6月13日に突如、2016年発売と発表された『ベルセルク無双』。米ロサンゼルスで開催されているE3会場にて、『無双』シリーズのキーマンであるコーエーテクモゲームス代表取締役社長 鯉沼久史氏の囲みインタビューが行われ、どのようなゲームになるのか訊いてきました。
――『ベルセルク無双』は突然発表された印象がありますが、これはアニメの展開に合わせたものなのでしょうか。
鯉沼久史氏(以下鯉沼): そうですね。話があったのはかなり前で、アニメの製作委員会からゲーム化の打診をいただきました。私が『ベルセルク』が大好きだったこともあって会社で検討しました。ある一定の年齢の方しかわからないのでは、と思い開発の現場にきいてみたら、ディレクターを務めている世代に『ベルセルク』がわかるスタッフがたくさんいたので、これはいけるということで開発を決めました。今回、発表がなぜこのタイミングなのかと思う方が多かったかもしれませんが、3年振りに三浦建太郎先生の『ベルセルク』のコミック新刊が6月24日に出るということで漫画の帯に載せないわけにはいかないなと。5月と6月はタイミングをいろいろ逃してしまっていたので、そうだE3で発表しようと(笑)。
――それはグローバル展開に関係なく、たまたまということですか?
鯉沼: 当然、『進撃の巨人』も含め最近の当社タイトルはすべてグローバル展開していますので、やるのであれば最初から海外含め広くアナウンスするのがよいということで、今回はE3に合わせて発表することになりました。
――内容としてはストーリーを追体験するようなものになるのでしょうか。
鯉沼: 今度のアニメは主人公のガッツが黒い剣士になった後の話なのですが、ゲームにする際は他の無双タイトルと同じく、作品を知らなくてもアクションゲームが好きだからとりあえずやってみようという方でも入りやすいよう、基本的に1巻付近からやらせていただいています。『ベルセルク無双』は黄金時代からストーリーを描いているので、原作を知らなくてもダークファンタジーは面白いなと感じてもらえると嬉しいですね。
――原作のどのあたりまでのストーリーが語られるのでしょう。
鯉沼: 7月から放送されるアニメがやるところまではきとんと入れ込むつもりです。
――開発はかなり進んでいるのでしょうか。
鯉沼: いろいろ諸事情はあるのですが、かなり前から開発は始まっていたので進んではいますね。
――ゲームオリジナルの使徒というのは登場するのでしょうか。
鯉沼: 基本は原作のストーリーをなぞる形となっています。それだけでもかなりボリュームがあるので、オリジナルまでは考えておりません。。
――CEROはどのあたりになりそうでしょうか。
鯉沼: 当社全体のポリシーとして「CERO Z」は作らないと決めていますので、それはやらないです。『北斗無双』の時もギリギリ「CERO D」に収めています。
――そうなると人体欠損などは描かれないということに?
鯉沼: 最近さらに厳しくなってきていますので、そこの表現は極力抑えるつもりです。ただ、人間ではなくモンスターや使徒であればいいかな、というところでチャレンジするつもりではあります。
――『ベルセルク無双』のグラフィックのスタイルはアニメや原作に近づけたものになるのでしょうか。
鯉沼: 発表しているメインビジュアルがインゲームと近いものになります。このメインビジュアル自体がE3に合わせてゲームの素材で構成したものですが、ライティングなど細かい表現はは変わるかもしれません。
――従来の『無双』シリーズとは違うゲームシステムは導入されるのでしょうか。
鯉沼: 原作に合わせた展開にはしています。『無双』ならではのものもあれば、本作独自のものもあります。最初は対人だったのが対使途になっていくのですが、『無双』なんだけれどもキーとなるボス戦もしっかり描くことは必要だと思っているので、鋭意製作中ですね。
――『ベルセルク』という題材について。
鯉沼: 私の世代にはかなりツボなので、まずは、30代や40代の方々にしっかりと刺さればいいなと考えています。そして、話題になっているからちょっとやってみようかなという若い世代の方々が、『ベルセルク無双』がきっかけで原作を好きになってくれれば嬉しいですね。
――原作者の三浦先生は『ベルセルク無双』に興味を持たれましたか。
鯉沼: 持っていただけているようですね。やると決まった時から毎年年賀状をいただけるようになったんです(笑)。三浦先生は世界観を大事にされていますので、『無双』とはいえリアルさは残してほしいというご意見はいただいています。その辺はすでに監修を入れております。
――『進撃の巨人』に続き『ベルセルク無双』も海外ではSteamでもリリース予定となっていますが、今後も『無双』シリーズはSteamに対応されていくということでしょうか。
鯉沼: 社長という立場で言わせていただくと、もともとマルチプラットフォーム戦力を掲げており、Steamに関しては1つの大きな市場だという認識でいますので基本的にはできるだけ対応していこうと考えています。
――発売のタイミングはいつ頃に?
鯉沼: それはまだ未定ですので、今後の発表をご期待いただければと思います。
――本日はありがとうございました。
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