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【インタビュー】学生時代からVRを研究してきた水口哲也に『Rez Infinite』誕生の経緯を訊いた

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【インタビュー】学生時代からVRを研究してきた水口哲也に『Rez Infinite』誕生の経緯を訊いた
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 昨年末のPlayStation Experience 2015にて電撃発表されたPS VR用タイトル『Rez Infinite』。2001年にドリームキャスト/PS2で発売された『Rez』が、なぜ今になってVR用タイトルとして蘇ったのか、GDCのPS VRイベント会場にてクリエイターの水口哲也氏にお話を伺うことができました。


――『Rez』をPS VR用タイトルとして蘇らせた理由をお聞かせください。

水口氏:いろんな人に聞かれるのですが、僕の中ではけっこう自然なことで、今から25年以上前の学生の時からVRを研究していたんです。1990年にセガに入って、アーケードでVRのプロジェクトをいくつか経験しています。当時はテクノロジーとしては早すぎたものでしたが、どうやってVRのゲームを作るかは20年以上前にはやっていたんです。

その後、アーケードゲームで『セガラリー』とか色々なものを作って、家庭用ゲームで『Rez』などを作ったんですが、自分の中では『Rez』を作っているときも「なぜ4:3の狭い画面に押し込めないといけないんだろう」と思いながら作っていたんです。頭の中には無限に広がるような世界があったのに、どうしてもそこに押し込めないといけないという制約があって「いつかVRになったときにはこの制約を取っ払ってやれたらいいのにな」ってずっと思っていたので、そういう意味では、15年ぐらいかけてやっとできたと考えてもおかしくはないものだと自分は思っています。それくらい自分にとっては自然なことだったんです。

――以前からVRを研究していたとのことですが、Oculus Riftなどの他のVR機器で別の試作ゲームみたいなものは作っていたのでしょうか?

水口氏:いえ、それはなかったです。僕の中ではVRが色々できそうだなってわかったときに、すぐに『Rez』をVR化しようと。前からずっと考えていたので、ゆっくり準備しながらやってきた感じですね。

――『Rez』というゲームは映像と音楽が密接な関係にありますが、開発する際は映像と音楽のどちらを先に創造してゲームに落とし込んでいるのでしょうか。



水口氏:(映像と音楽は)けっこう何度も行き来するんですよ。例えば、映像とも言えないようなプリミティブな物体とかでゲームのメカニズムを最初に作るんです。何も装飾してない状態で、シンプルな効果音が音楽化していく楽しさとか、面白さが確認できたら、はじめてそこに音楽的なものというか、シンプルなビープ音みたいなものではなく、感情が動くような音をその上に乗せていくという作業が、その後やっと始まるんです。

だから正確に言うと、ゲームのメカニズムがシンプルに出来上がった後は、どんな音でどんな気持ちになるかというのをやりつつ、世界観を考えつつ、ビジュアルを入れたときにさらに音をチューニングしたりとか、そのように行き来するんです。僕らは15年前にそういうプロダクションをやっていたのですが、人間の共感覚的な体験を作って、それで人が気持ちよくなるとか、楽しくなるということをやるときに、少しずつある種の骨組みから、立体的な彫刻を作っては修正して、みたいなことを繰り返すんです。動く建築みたいだねって言ってたんですが、そういう作り方をしていますね。これは僕らの独特な作り方だと思います。

それは、『ルミネス』っていうパズルゲームだろうが、その後のKinectを使った『Child Of Eden』であろうが、あれは『Rez』の精神的続編として作っているのですが、作り方としては共通してますね。共感覚的な体験というのは、そうやって磨かれていくんだなという感じです。


会場で体験できた『Rez Infinite』。PS VRと相性は抜群で、かなり高い没入感を得ることができる。

――『Rez Infinite』の「Infinite(無限)」という言葉に込められた意味とは何なのでしょう?

水口氏:2001年の時の『Rez』はここに帰結する意味としての「Infinite」。いろんな意味があるのですが、『Rez』はみんな何回も遊んでくれるので、最後クリアして終わり、ではないんです。前作は15年も経ってるのだけど、未だに遊んでる人もいます。そう考えると、体験は終わらないという意味での「Infinite」の意味もあるといったいろんな意味が込められています。

――最後の質問ですが、今後、VRという技術はどのように変化していくと思いますか?

水口氏:個人的には、1990年の頭にあったような出ては消えていくっていうことはもう起こらないだろうな、と予測しています。理由はいくつもありますが、テクノロジーの進化が追いついた、VRという基本的なコンセプトというか理想に技術が追いついたというのが今の状態なんです。センサーのテクノロジーやディスプレイの解像度とか、それを再生するエンジンですよね。それがPCだったり、ゲームコンソールだったりしますが、多分この先のスピードでいうと、ディスプレイが4Kになって8Kになっていくというのは、かなり速いスピードで行われていくと思うんです。

今のムーアの法則的な直線というのも早くなって外れ始めている、それくらい技術の進化ははやい。人間の目の解像度とか、それを超えてくるのがあと5年後くらいだと僕は予想していて、今作っているものが片目8Kになると、本当にリアルな世界が見えると思います。そこまで行くと、たぶんVRはARとマージされていくといったいろんな展開が出てくると思います。そうすると、パソコンを使っていた時代がずいぶん懐かしくなると思うんですよね。四角いディスプレイでキーボードを叩いていたということが、10年後の子供たちには笑いごとになっているかもしれません。個人的には、そう思いますね。

――なるほど。本日はありがとうございました。
《Game*Spark》

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