ゲーム内容に違いはないので、ライフスタイルに合わせて選んでもらえればと思います。

――「Project SETSUNA」立ち上げの際に、「あの頃のRPGを取り戻す」というコンセプトを掲げていたかと思いますが、『LOST SPHEAR』でもそれは変っていないのでしょうか。

橋本氏:「私たちが影響を受けた90年代のRPGを、今の技術で創る」というのは一緒です。「あの頃のRPGを取り戻す」というのは、決して今のRPGを否定しているわけではなく、それもあった上で、90年代RPGを髣髴とさせるようなものが今あっても良いのではないか、という提案になります。

今後違うコンセプトを持った何かを、「Tokyo RPG Factory」がやる可能性もゼロではありませんが、しばらくは「Project SETSUNA」の取り組みを続けていくつもりです。

――最後に、発売を楽しみに待っているファンへメッセージをお願いします。

橋本氏:「90年代のRPG」とは言い続けていますが、まだお話できていない要素の中で「新しいRPG」だと感じられるような部分もあります。様々なヒントが隠されているトレーラーを観つつ、色々と想像しながら待っていてください。

――ありがとうございました。



『LOST SPHEAR』は、PS4/Nintendo Switch向けに2017年秋発売予定です。
《編集部》
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