――カプコンの作品と言えばMTフレームワークのイメージがありますが、今回は新しいゲームエンジンで開発されているとお聞きしました。
中西:新しいプラットフォームで『バイオハザード』の開発を始めるのにあたり、求められるクオリティーと言うものがありまして、それにたどり着くために自前の新エンジン『REエンジン』を構築することになりました。
川田:社外のエンジンを使用する選択肢もありましたが、新プラットフォームへの移行と言う、ブランドの成否に関わる作品の開発にあたっては「自社エンジンでなかれば厳しいのではないか」と私たちのトップの竹内(カプコン 第一開発統括の竹内潤氏、第1作『バイオハザード』からシリーズの開発に参加)が判断しました。
もちろんそれは凄くコストや時間が掛かる判断で、リスクになると思います。それでも敢えてエンジン開発を行うことで、社内技術の蓄積や開発の効率化に繋がりますからリターンも大きいですね。もちろん今回のエンジンも表現力や使いやすさの面からも、たいへん素晴らしいものになりました。私たち第一開発部では、今後もこのエンジンを使用してさまざまな作品を開発していきたいと思っています。
――新エンジンにはどの様な特徴があるのでしょうか。
中西:体験版のステージは狭いので分かりにくいのですが、製品版では色んな場所がシームレスでつながります。そして表現している密度は一般的なオープンワールド作品と同等です。そういったアセットベースの表現が可能になりました。後はライティングですね。これも室内なんで感じにくいですが、しっかり物理ベースで対応しています。
川田:表現以外ですと、VRデバイスが求める高スペックにも応えることができます。VRですと立体視のために2画面ぶんを一度に描画する必要があり、かつ高いフレームレートを維持する必要があります。これは我々の従来のゲームエンジンではできないことでした。
――さらに本作はグラフィックが写実的になっていますよね。
中西:アートディレクターの趣味などもありますが、怖さにフォーカスしようと思ったときに、どうしても嘘っぽい世界って冷めてしまうんですよね。なので、ビジュアルにしても設定にしてもナチュラルで説得力のあるものになるよう意識しました。
――本作では一人称視点が採用されていますが、この変更によるゲーム性の変化はありますか?
中西:先ほど挙げた「バイオハザードに必要な要素」に関しては変化なく、没入感がぐっと増しています。武器も大事な要素だと思っていますので、本編では手に持って攻撃することができますよ。
そしてこれはファンの皆さんにお伝えしておかなければいけないのですが、僕らは「バイオハザード」をリセットしたりリブートしているつもりはありません。ホラーゲームって情報が少ない方が楽めるじゃないですか。そういうことです。
関連リンク
編集部おすすめの記事
特集
ソニー アクセスランキング
-
『モンハンワールド:アイスボーン』ミラボレアスを倒すために考えた7つのこと
-
『モンハン:ワールド』俺たちの相棒「受付嬢」のかわいい姿を見よう! “全DLC衣装”でじっくり楽しむ受付嬢フォトコレクション【ワールド編】
-
『モンハンワールド:アイスボーン』下手くそでも「ソロ用ムフェト・ジーヴァ」に勝てるのか? 新規救済に見えた“(ある意味)辛い狩猟”をレポート
-
『モンハンワールド:アイスボーン』あの「ベヒーモス」も今なら余裕で狩れる? マスター装備で挑むソロベヒーモス戦をレポート!【特集】
-
PS5までの歴代PlayStation据え置きハードを振り返る!これまでの進歩とこれからの進歩を見比べよう
-
テトリスがちょっぴり苦手な『ぷよテト2』プレイヤー向け、テトリス基礎知識!覚えるだけで序盤の動きがグッとレベルアップするぞ
-
『原神』稲妻の各探索ギミックを解説!雷の種から結界まで、新天地の冒険を“13項目”でサポート
-
『ELDEN RING』「魔術師セレン」の素顔はホントに可憐だったのか?そのヒントが、学院の「討論室」にあった
-
『モンハン:アイスボーン』ミラボレアスの初見クリア率は約7%! 初戦の狩猟結果&先駆者たちのアドバイスを紹介【アンケート】
-
『ELDEN RING』最序盤からルーン稼ぎに使える4つの場所!王への道は一日にしてならず