■ロボホンの概要
ロボホンは、ロボットクリエイターの高橋智隆氏とシャープが共同で開発したモバイル型ロボット電話。モバイル通信(LTE/3G)に対応しており、Android 5.0を搭載したスマートフォンとしての基本機能が利用できる。音声対話UIに対応しており、全機能を対話により操作できるというユニークな特徴をもっている。なおアプリや機能は随時追加していける。サイズは身長約19.5cm、重量は約390g。
おでこには、フォーカスフリーの小型レーザープロジェクターを搭載。ロボホンやほかのスマートフォンで撮った写真・動画、YouTube動画やWeb検索したウィキペディアの結果、Googleマップなどを机や壁に投影できる。ユーザーの利用状況やプロフィールなどはロボホンが学習し、適宜成長していく仕様。これにより、使えば使うほど自然なコミュニケーションが可能となる。シャープでは、ロボホンの販売開始にあたり「クラウドサービス」「回線」「製品保証」「製品の予約・販売」に関する各サービスを提供する。通信サービス「ココロプラン」(必須)の月額利用料金は980円、保証サービス「ケアプラン」(任意)の月額利用料金は990円から。
IT業界においてモノのインターネット(IoT)が新たなイノベーションを生むキーワードとなる中、シャープではモノの人工知能化(AI×IoT=AIoT)を掲げる。知性と愛着を備えた身の回りの電化製品が人に寄り添う、そんな世界を目指している。記者説明会に登壇したシャープ 代表取締役の長谷川祥典(よしすけ)氏は、ロボホンを「単なる道具ではなく、お客様が愛着を感じられる相棒、パートナーのような存在になる」と説明していた。日本の文化・技術を海外に発信したいシャープでは、ロボホンの海外展開も視野に入れている。
続いて登壇した、シャープ 通信システム事業本部の景井美帆氏は、スマートフォン用のCPUで動き、GPSや照度センサを積み、無線技術を備えているロボホンを評して「スマートフォンで培った技術が活かされている」と説明。またシャープがこれまで独自に開発してきた、ともだち家電、スマホの機能「emopa」といった技術がロボホンの機能に結実していると評価した。舞台上では、ここで実際にデモが行われた。
ここで、ロボットクリエイターの高橋智隆氏が登壇。「ロボホンがもたらすインパクトは、初代iPhoneがもたらしたものに匹敵するかも知れない」と話し、シャープに対しては「チャレンジ要素の高い商品にも関わらず、販売に前向きに取り組んでくれた」として感謝の意を表した。高橋氏は、従来のロボットに足りなかったものとして”充分な性能、知性、ビジネスモデル、役割”といったポイントを挙げ、一方でスマートフォンに足りないものとして”将来性、愛着”を挙げる。これらを補完できる存在がロボホンであり、人と機械の関係を良いものに変えていくと持論を展開した。
シャープでは今後、ロボホンに追加するアプリ・機能をパートナー企業と共同で開発していく方針。説明会でも、いくつかのパートナー企業が紹介された。例えば、Japan Taxiではタクシー配車アプリを提供する。同社 COOの濱 暢宏氏は「ロボホンとの間では『タクシーを呼んで』『オッケー、近くの建物までタクシーを呼ぶね。あと5分くらいだよ』『タクシー来ないね。タクシー遅いね』といった会話が交わされる。ロボホンが間に入ることで、こうした温かみのあるロケーションが生まれる。お客様のストレスを和らげ、新しいタクシーの利用も呼びこめるかも知れない」と期待感を口にした。
■ホンハイは何と言っている?
記者説明会の最後には、質疑応答の時間が設けられた。
--- 保守サービスは、何年間続けていくか。
長谷川氏「まずは5年。できる限り、長い間継続していきたい」
--- シャープの中で、ロボホンはどのような位置づけになる?
長谷川氏「ロボホンはスマートフォンとして、独立したサービスを提供する存在になる。ほかのAIoTの製品や技術とも連携していく」
--- 生産台数は。
長谷川氏「月々5千台、年間6万台を予定している」
--- 鴻海(ホンハイ)のテリー・ゴウ会長は、ロボホンについてコメントしているか?今後、継続して開発を続けていけそうか。
長谷川氏「いろいろなアイテムがある中で、まだきっちりご説明する時間が取れていない。ロボット事業に関しては、しっかりやりなさいと言われている。ホンハイからは、シャープが収益を出せるよう、助けていただける見込み。シャープの良い文化については残す、という方針でお話をさせて頂いている」
ロボット×スマホを実現! シャープ、モバイル型ロボット電話「RoBoHoN」
《近藤謙太郎@RBB TODAY》編集部おすすめの記事
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