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【レポート】発売から6年、ついに『ニーア』初コンサートが実現…「夢が叶ってすごく嬉しいです」

「NieR Music Concert & Talk Live 滅ビノシロ 再生ノクロ」と題された本イベントから音楽コンサートと、楽曲やキャストに関連するトークを中心にレポートをお届けしよう。

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2010年にPS3用タイトル『ニーア レプリカント』とXbox 360用タイトル『ニーア ゲシュタルト』を同時リリースし、6年が経過した現在もなお根強いファンの心をガッチリ掴んでいる『NieR』シリーズ。その最新作『ニーア オートマタ』の情報が昨年発表され、今年4月16日にはシリーズ初の音楽コンサートが開催された。

「NieR Music Concert & Talk Live 滅ビノシロ 再生ノクロ」と題された本イベントから音楽コンサートと、楽曲やキャストに関連するトークを中心にレポートをお届けしよう。

◆ストリングス・ピアノ・ギターで神秘的な世界観を再現




会場前からステージのプロジェクターでは『NieR』シリーズで公開されてきた歴代のトレイラー動画が流され、集まったファンがその歴史と魅力を再確認しながら開演時間までの時間を過ごした。集まったファン層は女性ファンが約半数を占めるなど、改めてファン層の広さを実感するイベントでもあった。

開演時間をほんの少し過ぎた頃、トレイラー動画が流れつつも次第に客席の照明が落ちていくなか、ステージにコンサートの演奏者たちが登場した。ピアノが単音で“ラ”の音を叩くとその音に合わせてバイオリンやチェロやヴィオラの音が重なっていく。各楽器の音合わせがコンサートの始まりを告げるように会場に響き渡ると、ファンの期待と興奮は一気に高まってきた。



コンサート1曲目は「夏ノ雪」。この日演奏されたアレンジは、ストリングスの演奏を中心に原曲の持つ悲哀な雰囲気をより前面に押し出した形となった。バイオリンやヴィオラ等のストリングスの音色が奏でるメロディが様々な情景と感情を音にして表現していく。その演奏を聴きながら、自身の感情が行方不明になりそうな感覚に陥る寸前のところで、約2分という短い演奏が終わった。まだコンサートは始まったばかりだということを忘れてしまっていた、永遠にも感じる2分間だった。



続く2曲目はステージにボーカルのエミ・エヴァンスさんが登場し、「光ノ風吹ク丘」が始まった。アコースティックギターのアグレッシブなカッティングとリードを交えたイントロが印象的だが、やがてピアノの演奏を呼び込むようにシンプルなコードカッティングへと移行し、優雅なメロディを奏でるピアノ演奏とのアンサンブルを経てエミ・エヴァンスのボーカルパートが姿を表した。透き通るような美しく儚い高音を安定して聴かせてくれたエミ・エヴァンスさんのボーカルが素晴らしい。ゲームで何度も聴いたであろう楽曲の生歌を聴けるという奇跡に、集まったファンにとって感極まる時間になったことだろう。



3曲目は「カイネ/救済」。引き続きエミ・エヴァンスさんによるボーカル曲。ピアノが神秘的なメロディを奏で、そのままほぼピアノの伴奏をバックに歌い上げる前半、ストリングスが参加してアレンジの広がりを実感できた中盤以降のパートと、1曲のなかで2つの面を見せてくれた演奏だった。


◆岡部氏がここぞという時に参加してもらったエミ・エヴァンスさん




3曲の演奏が終えると最初のトークパートが始まった。ステージには『NieR Replicant』でエミール役を担当している門脇舞以さんが司会を務め、『NieR』シリーズの作曲を担当しているMONACAの岡部啓一氏、『NieR』シリーズの編曲を担当し、さらにコンサートではピアノの演奏も担当しているMONACAの帆足圭吾氏も登場した。

まずは楽曲制作エピソードについてのトークが始まった。「ゲーム音楽は開発の途中くらいから参加をしていくのが普通なのですが、『NieR』では試作の段階から関わらせてもらい、最初に2~3曲作っては試作版に入れてみて修正していく感じで作っていきました。」と、岡部氏によって開発初期のエピソードが語られた。また『NieR』は最初の曲を作ってから2年近く関わっていたそうだ。

編曲を担当した帆足氏は「僕が『NieR』に関わったのはMONACAに入社してちょっと経ってようやく仕事に慣れてきたかなっていう時期。作っている最中は辛かったですが、いざ世に出てユーザーの皆さんに聴いて頂いて色々と意見を行って頂いたりすると、その時の経験が全部楽しく思えてきましたね」と制作時の思いを語ってくれた。また、『NieR』での自分一の仕事はと聞かれると「魔王」を挙げていた。さらに以前リリースされた『ピアノコレクションズ ニーアゲシュタルト&レプリカント』や、今回のライブアレンジは帆足氏の頑張りが大きかったそうだ。

ここで素晴らしいボーカルを披露してくれたエミ・エヴァンスさんが登場。「『NieR』のサントラが出来た5年前から『NieR』のコンサートをやりたいと思っていたので、今日のコンサートを迎えられて夢が叶ってすごく嬉しいです」と、『NieR』の楽曲への思い入れを語ってくれた。

また、「エミ・エヴァンスさんとは共通の知り合いを介して知り合い、何か機会があれば一緒にやりたいと思っていました。エミさんはすごくアーティスティックな歌声で、エミさんが歌うとエミさんの世界観がすごく出るのでここって時に一緒にやりたいと思っていましたが、その後『NieR』の話を頂いた時にエミさんの歌がイメージにピッタリなんじゃないかなと思いました」と、岡部氏がエミ・エヴァンスさんと知り合ったきっかけと『NieR』でのボーカリストとして抜擢した理由なども語られた。

最後にエミ・エヴァンスさんが「私自身も『NieR』のサントラの大ファンなんです。こんなに美しくて格好いいサントラに参加できたことは恵まれてると思っています。おかげで色々な大きなホールで演奏もできたし温かいファンにも出会えました。自分の歌ってる曲に対しては歌えば歌うほど自分のなかで愛しくなってくるので、ずっと歌い続けたいと思っています」と『NieR』の楽曲への強い愛着について方ってくれた。



コンサートが再開し、4曲目は「イニシエノウタ/デボル」が披露された。アコースティックギターが奏でるアルペジオのフレーズをバックにエミ・エヴァンスさんの力強い歌がダイレクトに届く。楽曲への思い入れを語ってくれた後だけに、その気持ちのこもった歌に、表現しようのない感動の波が襲ってくるかのようだ。中盤で聴けたピアノによる間奏も感情を刺激するプレイだった。



続く5曲目は「休息」。ピアノとアコースティックギターのみというシンプルなアコースティックなアレンジでの演奏だ。安らぎのメロディに癒されつつも、中盤には狂気と正気を行き来するかのような迫真のピアノ演奏が胸に刺さる。張り詰めた空気が支配するコンサートホールにはその演奏の音だけが鳴り響き続けた。



そして6曲目は「愚カシイ機械」。マニピュレーターによるインダストリアルな同期演奏が流れ、再びステージにはエミ・エヴァンスさん、そしてもうコーラス担当として中川奈美さんが登場した。美しいハモリとユニゾンを交えながら1曲通して聴かせてくれた。


◆『NieR:Automata』キャスト発表!各キャラの特徴とは?




ここでステージには2B役の石川由依さんが登場。新作『NieR:Automata』の映像をバックに2Bのセリフを朗読で聴かせてくれた。新作を期待しているファンにとって、予想外のサプライズにファンも大喜びだ。

2B役を演じる石川さんは「2Bの特徴としてアンドロイドのなかでも冷静沈着で感情を表に出すタイプではなく、戦うことの正義感や他のキャラへの愛情もあって人間らしい心を秘めた子なんじゃないかなと思いながら演じています」と語った。また、「他のキャラと一緒に行動していくうちにちょっとずつ心を開いていくキャラなので、2Bの気持ちを一緒に追っていってもらえると嬉しいですね」と、新キャラへの思いも語っていた。

そしてこの日発表になった『NieR:Automata』で9Sを演じている花江夏樹さんとA2を演じている諏訪彩花さんからのビデオメッセージが紹介された。

花江さんは9Sについて「アンドロイドなので演じ方が難しいんですよね。あまり感情は出さないようにと言われつつも2Dが無口な分、9Sが状況を説明したりと、感情的になる部分も多いので、そこを人間とは違った切り口で演じるのが大変だった」と収録での苦労した点を語ってくれた。また、「専門用語を使いながら世界観やキャラとの関連性を作っていくのも大変でしたし、もう2度とやりたくないと思えるシーンがたくさんあったので、演じ甲斐がありました」と、満足感のある演技ができたことも語られた。

諏訪彩花さんは「A2はセクシーダイナマイトなお姉さんでめちゃめちゃ強くてクールな感じのアンドロイド。収録の時は大人な強い女性なので気合いが入るというか、他人と馴れ合わない一匹狼って感じの女性でもあるので、そのへんを意識してクールで強く演じさせて頂きました」とA2の特徴を語ってくれた。また、「A2は口数が少ないのですが、逆に戦闘シーンではお腹から声を出すような荒々しいセリフが多くて苦戦しました」と苦労した点も語ってくれた。



ここで新作『NieR:Automata』で新曲のボーカルを担当したJ'Nique Nicoleさんと、先ほどコンサートでコーラスを担当された中川奈美さんが登場。プロデューサーの齊藤陽介氏は「エミ・エヴァンスさんの歌声とJ'Nique Nicoleさんと中川奈美さんの歌声って全然違うので、それが新作『NieR:Automata』のなかで融合していく感じがすごくいいですよね」と語り、岡部氏は「今回は音楽的にも新しい要素を入れたいと思って参加してもらった」と、新たなボーカリストの参加について語っていた。

J'Nique Nicoleさんは「このゲームの音楽はとても美しいと思います。ユニークでエキサイティングな経験の一部となれて本当に嬉しいです。いつもR&Bやポップスやゴスペルミュージックを歌っていますのでこちらの新しいゲームミュージックに参加できて、自分としても新しいフィールドにチャレンジすることができました。将来的にも自分の音楽のなかでもゲームの要素を使わせて頂きたいと思っております」と感想を述べていた。

前作でもコーラスで参加されていた中川奈美さんが新作でも引き続き参加し、「『NieR』の世界は他にはない世界なのと、ファンの人をいい意味で裏切っていく展開がありますが、それをさらに「ええっ!?」って思ってもらえるように裏切って作っていけたらなと思います」と作品への思いを語った。

◆新作『NieR:Automata』の楽曲が生歌で披露




新作や新曲へのトークが終るとコンサートが再開。ここでは新作『NieR:Automata』から新曲が披露された。まずは中川奈美さんがボーカルを担当する「NieR:Automata New BGM #1」。同期演奏を導入して披露された新曲1曲目は、民族音楽的な要素と暴力的なアレンジが施された演奏をバックに、中川奈美さんのパワフルなボーカルを印象的な1曲だ。無国籍風で不思議な雰囲気を醸しだすコーラスワークも独特だった。実際にプレイしながら聴くことができる日がくるのが楽しみだ。



続いてステージにJ'Nique Nicoleさんが登場し、2曲目の新曲「NieR:Automata New BGM #2」が披露された。情熱的で温かいJ'Nique Nicoleさんの歌声が大きくホール内に響き渡り、彼女が吹き込んだ新たな歌の息吹によって新作『NieR:Automata』の音世界が確実に垣間見えた気がした1曲だった。



ここで休憩を挟み、トークパート3が開始。ここでは新作『NieR:Automata』のデモプレイなどが紹介されたが、こちらについてはこちらのレポートを見てほしい。



トークが終るとコンサートも終盤となり、残り3曲となった。ステージに再び中川奈美さんが登場し、「エミール/犠牲」が披露された。さきほど歌唱を披露してくれた新曲とはガラッと変わり、儚さと切なさが交錯したメロディを高音ボーカルで聴かせてくれた。ストリングス中心にアレンジされた素晴らしい演奏とのコラボも含めて心に残る1シーンとなった。



続いての曲は「魔王」。最初のトークで帆足氏が「『NieR』で一番の仕事」と語った楽曲がここで披露された。まさにその帆足氏のピアノソロで演奏が開始され、魔王の心情を表すかのような悲しみのメロディがホール内に響き渡る。ゲームをプレイしていた方ならここで自然と涙がこぼれてきたのではないだろうか。ゲーム中、屈指の人気曲でもあり、コンサート終盤の大きな見せ場としてこの曲がファンに向けて問いかけられた。



そしてラストはエンディング曲の「Ashes of Dreams」で締めくくり。ピアノによる印象的なイントロのメロディに続き各楽器とボーカルが楽曲に参加。優しい旋律がホール全体を包み込むかのような演奏で、幸せな空間が生まれていた。



演奏が終ると会場からは大きな拍手が起き、そしてそれは一向に鳴り止まない。そうしたファンの期待に応えるようにステージには再び岡部氏が登場。「ゲームの発売から6年も経って、こういう形でイベントをやらせて頂けるのは本当に嬉しいです。応援して頂いたファンの皆様のおかげだと思ってます。ありがとうございます」とファンに向けて感謝の気持ちが語られ、アンコールとして2曲披露された。

アンコール1曲目は中川奈美さんとエミ・エヴァンスさんのボーカルによる「オバアチャン」。『NieR』の世界を象徴する、痛みのある冷たいメロディとドラマティックなストリングスアレンジが再び『NieR』サウンドの世界を構築していく。



ラストは引き続き2人のボーカルによる「イニシエノウタ/運命」。新曲や「愚カシイ機械」で聴かせてくれたように、この曲でも大胆な同期演奏を取り入れ、最後の曲に相応しく壮大な演奏で幕を閉じた。



コンサートの最後には本日の出演者が全員ステージに登場し、集まったファンへ向けてのコメントをしていただけたので、ここで紹介しよう。

「『NieR Gestalt』ではギターを弾いていましたが、新作でもギターを弾いていますので、ぜひギターの音も聴いてください」(後藤貴徳さん)

「今日夢が叶いました。『NieR』に参加できて嬉しいです」(J'Nique Nicoleさん)

「温かく聴いて頂いてありがとうございました。すごく気持ちよく歌えました。またぜひ皆さんに会いたいと思います」(エミ・エヴァンスさん)

「今日は観てくださって、聴いてくださって、いらしてくださって、そして愛してくださって本当にありがとうございます。これからも一緒に裏切られましょう!」(中川奈美さん)

「今日はお越しいただいてありがとうございます。コンサートに出演者として名前が出た時は誰だろう? って感じだったと思いますが、やっと発表できてすっきりできました。音楽からも素敵なパワーを頂いて、皆様からも期待と愛を頂きましたので、残りのいアフレコもがんばっていきたいと思います」(石川由依さん)

「『NieR:Automata』の制作はこれからが正念場なので、よりいいものを楽しんで頂けるようにがんばります。また新作の発売の時にはまた皆さんに会えたら嬉しいと思います」(岡部啓一氏)

「本日は僕もいち『NieR』ファンとして楽しませて頂きました。『NieR:Automata』も皆さんに愛される作品になるようにがんばっておりますので、ご期待いただければなと思います」(田浦貴久氏)

「6年前に作ったゲームのファンの方がこんなに集まってくださってありがとうございます。新作の発売まではいつも通り不安な気持ちで膝を抱えて待って頂ければと思います」(ヨコオタロウ氏)

「今日のように人前でピアノを弾くって機会はなかなかないものですから、『NieR』がその機会を与えてくれて、お客さんが聴き入ってくれる演奏ができるってことはすごい幸せなことなんだなって思いました」(帆足圭吾氏)

「エミールをやらせて頂いて6年が経って、ずっと『NieR』を大好きでいてくださった皆さんと会えることができて、『NieR』の楽曲を皆さんと聴くことができて幸せでした」(門脇舞以さん)

「昨年のE3で新作の発表をし、パリで続報を発表したことで、日本は後手後手になっていたのですが、なんとか日本のファンの方に特別な形でお届けしたいと思い、皆さんに力添えを頂きまして今日こうして皆さんにお届けできたことを嬉しく思います」(齊藤陽介氏)

-SET LIST-
01.夏ノ雪
02.光ノ風吹ク丘
03.カイネ/救済

-Talk Live Part1-

04.イニシエノウタ/デボル
05.休息
06.愚カシイ機械

-Talk Live Part2-

07.NieR:Automata New BGM #1
08.NieR:Automata New BGM #2

-Talk Live Part3-

09.エミール/犠牲
10.魔王
11.Ashes of Dreams

-ENCORE-
12.オバアチャン
13.イニシエノウタ/運命


◆『NieR:Automata』の音楽は新しい要素を入れていきたい




また、終演後にメディア向けにインタビューが行われたので、それをここで紹介しよう。今回のコンサートの感想や新作『NieR:Automata』に向けてのコメントも飛び出したので、注目してほしい。

──まずはコンサートを終えてみての感想を聞かせてください。

岡部啓一:無事に終ってよかったです。今まで『NieR』単独でお客さんからお金を頂いて開催したイベントっていうのがなかったのでプレッシャーが半端じゃなかったですが、満足いただけたようで安心しています。

齊藤陽介:私がお客さんで来たら絶対に泣くだろうなってものが作れたと思います。

石川由依:『NieR』のファンの方とは今日初めてお会いしたのですが、本当に『NieR』のことを大切に思って愛してくださってる方がたくさんいるんだなって思いました。一人のお客さんとして音楽も楽しませて頂きました。

門脇舞以:私にとって『NieR』は忘れられないずっと色褪せない大切な作品だったので同じような気持ちで待って頂いた皆さんと大好きな曲を一緒に聴くことができて幸せな時間でした。

ヨコオタロウ:いい冥途の土産ができたというか、今日は晩年を迎える気持ちでいっぱいでした。

田浦貴久:本当に純粋にいいなって気持ちでいっぱいで、新作『NieR:Automata』でもまたイベントができればいいなと思いつつ、一段と頑張ろうという気持ちになりました。

──6年前:リリースする際に5年、10年と語り次がれる作品にあるという手応えは感じていましたか?

岡部啓一:まったく感じてなかったです(笑)

齊藤陽介:開発期間が長かったので、ずーっと「青イ鳥」を聴き続けていたので、良いのか悪いのかわからなくなっていましたね(笑)

ヨコオタロウ:いざ発売ってなった時は「もう見たくない!」ってなったんですが、後からファンの方に楽しかったって言う感想を聞いて、良かったんだなって再確認できました。

──『NieR:Automata』の音楽は前作の評価のプレッシャーがあると思いますが、どうですか?

岡部啓一:前作と同じようなことをやってもあまり面白くないですし、ヨコオさんも同じことをやるってことに対して好まれる方ではないので新しい要素を入れていきたいです。ファンの方が思う『NieR』というのが出来てると思うので、新しい要素への評価は覚悟のうえですが、ゲームを進めていってもらえば新しい要素を気に入ってもらえるんじゃないかと思います。

齊藤陽介:岡部さんは『NieR』以降、『NieR』みたいな曲を作ってくださいっていうオーダーが増えたんですよね?

岡部啓一:そうなんですよ。『NieR』っぽいものをというオーダーを受けても『NieR』まんまじゃなくて、プラス新しいものを入れていったんですね。それを6年の間ずっとやってるうちに、そもそもの『NieR』っぽさってなんだっけ? ってなってしまったんです(笑)。だから『NieR:Automata』の曲作りはそこの復習から始めていますね。

──『NieR:Automata』が発売されたらまたコンサートをやりたいとおっしゃられていましたが、実際にやるとしたらどういった趣向のことをやってみたいですか?

岡部啓一:『NieR:Automata』の新しい要素として、今日のコンサートでもJ'Nique Nicoleさんの歌もそうですし、今までの『NieR』とは全然違う流れで作ったので、受け手側によって色々なことを思われたと思うんですけど、新しいけどやっぱり『NieR』だねって思える形でやりたいので、イベントでも昔の要素と新しい要素を入れつつ『NieR』としてのパッケージとしてまとまったイベントが出来ればいいなと思います。

齊藤陽介:赤字にならないイベントにしたいですね(笑)。今回はプロモーション込みだったんですが、お客さんに楽しんで頂けるものが作れたらいいなと思います。

石川由依:私はまだ他のキャストの方とはお会いしてないんですが、イベントではキャスト同士でお話するチャンスとかがあったらいいですね。

門脇舞以:新しいチームの皆さんとも掛け合ってみたりできたら嬉しいです。新しいエミールの曲も期待しています。

ヨコオタロウ:僕は舞台がやりたいです。これはずっと言ってるんですけど、こうして言っていればなんとかなるかなと思って言ってみました(笑)。皆さんをノせてください。

齊藤陽介:スケジュール通りゲームを上げれば考えてもいいかな(笑)

田浦貴久:今回ゲームのプレイを見てもらったんですが、あまり多くは見せられなかったので、もっと色々なバリエーションが見せれるようなものができればいいなと思います。

──今回900人規模の会場で今回やられてみてどうでしたか? 次回やるとしたらどういった会場でやってみたいですか?

齊藤陽介:大きさ的には今回の大きさがちょうどいいんじゃないかなと思いました。お客さんの表情が見えるサイズってこれくらいなのかな、と。今回本当は2公演、3公演というのも考えてはいたんですが、初めてだったのでキッチリとリハーサルもやりたかったし、これくらいの会場で回せるのが一番なんじゃないかと思います。

──今回のコンサートではチケットの争奪戦もあり、ファンとしてはもっと大きな会場での開催を望んでるのではないでしょうか?

ヨコオタロウ:今回は久々ということもあってお客さんも来てくれたと思うんですよ。なので調子に乗ってもう一回やったらガラガラになっちゃうかもなので、次は30人くらいのライブハウスかな(笑)

一同 (爆笑)

──今日のセットリストや演出を考えられた方はどなたなのでしょうか?

齊藤陽介:今回はパンフレットにキャストの方を発表していたので、新曲をあまり後ろのほうに持っていけないっていうのもあったんですが、選曲や曲順を考えてくれたのは岡部さんですね。

岡部啓一:最後の「イニシエノウタ/運命」は同期演奏をしないと無理だったんですが、それをやるのであれば、みたいなところも結構あって。で、『NieR:Automata』の曲は初めて皆さんの前に初めて出すので原曲に近いイメージで聴いて頂きたいなと思ったんですね。なので新曲は同期演奏をしましょうということになり、それなら「イニシエノウタ」も2バージョンができるといいね、っていう音楽的な視点で提案させて頂きましたね。

──新作でJ'Nique Nicoleさんを起用した決め手を教えてください

岡部啓一:前回エミさんを起用しましたが、今回は真逆で力強い押しのあるボーカリストというのを考慮して起用させて頂きました。

──トークライブで、エンディングを有料ガチャにしたかったというヨコオさんの衝撃的な発言がありましたが、ヨコオさんはそんな感じでいつもロックなことをおっしゃる方だと思いますが、今回他にそういったエピソードはありましたか?

齊藤陽介:今仕様としてフィックスしているものがあまりにも酷いんですよ(笑)

ヨコオタロウ:いや、あれは意外といいよ(笑)

齊藤陽介:なので、これを早くリリースして世の中に問いたいですね(笑)。これはアリなのかナシなのか、と。

──ありがとうございました!
《風のイオナ》
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