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PAX Westで『ファイナルファンタジーXV』デモを体験―新生『FF』に感じた「安心」

リリースを控える日本産ゲームの中でも飛び抜けた注目度を誇っているシリーズ最新作『ファイナルファンタジーXV』。先日には発売スケジュールが延長されたにもかかわらず、その期待度は新情報が発表される度に高まっています。本来リリースされる予定だった「マスター版」は先月の「gamescom 2016」をはじめ、世界各地のイベントで展示されるようになり、開発期間に10年を費やしたこのゲームの素性が着々と明かされていました。今回Game*Spark現地レポーターとして筆者が参加した「PAX West」も、そのイベントの1つです。

ソニー PS4
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リリースを控える日本産ゲームの中でも飛び抜けた注目度を誇っているシリーズ最新作『ファイナルファンタジーXV』。先日には発売スケジュールが延長されたにもかかわらず、その期待度は新情報が発表される度に高まっています。本来リリースされる予定だった「マスター版」は先月の「gamescom 2016」をはじめ、世界各地のイベントで展示されるようになり、開発期間に10年を費やしたこのゲームの素性が着々と明かされていました。今回Game*Spark現地レポーターとして筆者が参加した「PAX West」も、そのイベントの1つです。

「PAX West」のプレイアブルデモでは、あらゆる制限もデモ用の特別な設定もない『FFXV』を「New Game」から1時間ほど体験できました。今回の記事では、そんな同作のXbox One向けデモ(英語版)を体験した感想をお送りします。

実際に触れることができたゲーム内容は、8月に公開されたマスター版映像とまったく同じもの。ビジュアルのクオリティーもゲームプレイも、これまでに公開されているものと同一でした。今回の「PAX West」で1時間ほどプレイした結果、『FF XV』にまつわる2つのファクターが明らかになったと感じました。1つ目は、このゲームは『ファイナルファンタジー』の名に相応しいタイトルになりそうだということ。2つ目は、「リリース延期」という選択を選んだ理由です。

まずは筆者が感じた1つめの問題点から。田畑監督は、満足していないところがあるゆえに11月までリリースを延ばしたと述べており、その理由の1つとして挙げられたのはグラフィックスのクオリティーでした。その問題点は『FFXV』ゲーム本編を少しでもプレイすれば、すぐに 実感できることでしょう。たしかに『FF』らしい美しい景色が広がっていましたが、テクスチャーが不自然に見えたり、クオリティーが落ちたりする不具合が一部で見られました。他にはキャラクターや髪の毛のアウトラインも余計に目立つことも。その上、敵モンスターが突然目の前に出現するようなシーンも頻発。プレイヤーの可視範囲が狭いのか、それとも敵の出現自体が突発的であるのか判断に困るところでしたが、どちらにしても「オープンワールド」としての魅力を少し壊しているように感じられました。ちなみにPS4版と比較する機会はなかったので各クオリティーの差については言及できません。しかし何であれ、今の状態で発売されるのであれば、グラフィックスのクオリティーがレビューで指摘されるところになるでしょう。


第二の問題点はカメラとロックオンシステム。体験版第1弾『FINAL FANTASY XV -EPISODE DUSCAE-』 から指摘されたこのポイントは今回のデモ版でも解消されていないようでした。2002年発売の『キングダムハーツ』を彷彿とさせるカメラワークのスピード感はかなりのもの。そのカメラの素早い動きゆえ、ロックオン状態が予期せず解除されてしまうシーンもありました。仲間との連携技では、アニメーション終了までノクトを動かせなくなるので、ここで更なるカメラワーク問題に直面することになります。1時間以上がっつりとプレイして操作に慣れてくればもちろん評価は変わってくることでしょうが、現行のカメラワークは『FFXV』のハイスピードかつアクション性の高い戦闘と衝突しているようにも思えます。

以上のような問題を感じたにもかかわらず、『FFXV』をプレイし終わった筆者の感想は「安心感」に尽きます。キャラクター、世界観、ゲームプレイ、そのすべてが過去の『FF』の序盤に負けないほど強く伝わりましたし、本格的RPGの序盤より自然な流れで面白いイントロダクションに思います。キャラクター達のパーソナリティーや過去は、ゲーム内の旅の最中に会話イベントを通して語られます。「仲間と車で旅をする」というムードはディテールまで凝られていて、軽快なトークやキャンプシーンの表情などもとても印象的。ドラマチックな展開が起こるまでの「キャラクターとのコネクション」は、ここから生まれてくるように感じました。

前述したとおり、バトルシステムも大半の機能が使えるように設定されていました。ちなみにチュートリアルはサクッと終わり、その後は自由にプレイ可能。バトルの基本自体も単純ですぐに楽しめましたが、デモとはいえど「攻撃ボタンをひたすら押し続ける」だけでは勝てない敵も出現していて、回避とカウンター、シフト、仲間との連携などのコツを戦いの中で習得するよう設計されていると感じました。ファントムソード召喚や魔法、アビリティコールで得られる戦闘メカニックで、そのプレイ感はきっとさらに豊かになることでしょう。50時間以上プレイしても飽きないほどのものになるかどうかは未だ伺えませんが、序盤にしては非常に楽しいゲームプレイだったと思います。


過去の『FF』タイトルとの大きな違いは、「ゲームの世界そのものがプレイヤーに大きく開かれている」という点にありました。人気の洋ゲーRPGの影響を受けているように、ロード時間の発生は「キャンプで寝る」あるいは「イベントが起こる」ときに限られています。操作ができる時点から周りの様々な環境のどこにでも行けるようになっていましたし、討伐クエストや隠されたダンジョンを遊んで、メインクエストを好きなだけ後回しにできるのです。デモプレイ中はメインストーリーに集中しましたが、プレイヤーが足を運べる範囲は決して「広過ぎ」ではないように感じました。いわゆるオープンワールドゲームによくある「何もない広い世界」ではない、ということです。

序盤の舞台「ハマーヘッド整備工場」の周りと、車で一分到着のガーディナ渡船場の風景は個性的で美麗な仕上がり。もっと『FFXV』の世界を旅してみたいと思わされました。“美麗な仕上がり”と言えば、CGムービーは『FF』シリーズの最も印象的なところの一つ。もちろん、『FFXV』の映像美も例外ではありませんでした。その美しさは劇場版「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」並みで、超一流のクオリティーだったと言えます。

問題点がいくつか見られましたが、筆者はこの1時間のデモプレイを通して「田畑監督がリリース延期を選んだ理由」を理解できたような気がしました。ある程度のクオリティーを持つ作品としてリリースするのであれば延期は不要かもしれませんが、『FFXV』は更にその上の段階を目指しているのでしょう。10年間も待ち続けてきたゲーマーたちに、期待を超えるような『FF』を届けることを最優先で考えている、監督や開発チーム全員のケアと努力が強く感じられました。新たな『FF』の世界にのめり込む日まで安心して待てる……そんな気持ちになれた体験プレイでした。
《真ゲマ》

『ドラゴンフォース』が一番好き 真ゲマ

吉田輝和の絵日記やトイレオブザイヤー、ギャグ漫画「ヴァンパイアハンター・トド丸」、洋ゲー漫画「メガロポリス・ノックダウン・リローデッド」など、これまでゲームメディア業界に影響を与える様々な企画を立ち上げてきました。他社メディアでも活動中なので、気軽にお仕事の依頼をお願いします。 ちなみに、ユウキレイ先生が手掛ける4コマ漫画「まほろば小町ハルヒノさん」(まんがタイムで連載中)で教師役として出演中です。

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